皮脂欠乏性湿疹
目次
- 4. 治療法
- 5. 対処・予防法・注意など
皮脂欠乏性湿疹とは
皮脂欠乏性湿疹は、乾燥して角質が剥がれ、亀甲状あるいは円形の赤みが生じ、痒みが増した状態を指します。これらは老化などの要因により、バリア機能が損なわれたことで発症します。膝から下に生じることが多く、大腿や腰に広がる場合もあります。晩秋から冬の乾燥した時期や、熱いお風呂や入浴時の洗いすぎ、過度な冷暖房の使用で悪化する可能性があります。段階的に進行する病気のため、いつの間にかに重症化することが多いので、早めの対処・治療が大切です。
原因
脂漏性皮膚炎は乾燥が主な原因で発症します。乾燥により角層に水分を保てなくなった皮膚はバリア機能が低下し、角質細胞も剥がれやすくなります。そうしてカサカサの状態になった皮膚は、わずかな刺激でも痒みや炎症がおこりやすくなります。
高齢者に発症することが多いですが、以下のような原因により若年層でも症状が現れることがあります。
- 加齢に伴う皮膚表面の皮脂や角質細胞間脂質(セラミド)、天然保湿因子(アミノ酸や塩類など)の減少
- 外気の乾燥、気温低下による発汗量の減少
- 体の洗い過ぎや過度な冷暖房の使用
- 血液透析や、一部の抗がん剤治療、糖尿病などの乾燥を伴う基礎疾患がある患者
症状
皮脂欠乏性湿疹は以下のように、皮膚に痒みを伴う乾燥症状が現れます。
- 皮膚が乾燥してカサカサしている
- 粉をふいたように白い
- ひび割れている
その他の特徴として以下のようなものがあります。
- 下腿や大腿、腰回り、脇腹症状が出やすい
- 秋〜冬の外気が乾燥する時期に好発する
- 進行すると湿疹が発症する
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■ 皮脂欠乏性湿疹
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■ 皮脂欠乏性湿疹(掻破痕)
治療法
当院では痒みや炎症を抑えるため以下のような治療を行います。
- 保湿により皮膚に潤いを与え、症状の悪化を防ぐ
- ステロイド外用薬で炎症を抑える
- 痒みが強い場合、 抗アレルギー薬(第二世代抗ヒスタミン薬)を内服する
対処・予防法・注意など
皮脂欠乏性湿疹は乾燥を予防し、保湿をしっかり行うことが重要です。また、皮膚に温かいものが触れると痒みが増すので避けましょう。
入浴時には以下の点に注意します。
- 石鹸を手のひらで泡立て、優しく手のひらで体を洗う
- 石鹸はきちんと洗い流す
- 入浴はお湯が熱いと肌が痒くなるため、ぬるま湯にする
- 入浴剤は保湿性が高く、肌に刺激の無いものにする
- 入浴後、濡れた体はしっかり水分を拭き取り、すぐに保湿する
その他、以下の点に気を付けて生活しましょう
- 寝ている間は電気毛布を使用しない
- 加湿器を使用する
- 肌にダメージを与えないよう紫外線対策をする
- 衣類は天然素材などを使用し、サイズはゆったりめにして摩擦におきにくいようにする
- ストレスを溜めない