プラセンタ注射の効果と頻度|デメリット・副作用・献血の最新ルール
プラセンタ注射の効果と頻度
デメリット・副作用・献血の最新ルール
公開日:2026年7月12日
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
「プラセンタ注射って本当に効くの?」「どのくらいの頻度で通うもの?」「献血できなくなるって聞いたけど……」——プラセンタ注射を検討する方から、外来でよくいただく質問です。
このコラムでは、プラセンタ注射の効果の位置づけ、通院頻度の目安、そして始める前に必ず知っておくべきデメリット(献血への影響を含む)を、良い面も注意点も隠さずに皮膚科専門医が解説します。
プラセンタ注射とは|承認状況を正しく知る
プラセンタ注射は、ヒトの胎盤から抽出した成分を含む医薬品を注射する治療です。代表的な製剤「ラエンネック」は、「慢性肝疾患における肝機能の改善」の効能・効果で国内承認された医薬品で、医療現場では数十年にわたり使われてきました。
一方、美容クリニックや皮膚科で行われている美容・健康維持目的のプラセンタ注射は、この承認された効能・効果とは異なる「適応外使用」にあたります。広く行われている使用法ではありますが、「国が美容効果を認めた注射」ではない——この前提を最初に知っておくことが、後悔しない判断につながります。
プラセンタ注射の効果と限界
どんな目的で使われているか
美容・健康維持の領域では、肌の乾燥・キメ・ハリといったコンディションの維持や、疲労感へのケアを目的に用いられています。もともと肝機能障害の治療で使用するなかで美容領域へ広がった経緯がありますが、この経緯自体は有効性を裏付けるデータではありません。
正直にお伝えしたい「限界」
- 美容目的の有効性について、質の高い臨床研究データは限られています
- 効果の感じ方・現れ方には大きな個人差があります
- 1回で劇的に変わる注射ではなく、継続しながら経過をみる治療です
- シミやシワそのものを消す治療ではありません(それらにはレーザー等の別治療が適しています)
「何にでも効く」かのような宣伝を見かけたら、むしろ注意が必要です。当院では、プラセンタはあくまで肌と身体のコンディションを支える選択肢の一つと位置づけ、シミ・シワなど明確な悩みには適した別の治療をご提案しています。
頻度と持続|どのくらいで通う?やめるとどうなる?
まず知っておきたいのは、美容目的の標準的な投与間隔・総回数は確立していないということです。クリニックによって運用は様々で、「この頻度で受ければ効果が出る」と示せる根拠はありません。大切なのは、数回受けた時点で実感・副作用・費用負担を確認し、継続・間隔変更・中止を判断することです。
「やめるとどうなるか」については、中止によって以前より悪化することを示す確立した根拠はありません。変化を感じない場合、費用負担が大きい場合、不安がある場合は、中止も適切な選択肢です。無理のない頻度・予算で続けられるかを、始める前に検討してください。
デメリット・副作用
始める前に知っておくべきデメリットを、重要な順に挙げます。
現行基準では、ヒト胎盤由来のプラセンタ注射を受けた方の献血は受け付けられていません。ただし厚生労働省は2026年1月にこの制限を撤廃する方針を決定しており、2026年秋頃から運用が変更される予定です(2026年7月12日時点)。献血を予定している方は、最新の基準と施行時期を確認したうえで、注射のタイミングをご検討ください。
- 継続コスト——自由診療のため、続ける限り費用がかかります(当院は1アンプル1,100円・税込)
- 注射部位の反応——痛み・赤み・内出血が出ることがあります
- 過敏症状・重大な副作用——発疹・かゆみのほか、まれにショック(頻度不明)が報告されています。注射後に息苦しさや全身のじんましんが現れた場合は直ちに医療機関へ連絡してください
- 効果の個人差——実感には差があり、合わないと感じる方もいます
献血に関する現行ルールと変更予定
ヒト由来の製剤には、vCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)伝播の理論的リスクが否定できないとされてきました。これまでプラセンタ注射による感染事例の報告はありませんが、輸血の安全性を最大限守るため、日本赤十字社は2006年以降、安全側に立って注射歴のある方の献血を受け付けない運用を続けてきました。注射を受ける方ご自身の健康リスクが高いという意味ではなく、「万一の可能性を輸血に持ち込まない」ための予防的なルールです。
その後の国内外の知見の蓄積によるリスク評価の見直しを踏まえ、厚生労働省は2026年1月、この献血制限を撤廃する方針を決定しました。日本赤十字社の問診体制の整備などを経て、2026年秋頃から運用が変更される予定です(2026年7月12日時点の情報)。ただし本コラム公開時点では制限は継続中で、実際の施行日・条件は変わる可能性があります。献血を希望する時点で、日本赤十字社の最新基準をご確認ください。当院では施注前にこの点を必ずご説明しています。
注射と内服(サプリ)の違い
| 注射(ラエンネック) | 内服(JBPポーサイン100) | |
|---|---|---|
| 由来 | ヒト胎盤 | 豚プラセンタ |
| 分類 | 医薬品(美容目的は適応外使用) | サプリメント(栄養補助食品) |
| 献血 | 現行基準では不可(2026年秋頃に制限撤廃予定) | 注射の制限とは製品区分・由来が異なります |
| 通院 | 必要(院内で施注) | 不要(自宅で服用) |
サプリメントは食品であるため、医薬品のような効果・効能をうたうものではありません。通院せずに取り入れたい方の選択肢としてご案内しています。実際の献血可否は、献血時点の日本赤十字社の基準と会場での問診に従ってください。
まとめ
- ラエンネックは肝機能改善で承認された医薬品。美容目的は適応外使用
- 美容目的の標準的な頻度・回数は確立しておらず、実感・副作用・費用負担で継続を判断する
- 現行基準では注射後の献血は不可。ただし2026年秋頃に制限撤廃予定(要最新確認)
- 効果には個人差があり、シミ・シワそのものには別の治療が適している
メリットもデメリットも、診察でご説明します
予約不要・当日受付・1アンプル1,100円(税込)
「話を聞いてから決めたい」という段階でも大丈夫です。
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よくある質問
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
- 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
- がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
- 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
- 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
プラセンタ注射のご相談で私が必ずお伝えしているのは、効果への期待値と、献血に関する現行の制限(2026年秋頃に撤廃予定)を含む注意点です。この治療は「劇的に変わる」ものではなく、コンディションを整える継続的な選択肢です。だからこそ、正しい前提を知ったうえで、ご自身の生活と予算に合うかを判断していただきたい。疑問があれば診察で何でも聞いてください。始めない、という選択も含めてご相談に乗ります。
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