とびひ(伝染性膿痂疹)の症状・原因・治し方|子供・大人・何科に行くべきか|駒沢皮膚科

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とびひ(伝染性膿痂疹)の症状・原因・治し方|子供・大人・何科に行くべきか

皮膚科専門医 監修 保険診療対応 最終更新:2026年4月
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

「子どもの皮膚に水ぶくれができた」「かゆくてかいたら広がってきた」「これはとびひ?」——そんな不安を抱えてご来院される方が、とくに夏場に多く見られます。

とびひ(伝染性膿痂疹)は細菌が原因の皮膚感染症で、適切に治療すれば通常1〜2週間で改善が期待できます。一方で放置すると広がり続け、家族への感染リスクも高まります。このページでは、とびひの症状・原因・治し方・受診のタイミングを皮膚科専門医が詳しく解説します。

📌 このページでわかること
  • とびひ(伝染性膿痂疹)とは何か・2つのタイプの違い
  • 初期症状・水ぶくれ・かさぶたの特徴と見分け方
  • 子供・大人それぞれの注意点
  • 何科を受診すべきか・保険診療での費用目安
  • 治療期間・登園登校の目安・自宅でのケア方法
  • とびひと間違えやすい他の皮膚疾患との違い

とびひとは?伝染性膿痂疹の基礎知識

とびひの正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」。皮膚に常在する黄色ブドウ球菌やA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)が、虫刺され・湿疹・アトピーなどで傷ついた皮膚から侵入して発症する感染症です。

「とびひ」という名前は、まるで飛び火のように皮膚の離れた部位に次々と広がる様子から来ています。かいた手で触れた箇所や、タオル・衣類を介して他人にもうつることがあります。

🔍 とびひの基本データ
項目 内容
正式名称 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)
主な原因菌 黄色ブドウ球菌、A群溶血性連鎖球菌
好発年齢 乳幼児〜小学生(大人にも発症)
好発時期 高温多湿の夏(6〜9月)に多い
感染経路 接触感染(直接・タオル・衣類など)
保険診療 適用

症状の特徴・初期症状・2タイプの違い

初期症状

とびひは最初、小さな赤み・かゆみ・水ぶくれ(水疱)として始まります。虫刺されやあせも、アトピーの掻き傷がきっかけになることが多く、「少し赤いだけ」「虫刺されかな」と思っているうちに急速に広がるのが特徴です。

⚠️ こんな症状が出たらとびひを疑う
  • 虫刺されや傷の周囲に黄色い水ぶくれができた
  • 水ぶくれが破れてじゅくじゅくした傷になった
  • かさぶたが黄色〜茶色のはちみつ色をしている
  • かゆくてかいたら別の部位にも広がってきた
  • 子どもが夏に急に皮膚症状が出た

2つのタイプ

とびひには大きく2つのタイプがあり、原因菌・症状・治療方針が異なります。

水疱性水疱性膿痂疹
原因:主に黄色ブドウ球菌
症状:薄い壁の水ぶくれ(水疱)が破れやすく、じゅくじゅくした湿った傷が広がる
特徴:子供に多い。かゆみが強く、かいて広げやすい
好発部位:顔・首・手足・体幹
痂皮性痂皮性膿痂疹
原因:主にA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)
症状:厚いかさぶた(痂皮)を伴う。発熱・リンパ節腫脹を伴うことも
特徴:大人や免疫が低下した方に多い。全身症状が出やすい
好発部位:顔面・口周り・鼻周囲に多い
⚠️ 痂皮性は重症化に注意:A群溶血性連鎖球菌が原因の痂皮性とびひは、まれに急性糸球体腎炎(腎臓の炎症)を合併することがあります。発熱・むくみ・尿の異常が出た場合は速やかに受診してください。

原因・感染経路・広がりやすい条件

なぜとびひになるのか

健康な皮膚は細菌の侵入を防ぐバリア機能を持っています。しかし以下の条件が重なると、皮膚常在菌が増殖して感染が成立しやすくなります。

① 皮膚に傷・ダメージがある
虫刺され・あせも・アトピー性皮膚炎・湿疹・擦り傷が感染の入り口になります。アトピーの子どもがとびひになりやすいのはこのためです。
② 高温多湿の環境
夏は細菌が増殖しやすく、汗で皮膚がふやけてバリアが弱まります。日本では6〜9月に患者数が増加します。
③ かく・触る行為
かいた手で他の部位を触ると、手についた細菌が次々と感染を広げます。これが「飛び火」の正体です。
④ 免疫の低下
風邪・疲労・ステロイド長期使用などで免疫が低下すると、大人でも発症しやすくなります。

感染経路と家族への広がり

🚨 家族内感染を防ぐために
  • タオル・バスタオルの共用(患部の滲出液で感染)
  • 同じ浴槽への入浴(シャワーに切り替える)
  • 患部を触った手でほかの部位・家族に触れる
  • 衣類・寝具の共用(こまめに洗濯・交換を)

大人のとびひ:子供との違い・注意点

とびひは子供の病気というイメージがありますが、大人も発症します。大人のとびひには以下の特徴があります。

大人のとびひの特徴
  • 痂皮性(かさぶたタイプ)が多い——溶連菌性で発熱・倦怠感を伴いやすい
  • アトピー性皮膚炎の合併——成人アトピー患者はバリア機能が低下しておりリスクが高い
  • 糖尿病・免疫疾患での発症——基礎疾患がある方は治りにくく重症化しやすい
  • 「大人なのにとびひ?」と気づくのが遅れる——受診が遅れると広範囲に広がるケースも

大人でとびひが疑われる場合も、速やかに皮膚科を受診してください。自己判断でステロイド外用薬を使用すると感染を悪化させることがあります。

治し方・皮膚科での治療・期間の目安

とびひの治療は抗菌薬(抗生物質)による細菌の排除が基本です。健康保険が適用されます。

皮膚科での主な治療

1
外用抗菌薬(塗り薬)

フシジン酸軟膏・ゲンタマイシン軟膏・ナジフロキサシンクリームなどを患部に塗布します。軽症〜中等症に使用します。保険適用です。

2
内服抗菌薬(飲み薬)

広範囲・重症・痂皮性の場合は、セファレキシン・アモキシシリンなどの内服抗菌薬を処方します。通常5〜7日間の服用です。保険適用です。

3
患部の洗浄指導

石けんを使って患部を清潔に保つことが回復を早めます。洗い方・ガーゼの当て方・衣類の選び方について具体的に指導します。

治療期間の目安

症状の程度 治療法 改善までの目安
軽症(小範囲・水疱性) 外用抗菌薬のみ 約7〜10日
中等症(広範囲・複数箇所) 外用+内服抗菌薬 約10〜14日
重症(痂皮性・発熱あり) 内服抗菌薬(長期) 2週間以上

※個人差があります。抗菌薬は症状が改善しても医師の指示通り服用を続けてください(途中でやめると耐性菌のリスクがあります)。

費用の目安(保険適用・3割負担)

診療内容 費用の目安(3割負担)
初診料 約870円
再診料+処方(外用薬のみ) 約500〜800円
再診料+処方(内服+外用) 約700〜1,200円

※処方内容・薬局での調剤費用により変動します。

自宅でのケア・登園登校の基準

自宅でできるケア

✅ 正しい自宅ケア
  • 1日1〜2回、石けんで患部を優しく洗う——細菌を洗い流すことが最も重要
  • 洗後は清潔なタオルで押さえて水分を取り、外用薬を塗布する
  • 患部をガーゼで覆う——掻き広げ防止・他への感染防止
  • 爪を短く切る——無意識にかいて広げるのを防ぐ
  • 入浴はシャワーに切り替える——湯船は家族への感染リスクあり
✗ やってはいけないこと
  • 水ぶくれを自分で破る(細菌が広がる)
  • かさぶたを無理に剥がす(跡が残りやすくなる)
  • 市販のステロイド薬を塗る(感染を悪化させる)
  • 患部を覆わずに保育園・学校に行く

登園・登校の目安

登園・登校の再開目安
患部が完全に乾燥・かさぶた化し、新しい水ぶくれが出なくなった状態。ガーゼで全て覆える状態であれば登園・登校可能なケースが多いですが、必ず医師に確認してから判断してください。

「とびひかも?」と思ったら早めに皮膚科へ

放置すると広がります。当日診察・保険適用。

「これはとびひ?虫刺され?」という段階でも視診で診断できます。予約不要でそのままご来院ください。

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間違えやすい皮膚疾患との見分け方

とびひは以下の疾患と外見が似ているため、自己判断が難しい場合があります。

特徴 とびひ 虫刺され 水ぼうそう
水ぶくれの数 少数〜多数(広がる) 刺された箇所のみ 全身に多数
発熱 痂皮性でまれにあり なし あり(多い)
広がり方 触れた部位に飛び火 広がらない 体幹から全身へ
かさぶたの色 黄〜茶(はちみつ色) 赤〜茶 透明〜茶
治療 抗菌薬 抗ヒスタミン薬など 抗ウイルス薬

「とびひか虫刺されか分からない」という方も多くご来院されます。皮膚科の視診で当日に診断できますのでお気軽にご来院ください。

よくある質問

とびひは何科に行けばいいですか?
皮膚科を受診してください。視診で診断でき、当日から抗菌薬治療を開始できます。小児科でも対応できますが、皮膚科の方が皮膚症状の診断・外用薬の指導が専門的です。当院は予約不要・初診当日から治療開始できます。
とびひは何日で治りますか?
軽症であれば抗菌薬治療開始後7〜10日程度で改善が期待できます。広範囲・重症の場合や痂皮性(かさぶたタイプ)は2週間以上かかることもあります。抗菌薬は症状が良くなっても指示された期間は服用を続けることが重要です。
とびひは放置するとどうなりますか?
放置するとかゆみで掻き広げ、体の広範囲に拡大します。また、タオルや接触を通じて家族への感染も広がります。痂皮性(溶連菌性)の場合はまれに急性糸球体腎炎を合併することがあるため、早期受診が重要です。
大人もとびひになりますか?
なります。アトピー性皮膚炎・糖尿病・免疫低下がある方は大人でも発症しやすく、重症化しやすい傾向があります。「大人だからとびひでは?」と思わず、皮膚科で正確に診断してもらうことをお勧めします。
とびひのかさぶたや跡は残りますか?
適切に治療し、かさぶたを無理に剥がさなければ、ほとんどの場合跡は残りません。掻き傷が深い場合や長期間放置した場合は色素沈着が残ることがあります。気になる場合はご相談ください。
とびひでも保険診療を受けられますか?
はい。とびひの診察・抗菌薬(外用・内服)はすべて保険適用です。再診時の費用目安は処方内容によりますが、概ね数百円〜1,000円程度(3割負担)です。

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監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

監修医師よりコメント

「子どもの皮膚に水ぶくれができた」「かいたら広がってきた」——夏になると毎年このようなご相談が増えます。とびひは早期に抗菌薬治療を始めれば比較的短期間で改善が期待できますが、放置すると範囲が広がり、治療も長引きます。「とびひかどうか分からない」という段階でも、皮膚科の視診で当日に診断できます。虫刺され・あせも・アトピーの悪化との見分けに迷ったら、まずご来院ください。

本コラムは皮膚科専門医が監修しています。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

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