じんましん

じんましんとは

じんましんは、皮膚の一部が突然赤み(紅斑)を伴って盛り上がる膨疹です。1〜2mm程度の小さなブツブツ、地図のように大きく広がった状態などさまざまで、数十分〜数時間程度で治まる場合もあれば、半日以上皮膚から消失しないこともあります。
発症して4週間以内を「急性じんましん」それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼び、多くのじんましんはかゆみを伴うため、長時間続くと生活に支障をきたします。

じんましんの原因

じんましんは、かゆみを引き起こすヒスタミンが体内に放出されることで起きると考えられていますが、アレルギーによる発症以外にも、擦れや運動、体温上昇といった刺激に対する過敏性による場合もあり、その原因を特定することは難しいとされています。
じんましんの原因・背景因子には、外来抗原(アレルゲン)などの直接的誘因や、感染、疲労・ストレスなどが知られ、複数の要因によって発症することもあります。

じんましんの種類

●特発性のじんましん

直接的な原因・誘因がなく毎日ように症状があらわれるもの

  • ・急性じんましん
    発症から4週間以内のもの
  • ・慢性じんましん
    発症から4週間以上症状を繰り返すもの
●刺激誘発型のじんましん

特定の刺激や条件が加わることによって起こるじんましん

  • ・アレルギー性のじんましん
    食物、薬品、植物、昆虫の毒素などに含まれるアレルゲンに反応して起こるじんましん。 通常、アレルゲンに物を食べたり、触れたりした数分後〜1、2時間後に症状があらわれます。
  • ・物理性じんましん
    皮膚の擦過、寒冷、日光、温熱など、皮膚への物理的な刺激によって起こるじんましん。 通常は、出現してから数分〜2時間程度で膨疹は治ります。
  • ・コリン性じんましん
    入浴や運動、精神的な緊張による発汗あるいは発汗を促す刺激を受けたときに、細かい点々としてあらわれるじんましん。
    通常、数分〜2時間以内に一旦自然に消えます
種類 原因
アレルギー性 原因となる物質が食べ物の中の抗原(アレルゲン)によるとき
薬剤による反応 熱鎮痛剤、色素、造影剤を摂取したとき
コリン性 運動負荷が加わったとき、発汗したとき
物理性 冷水・冷風に触れたとき、日光、ひっかき、圧迫など
免疫異常 原因となる物質(抗原)がわからない場合、自己抗体ができていてこれが原因となっていることがある(慢性じんましんなどによくみられる)

じんましんの治療

じんましんの治療の基本は原因となる因子(物質や環境因子)の回避・除去に加えて抗ヒスタミン薬などを中心とする薬物療法です。
どのタイプのじんましんを発症しているのか診断し、それぞれに合った治療内容を行い、治療によって、生活に支障のない程度まで症状が抑えられる状態、お薬を使用することなく症状が出ない状態を目指します。

>食物によるじんましんとその対策

種類 原因になる食物 対策
アレルギー性のもの エビ、カニ、果物、そば、小麦など 極力避ける
仮性アレルゲン サバ、豚肉、タケノコなど 新鮮なものを選ぶ
薬剤・色素など 解熱鎮痛剤、食品用色素など 量を少なくする
食品添加物を避ける