尋常性乾癬
目次
- 4. 治療法
- 5. 対処・予防法・注意など
尋常性乾癬とは

原因
尋常性乾癬の発症原因は明らかになっていないのが現状です。しかし、発症に遺伝的素因があることがわかっています。この遺伝的素因に不規則な生活や偏食、ストレス、肥満、感染症、薬剤の摂取などが加わることで、尋常性乾癬が発症するとされています。また、尋常性乾癬は感染しません。感染が乾癬のきっかけになることはありますが、皮膚に炎症がおきているだけです。
症状
尋常性乾癬になると皮膚が赤く盛り上がり、その表面を覆う細かいカサブタがフケのようにボロボロと剥がれ落ちます。
これは表皮細胞の異常な増殖が起き、健康的な皮膚よりも10倍以上の速さで表皮が作られ、そして過剰に作られた表皮が積み重なって剥がれていくためです。このとき炎症性の細胞が集まって活性化するため、毛細血管が拡張して赤みを帯びたようになります。
尋常性乾癬は、特に肘やひざ、腰回りなど、摩擦を受けやすい部位によくみられます。頭皮や爪に症状が出ることもあり、かゆみを伴う場合があります。 そのほかに、関節の痛みや腫れ、変形などの症状が起こることもあります。
治療法
尋常性乾癬の治療には、ステロイド剤などの外用薬が中心となります。難治のケースでは、外用薬にプラスして紫外線療法を併用して治療効果を高めます。また、症状の度合いにより医師の判断によって、内服療法や生物学的製剤といった全身療法を併用する場合もあります。
■ 外用薬による治療
■ 中波紫外線療法
中波紫外線療法は紫外線の「免疫の働きを調節する作用」を利用した治療方法です。尋常性乾癬のほか、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、乾癬、尋常性白斑、円形脱毛症などの難治性疾患に有効です。照射範囲が患部に限られるので、健康な皮膚へ影響を与えることがありません。従来の紫外線療法で改善しにくかった皮膚病変にも効果があり、安全性が高いことも確認されています。
▶︎「中波紫外線療法」に関して詳しくはこちら■ 2. 内服療法
尋常性乾癬の症状が中等症から重症の場合、内服療法を併用しています。様々な内服薬があり、免疫抑制作用を有するもの、角化異常症治療薬に有効なもの、さらには免疫調整薬など症状に合わせて処方します。
アプレミラスト(オテズラ)
メトトレキセート
シクロスポリン(ネオーラル)
対処・予防法・注意など
尋常性乾癬の予防として肌への刺激を減らすことが重要です。衣服は綿素材などの刺激の少ないものなどを選びましょう。また入浴の際は熱いお湯や長風呂は避け、体をゴシゴシと擦らないよう気をつけましょう。乾燥しないよう入浴後は保湿クリームを塗るなどしてください。日光に含まれる紫外線には、炎症をやわらげたり、皮膚の新陳代謝を抑制する作用があるため、日光浴や散歩もおすすめです。