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自家感作性皮膚炎|掻いた湿疹が全身に広がったときの治療
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
「虫刺されを掻いていたら、湿疹が全身に広がってきた」「もとの傷は小さかったのに、体中がかゆくて眠れない」——このような状態は自家感作性皮膚炎の可能性があります。もとの皮膚炎が悪化したことをきっかけに、離れた場所へ次々と発疹(散布疹)が広がっていく病気です。
強いかゆみで夜眠れなくなり、掻くことでさらに広がるという悪循環に入りやすいため、自己判断で市販薬を続けるより、早めに皮膚科で「もとの皮膚炎」ごと治療するのが近道です。当院は保険診療・予約不要、駒沢大学駅直結で当日受付しています。
自家感作性皮膚炎とは
自家感作性皮膚炎は、主に虫刺されやかぶれ、貨幣状湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎が急に悪化し、発疹が全身に広がる状態をいいます。
初めにできた皮膚炎の部分が急に悪化して、ぶつぶつした湿疹である「丘疹」や、赤く盛り上がった「赤疹」ができ、それらが全身にまばらに現れることが多いとされています。自家感作性皮膚炎は、非常に激しい耐え難い痒みを生じます。搔いてしまうと、さらに湿疹が広がるケースもあるので注意が必要です。
自家感作性皮膚炎は、原因となる皮膚病変の治療が適切に行われると徐々に改善します。治療後に皮膚に瘢痕などを残すことは稀です。



※上記は自家感作性皮膚炎の見た目を示すための画像です。治療前後の比較を示すものではありません。皮疹の現れ方には個人差があり、実際の診断は診察により行います。
原因
自家感作性皮膚炎の主な原因は、発端である皮膚炎が悪化してできた、変性自己たんぱくや細菌、毒素などによって起こったアレルギー反応ではないかと考えられています。
うっ滞性皮膚炎、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、足白癬、熱傷などが悪化して細菌感染が生じたり、掻きむしって組織が壊れることにより、そこで生成された変性タンパク質や細菌・真菌成分がアレルゲンとなります。
これらのアレルゲンは、その病変部位に留まらず、血液の流れに乗って他の場所へ移動したり、病変を掻きむしった手が口に入ることでアレルゲンが全身に広がります。そのようにして他部位に移ったアレルゲンが、その部位でアレルギー反応を起こして皮疹を生じるのが自家感作性皮膚炎です。
また、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、貨幣状皮膚炎などが悪化して、この病気に移行する場合があります。これらの皮膚病を抱える方は特に注意が必要です。
症状
自家感作性皮膚炎は、まず発赤や腫脹などの炎症がおこります。それが2週間ほど経過すると、強い痒みを伴う2~5mmのぶつぶつした湿疹である「丘疹」や、赤く盛り上がった発疹「赤疹」、膿みのたまった「膿疱」などが全身に現れます。これら皮疹は「散布疹」といい、主に体幹や手足、顔など左右対称に出るのが特徴です。
耐えがたい激しい痒みがあるので、無意識のうちに掻いてしまい、状態を悪化させてしまうことも少なくありません。全身で重度のアレルギー反応がおこるため、発熱やだるさなどの全身症状が起こることがあります。場合によっては、さらに熱が上昇したり、食欲不振、悪寒、精神的な影響があわせて出ることもあります。
炎症を悪化させないためにも、強く掻きむしったり、不適切な薬剤を塗るのはやめましょう。
- 体の一部にできた赤い皮疹が、急激に周囲にも広がっていった
- 皮膚に何らかの異常がある
- お腹や胸や背中の皮膚に異常がある
- 一部でなく全身に赤みがある
- 皮膚のかゆみがある
- 全身の皮膚に赤みがある
- 皮膚をかきむしっている
- 皮膚に赤いブツブツがある、あるいは皮膚が赤くなっている
- 皮膚が赤く盛り上がっている
散布疹の実際の広がり方(当院症例写真)
自家感作性皮膚炎でみられる散布疹は、もとの皮膚炎から離れた場所に、左右対称に多発するのが特徴です。実際の分布を示します。



※掲載写真は当院で撮影した実際の皮膚所見です。掲載について患者さんの同意を得ています。治療前後の比較を示すものではなく、同様の経過を保証するものではありません。皮疹の現れ方には個人差があります。
治療法
自家感作性皮膚炎の治療は、基本的に「ステロイド」の塗り薬を使って、皮膚炎と散布疹を抑えることが主となります。
ステロイドは、身体が炎症を起こすメカニズムを抑える働きがあり、炎症を和らげてくれます。
じくじくした発疹に対して効果的な塗り薬です。亜鉛華軟膏は、皮膚を保護し症状を緩和する働きを持っており、回復を促しつつ、痒みなどの症状を抑えるのに役立ちます。
痒みが酷い場合には、痒みの元であるアレルギー反応を抑える効果のある「抗ヒスタミン薬」を服用します。
皮膚炎や放散疹が広範囲で、進行がはやい場合には、飲み薬のステロイドを内服し、身体の内側から炎症を抑えます。
ときに、自家感作性皮膚炎は、ヒゼンダニによる疥癬などとの見分けが難しいケースもあります。自家感作性皮膚炎が大きくはアレルギー反応であるのに対し、疥癬はヒゼンダニの感染という違いがあります。周囲でも同じような症状が出ている人がいたとしたら、虫刺されや疥癬の可能性もあるでしょう。
特に疥癬は、非常に感染力が強いことが特徴であり、詳しく治療するためには、顕微鏡での検査が必要でもあります。自家感作性皮膚炎とは異なるものですが、誤った方法の治療で悪化しないためにも、症状が出た場合にはクリニックを受診してください。
対処・予防法・注意など
高脂質・高糖質・高タンパクな食事や、冷たい物などは、消化しにくく、胃腸のはたらきを低下させて、痒みの原因である「湿熱」を生み出すことが考えられます。辛いものなど刺激の強い食べ物も痒みを助長させるおそれがあるので注意しましょう。
また、肌は寝ている間に新陳代謝が高まり修復されるといわれています。質のよい睡眠をとることを心掛けると、回復力も高まり、皮膚の改善につながります。
- 掻破のコントロールが最優先——掻くことで散布疹が新たに増えます。爪を短く切り、かゆみが強い時間帯は冷やす、就寝時は綿の手袋を使うなどの物理的な工夫が有効です
- 入浴は熱すぎない温度で——熱いお湯・長風呂・ナイロンタオルでのこすり洗いはかゆみを強めます。ぬるめの湯で、泡でやさしく洗ってください
- もとの皮膚炎を残さない——足の傷、うっ滞性皮膚炎、足白癬など「発端」が治りきらないと再燃します。散布疹だけでなく発端の治療を最後まで続けることが重要です
- 市販薬の使い回しをしない——他の部位に処方された薬や家族の薬を流用すると、部位に合わないランクのステロイドで悪化することがあります
当院の診療方針と費用(保険適用)
湿疹が全身に広がる原因は自家感作性皮膚炎だけではありませんが、いずれの場合も「発端がどこにあるか」を特定することが治療の出発点になります。自家感作性皮膚炎の治療は、散布疹を抑える治療と、発端になった皮膚炎の治療を同時に進めることが基本です。当院では初診時に、全身の皮疹の分布と、発端と考えられる病変(虫刺され跡・足の傷・うっ滞性皮膚炎・貨幣状湿疹など)を必ず両方確認します。
院内顕微鏡検査で、当日その場で鑑別します
全身に広がる発疹は、疥癬・白癬(水虫やたむし)・伝染性膿痂疹など、治療法がまったく異なる病気と紛らわしいことがあります。当院は院内に顕微鏡を備えており、ヒゼンダニや真菌の有無を受診したその日のうちに確認できます。外部委託の検査結果を待つ必要がないため、初日から方針を決めて治療を始められます。
部位に応じたステロイド外用薬の使い分け
顔・体幹・四肢では皮膚の厚さも吸収率も異なるため、同じ強さの外用薬を全身に塗るのは適切ではありません。皮疹の勢いと部位に合わせてランクを選び、改善に応じて段階的に下げていきます。かゆみが強い場合は第二世代抗ヒスタミン薬の内服を、皮疹が広範囲で進行が速い場合は短期間のステロイド内服を併用することがあります。
費用の目安(3割負担)
| 診療内容 | 費用の目安(3割負担) |
|---|---|
| 初診料 | 約870円 |
| 再診料 | 約230円 |
| 顕微鏡検査(必要な場合) | 約200円〜 |
| 処方薬(外用・内服) | 別途・処方内容により変動 |
※上記は目安であり、診察内容・処方内容により変動します。1割・2割負担の方はさらに低くなります。※費用は診療報酬改定により変更となる場合があります。最新の費用は診察時にご確認ください。
かゆみで眠れない状態を、長引かせないために
予約不要・当日受付・保険診療
「これは何の湿疹なのか分からない」という段階でも大丈夫です。まずは診察にお越しください。
03-3413-6600 公式LINE受診の目安・やってはいけないこと
- 発熱・だるさ・悪寒など、皮膚以外の症状をともなっている
- 数日のうちに顔や体幹へ急速に発疹が広がっている
- かゆみで眠れない日が続いている
- じくじくした滲出液・膿・厚いかさぶたがある(細菌感染の合併が疑われます)
- 市販薬を2週間ほど使っても改善しない、あるいは悪化している
- 家族や周囲にも似た症状の人がいる(疥癬など感染性疾患の鑑別が必要です)
- 最初に皮疹ができた場所と、いつ頃からか
- すでに使用した市販薬・以前に処方された外用薬の名前
- 虫刺され・傷・やけど・水虫など、きっかけと思われる出来事
- ご家族や周囲に似た症状の方がいるかどうか
- 強く掻く・こすり洗いをする(散布疹が新たに増える最大の要因です)
- 他の部位や家族に処方された外用薬を流用する
- 「乾かせば治る」と考えて消毒薬を繰り返し塗る(かえって刺激になります)
- 症状が軽くなった時点で自己判断により外用薬を中止する(再燃しやすくなります)
関連する皮膚疾患について
自家感作性皮膚炎の「発端」になりやすい皮膚疾患について、専門医監修のコラムで詳しく解説しています。
よくある質問
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
- 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
- がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
- 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
- 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- PDGF(血小板由来増殖因子)に関する研究/文部科学省 科学研究費
- 隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)に関する研究/日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)
「虫に刺された場所を掻いていただけなのに、体中に広がってしまった」——自家感作性皮膚炎の患者さんは、多くがこの経過をたどって来院されます。皆さんに共通しているのは、かゆみで眠れないつらさと、「これは何の病気なのか」という強い不安です。この病気は、発端となった皮膚炎を治しきることと、掻破の連鎖を断つことの両方ができれば、徐々に落ち着いていきます。逆に、散布疹だけを塗り薬で抑えて発端を放置すると、何度でも繰り返します。全身に広がると受診をためらう方もいらっしゃいますが、疥癬や白癬との鑑別も含めて当日その場で判断できますので、早い段階でご相談ください。
ご相談・アクセス
予約不要・当日受付・保険適用
掻くほど広がるのが自家感作性皮膚炎の特徴です。悪循環に入る前の受診が、結果的に治療期間を短くします。
03-3413-6600 公式LINE土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F






【美容施術時間】
▲=土曜午後/14:00〜17:00
