花粉皮膚炎とは? 顔・目の周りの赤みやかゆみの原因と治療法を皮膚科専門医が解説

 

 

皮膚科専門医 監修コラム
公開日:2026年3月3日 / 最終更新日:2026年3月3日

花粉皮膚炎とは?
顔・目の周りの赤みやかゆみの原因と治療法を解説

アレルギー科保険診療駒沢皮膚科クリニック|日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 清水 顕
花粉皮膚炎の治療|駒沢皮膚科クリニック 清水顕院長
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

毎年春になると、花粉症の鼻水やくしゃみに悩まされる方は多いと思います。しかし、「花粉の時期になると顔がかゆい」「目の周りや頬が赤くなる」「首にかぶれのような湿疹が出る」といった肌トラブルでお困りの方も増えています。

これは「花粉皮膚炎(かふんひふえん)」と呼ばれる症状で、鼻・目への花粉症症状とは別に、花粉が皮膚に直接触れることで引き起こされるアレルギー性の皮膚炎です。

このページでは、花粉皮膚炎の原因・症状・治療法について、駒沢皮膚科クリニックの皮膚科専門医がわかりやすく解説します。

花粉皮膚炎とは

花粉皮膚炎とは、スギ・ヒノキなどの花粉が皮膚に直接触れることで生じる、アレルギー性の皮膚炎です。花粉症の主な症状(くしゃみ・鼻水・目のかゆみ)とは別に、顔や首・デコルテなど露出している部位の皮膚が炎症を起こします。

花粉症の患者数が増加するなかで、花粉皮膚炎を訴える方も年々増えており、皮膚科への受診機会が増えています。「かぶれかと思っていたら花粉皮膚炎だった」というケースも少なくありません。

🌿 花粉皮膚炎と通常の花粉症との違い
症状の場所 原因 主な症状
鼻・目(通常の花粉症) 粘膜への花粉接触 くしゃみ・鼻水・目のかゆみ
顔・首・肌(花粉皮膚炎) 皮膚への花粉接触 赤み・かゆみ・湿疹・ヒリヒリ感

症状の特徴と出やすい部位

花粉皮膚炎の症状は、花粉が多く触れる顔・まぶた・目の周り・頬・あご・首・デコルテなどに現れやすいのが特徴です。

⚠️ こんな症状は花粉皮膚炎を疑いましょう
  • 例年、花粉シーズン(2〜5月)になると顔がかゆくなる
  • 目の周りや頬が赤くなり、ヒリヒリする
  • 首や服と触れる部分に湿疹が出る
  • 市販の保湿クリームを塗っても改善しない
  • アトピー性皮膚炎や乾燥肌がある方で、春に症状が悪化する

花粉皮膚炎が起こるメカニズム(経皮感作)

通常、スギ花粉のような比較的大きな粒子は健康な皮膚のバリア機能によってブロックされます。しかし、乾燥・アトピー性皮膚炎・石鹸の使いすぎなどで皮膚のバリア機能が低下している場合、花粉が皮膚から侵入しやすくなります。

皮膚から侵入した花粉(異物)を体の免疫機能が排除しようとして、ヒスタミンなどの炎症物質が放出され、かゆみ・赤み・湿疹などの症状が現れます。この経路を「経皮感作(けいひかんさ)」と呼びます。

🔬 メカニズムの流れ
  1. 皮膚のバリア機能が低下した状態で花粉が付着する
  2. 花粉が皮膚から侵入し、免疫細胞(マクロファージ)が異物として認識する
  3. IgE抗体が産生され、肥満細胞に結合する
  4. 再び花粉が触れると抗原抗体反応が起き、ヒスタミンなどが放出される
  5. かゆみ・赤み・湿疹などのアレルギー反応が皮膚に現れる

花粉皮膚炎になりやすい方

🌱 こんな方は特に注意が必要です
  • アトピー性皮膚炎のある方:皮膚バリア機能が慢性的に低下しているため、花粉が侵入しやすい
  • 乾燥肌・敏感肌の方:バリア機能が弱く、外部刺激に反応しやすい
  • 花粉症(鼻・目の症状)がある方:花粉アレルギーがあると皮膚でも反応しやすい
  • スキンケアを頑張りすぎている方:洗顔しすぎや摩擦がバリア機能を低下させる
  • 屋外での活動が多い方:花粉曝露量が多いほど症状が出やすい

当院での治療法と処方薬について

花粉皮膚炎の治療は、①皮膚の炎症を抑える②かゆみをコントロールする③バリア機能を回復・強化するの3つを組み合わせて行います。すべて保険診療で対応可能です。

内服薬(飲み薬)

かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑える第二世代抗ヒスタミン薬を処方します。眠気が少なく、日常生活に影響しにくい薬剤を中心に、患者様の生活スタイルや症状の程度に応じて選択します。

薬剤名 一般名 特徴
アレグラ フェキソフェナジン 眠気が少ない。車の運転への影響が少ない
クラリチン ロラタジン 1日1回。授乳中も使用可能とされる
ビラノア ビラスチン 効果発現が速い。眠気が少ない
アレロック オロパタジン かゆみへの効果が高い
ザイザル レボセチリジン 重症例に有効とされる
デザレックス デスロラタジン 眠気が少なく効果が持続する

※上記は当院採用薬の一部です。どの薬が最適かは診察時に医師が判断します。薬の効果には個人差があります。

鼻づまりが強い場合:抗ロイコトリエン薬

鼻づまりが強く、鼻の炎症も伴う場合は、抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬(プランルカスト・モンテルカストなど)を組み合わせることで、より効果的にコントロールできる場合があります。

外用薬(塗り薬)

皮膚の炎症が強い部位には、症状の程度に応じて外用ステロイド薬や保湿外用薬を処方します。ステロイド外用薬は適切な使用方法を守ることで、安全に使用できます。

眠気が心配な方・妊娠中・授乳中の方へ

  • 車を運転する方:眠気の少ないアレグラ・クラリチン・ビラノアを優先的にご提案します
  • 妊婦の方:妊娠週数に応じて安全性の高い薬剤を選択します(妊娠16週以降はリスクが低くなります)
  • 授乳中の方:クラリチンなど、授乳中も使用可能とされる薬剤をご提案できます

※いずれも診察時に詳しくご相談ください。

アレルギー検査(View39)

「自分がどの花粉に反応しているかわからない」という方には、1回の採血で39種類のアレルゲンを調べられるView39検査をご提案しています。スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉だけでなく、ダニ・ハウスダスト・食物アレルギーも同時に確認できます。費用は保険適用(3割負担)で5,000円程度です。

日常生活でできる予防とスキンケア

外出時のポイント

  • マスク・眼鏡・マフラー・帽子で花粉との接触を最小限に
  • ニット素材は花粉が付着しやすいため、表面がなめらかな素材の服を選ぶ
  • 帰宅後はすぐに洗顔・手洗い・うがいで花粉を除去する

スキンケアのポイント

  • 保湿剤で皮膚のバリア機能を補強する(花粉シーズン前から始めると効果的とされています)
  • 洗顔は必要以上に行わず、摩擦を避けてやさしく洗う
  • かゆくても掻かない。掻くと皮膚バリアがさらに破壊され悪化する
  • 室内では空気清浄機を活用し、掃除をこまめに行う

室内でのポイント

  • 花粉飛散量が多い時間帯(12〜14時)の換気は控える
  • 洗濯物はできるだけ室内干しにする
  • 帰宅時は玄関先で衣服の花粉を払ってから室内に入る

リスク・副作用・注意事項

⚠️ 治療薬に関する主な注意事項
  • 眠気:第二世代抗ヒスタミン薬でも、薬剤の種類によっては眠気が生じる場合があります。
  • 口の渇き:一部の薬剤で口渇が生じる場合があります
  • 車の運転:薬剤によっては自動車運転に制限があります。処方時に必ずご確認ください
  • 他の薬との飲み合わせ:他科で処方されている薬がある場合は必ずお伝えください
  • 症状改善しない場合:症状が改善しない、または悪化する場合は早めに再診してください
💡 こんな場合は必ず受診を
  • 市販薬では症状が改善しない
  • 湿疹がひどくなっている・広がっている
  • 花粉皮膚炎かアトピー性皮膚炎か判断できない
  • 妊娠中・授乳中で市販薬の服用に迷っている

費用について(保険診療)

花粉皮膚炎の診察・治療はすべて保険診療で受けることができます。3割負担を目安とした費用の目安は以下の通りです。

内容 費用目安(3割負担)
初診料 約800〜1,000円
再診料 約300〜400円
処方薬(抗ヒスタミン薬・1ヶ月分) 約500〜1,500円
View39アレルギー検査 約5,000円

※上記はあくまでも目安です。処方内容・検査の組み合わせにより変動します。詳しくはお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

花粉皮膚炎は皮膚科で診てもらえるのですか?
はい、花粉皮膚炎は皮膚科が専門です。当院では一般皮膚科・アレルギー科として、花粉皮膚炎の診断・治療を保険診療で行っています。耳鼻科が混雑する花粉シーズンでも、皮膚の症状であれば皮膚科に直接ご来院いただけます。
花粉皮膚炎とアトピー性皮膚炎はどう違うのですか?
花粉皮膚炎は花粉シーズンに限定して症状が現れるのが特徴です。一方、アトピー性皮膚炎は通年性で、花粉シーズンに悪化することもあります。ご自身では判断が難しいケースも多いため、症状が続く場合は皮膚科での診断をお勧めします。
花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)は皮膚科でも処方してもらえますか?
はい、処方できます。鼻水・くしゃみなどの鼻の症状に使う抗ヒスタミン薬は、皮膚のかゆみにも効果があります。当院では第二世代抗ヒスタミン薬(アレグラ・クラリチン・ビラノアなど)を中心に、症状や生活スタイルに合った薬を処方しています。
妊娠中・授乳中でも治療できますか?
妊娠中・授乳中の方でも、安全性の高い薬剤を選択することで治療が可能です。妊娠週数に応じた薬剤選択を行いますので、まず診察でご相談ください。自己判断での市販薬の使用はリスクがある場合がありますので、ご受診をお勧めします。
初期療法(花粉シーズン前からの服薬)は皮膚科でもできますか?
はい、対応しています。花粉飛散の2週間程度前から抗ヒスタミン薬を服用し始める「初期療法」は、皮膚症状にも有効とされています。昨年も花粉皮膚炎に悩まされた方は、シーズン前のご来院をお勧めします。
どの花粉に反応しているか調べることはできますか?
当院ではView39という血液検査で、1回の採血でスギ・ヒノキなど花粉系アレルゲン19種類を含む39種類を一度に調べることができます。費用は保険適用(3割負担)で約5,000円です。アレルゲンが特定できると、より的確な治療・予防が可能になります。
花粉皮膚炎を根本から治すことはできますか?
スギ花粉・ダニアレルギーに対しては「舌下免疫療法」という根治を目指した治療法があります。アレルゲンを少量ずつ体内に取り込み、アレルギー反応そのものを和らげていく治療です。最低3年の継続が必要ですが、約4〜5年継続することで7〜8年程度効果が持続するとされています。詳しくは院内でご相談ください。

ご予約・アクセス

予約不要・当日すぐ受診できます。
受付順の診療で、待ち時間の短縮に努めています。
花粉皮膚炎・肌のかゆみが気になったら、
そのままお気軽にご来院ください。

🚉 駒沢大学駅直結 ⏰ 平日 19時まで 📅 土曜 17時まで

月・火・水・金 9:30〜12:00 / 15:00〜19:00
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
■ 経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)
■ 専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科

■ 資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
■ 研究業績
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 平成13〜14年度 文部科学省科学研究費助成(研究代表)
  • 研究テーマ:血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討
■ 監修医師より

花粉皮膚炎は「花粉症だから耳鼻科へ」と思われがちですが、皮膚の症状は皮膚科専門医が最も適切に診断・治療できます。バリア機能の評価から適切な外用薬・内服薬の選択まで、トータルで対応できるのが皮膚科の強みです。毎年春になると肌の調子が悪くなる方は、ぜひ一度ご相談ください。

本コラムは医師の専門的見解を記したものです。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご判断ください。自由診療については治療内容・費用・リスク・副作用を診察時に詳しくご説明し、同意を得た上で実施します。比較・効果の保証・患者体験は含みません。(医療広告ガイドライン準拠)