酒さ様皮膚炎
目次
- 3. 酒さと酒さ様皮膚炎の違い
- 4. 酒さ様皮膚炎の治療方法
酒さ様皮膚炎の原因
酒さ様皮膚炎の主な原因は、長期にわたるステロイド外用薬の使用にあります。ステロイドは接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患を治療するためには非常に重要な薬ですが、長期間使い続けることで皮膚が薄くなったり、赤みやかゆみ、敏感さを引き起こすことがあります。特に、顔にステロイドを長期間使用すると、酒さ様皮膚炎として知られる赤ら顔が出現することがあります。また、ステロイドの使用により真菌やダニ(ニキビダニ)が皮膚内で増殖することもあります。
酒さ様皮膚炎の症状
長期間ステロイド外用剤を使用した箇所では、血管が広がり、「酒さ」のような赤みが目立つようになります。同時に、小さな吹き出物(丘疹)や膿を伴うブツブツ(膿疱)が多数現れることがあります。
症状が出た部位は、灼熱感やかゆみを伴い、皮膚が脂っぽくなるのが特徴です。進行すると、皮膚が鱗状になり、剥がれ落ちるようになります。
酒さ様皮膚炎の症状は、酒さと似ているように見えることがあり、顔全体に広がる場合もあります。
特に口の周りに症状が集中するケースは、「口囲皮膚炎(こういひふえん)」と呼ばれることもあります。
酒さと酒さ様皮膚炎の違い
酒さは、主に頬や鼻に赤みを伴い、毛細血管の拡張やニキビに似た症状が現れる皮膚の状態です。その原因ははっきりとは分かっていませんが、紫外線やストレス、アルコール、さらには刺激物の摂取が関与していると考えられています。 一方で、酒さ様皮膚炎も顔に赤みが出現し、ニキビのような丘疹や膿疱が見られますが、こちらは主に長期間のステロイド外用薬の使用によって引き起こされる副作用とされています。このように、両者は似たような症状を呈しますが、その原因は大きく異なります。酒さ様皮膚炎の治療方法
酒さ様皮膚炎の主な原因はステロイドの長期使用です。そのため、治療の第一歩はステロイドの使用を中止することです。しかし、突然ステロイドをやめると、強い離脱症状が出ることがあります。このため、まずは使用するステロイドの強さを徐々に弱めたり、塗布の頻度を減少させて、体を慣らしながら離脱を進める方法が推奨されます。
ステロイドをやめる際には、抗アレルギー薬を併用することもあります。通常、治療にかかる期間は、ステロイド外用薬を使用していた期間の1.5倍から2倍程度を見込む必要があります。
ステロイドをやめる際には、抗アレルギー薬を併用することもあります。通常、治療にかかる期間は、ステロイド外用薬を使用していた期間の1.5倍から2倍程度を見込む必要があります。
内服薬
- 毛穴の炎症を抑えるためにテトラサイクリン系抗生物質(ビブラマイシン、ミノマイシン)が処方されることがあります。この薬は、赤いブツブツの改善に対して長期の内服が効果的とされています。
【副作用】
食欲の低下や嘔吐、吐き気、発熱、発疹、肝機能障害さらにはじんましんなどの副作用が見られることがあります。
食欲の低下や嘔吐、吐き気、発熱、発疹、肝機能障害さらにはじんましんなどの副作用が見られることがあります。
外用薬
- 外用治療には、抗生物質含有軟膏やコレクチム軟膏、イベルメクチンクリームが使用されることがあります。
■イベルメクチンクリーム(自費診療)
イベルメクチンクリームは、寄生虫感染や皮膚疾患の治療に用いられる外用薬で、主成分はイベルメクチンです。抗寄生虫作用があり、特に疥癬やその他の皮膚感染症に効果的です。酒さにおいても、炎症を抑える役割が期待されています。使用は1日1回が一般的で、皮膚に直接塗布します。副作用としては、かゆみや刺激感が出ることがあるため、注意が必要です。
【使用できない方】
妊娠中・授乳中の方
過去にイベルメクチンでかゆみや発疹などのアレルギー反応を起こしたことがある方
妊娠中・授乳中の方
過去にイベルメクチンでかゆみや発疹などのアレルギー反応を起こしたことがある方
【副作用】
まれに赤み、かぶれ、湿疹、蕁麻疹などを生じることがあります。
まれに赤み、かぶれ、湿疹、蕁麻疹などを生じることがあります。