毛嚢炎の市販薬と処方薬|ゲンタシン等の使い分けを解説|駒沢皮膚科クリニック
毛嚢炎の市販薬と処方薬|ゲンタシン等の使い分けを皮膚科専門医が解説
「毛嚢炎にはどの薬を使えばいい?」「ゲンタシンって効くの?」「ニキビの薬やステロイドを塗ってもいい?」——毛嚢炎の薬選びは、間違えると治りが遅れたり悪化したりするため注意が必要です。このページでは、市販薬で様子を見てよい場合と皮膚科の処方薬が必要な場合、そしてゲンタシンなどの抗菌薬の選び方と、使ってはいけない薬(ステロイド単独・ニキビ薬)を皮膚科専門医が解説します。
毛嚢炎は毛穴への細菌感染が原因です。そのため使うべき薬は「抗菌薬」であり、ニキビ薬やステロイド単独の薬では効かない・悪化することがあります。どの薬が適しているかは原因や重症度によって変わるため、迷う場合は自己判断せず皮膚科でご相談ください。
毛嚢炎の薬の基本(抗菌薬が中心)
毛嚢炎は黄色ブドウ球菌などの細菌が毛穴に感染して起こります。そのため治療の中心は抗菌薬(抗生物質)です。重症度によって、塗り薬(外用)と飲み薬(内服)を使い分けます。
- 軽症——清潔と保湿で自然に治ることも多い。必要なら抗菌外用薬
- 中等症〜広範囲——抗菌外用薬、または抗菌内服薬を併用
- 重症(おでき=癤に進行・発熱)——抗菌内服薬、膿がたまれば切開して排膿
市販薬で様子を見てよい場合
ごく軽い毛嚢炎であれば、市販薬で様子を見ることもできます。市販されているのは主に抗菌成分を含む外用薬です。
ドラッグストアでは、抗菌成分(フラジオマイシンなど)を含む化膿向けの軟膏が市販されています。ごく軽い・少数の毛嚢炎であれば、清潔を保ちながらこうした市販の抗菌軟膏で経過を見ることもあります。ただし市販薬で1週間ほど使っても改善しない場合は、自己判断を続けず受診してください。
- 赤いブツブツが少数で、痛みもほとんどない
- 顔やデリケートゾーンなど、跡を残したくない部位ではない
- 発熱やしこり・強い腫れがない
- 1週間ほどで落ち着いてきている
使ってはいけない・効かない薬
毛嚢炎で特に多い失敗が、「ニキビ薬」「ステロイド単独の薬」を使ってしまうことです。
- ニキビ用の市販薬——ニキビ(アクネ菌・皮脂)と毛嚢炎(細菌感染)は原因が違うため、ニキビ薬では毛嚢炎の細菌に十分対応できないことがあります。
- ステロイド単独の塗り薬——ステロイドは炎症を抑える一方で細菌の増殖を抑える作用はなく、毛嚢炎では感染を広げて悪化させることがあります。市販の「かゆみ止め」にステロイドが入っていることがあるので注意。
- 抗真菌薬(水虫の薬など)——一般的な細菌性の毛嚢炎には効きません(カビが原因のマラセチア毛包炎は別で、これは皮膚科での診断が必要)。
皮膚科の処方薬(ゲンタシン等)
皮膚科では、症状や原因菌に応じて抗菌薬を処方します。代表的な薬には次のようなものがあります(どれを使うかは医師が状態に応じて判断します)。
| 種類 | 代表的な薬(一般名/商品名) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 抗菌外用薬 | ゲンタマイシン(ゲンタシン軟膏)、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなど | 軽症〜中等症の基本。塗り薬 |
| 抗菌内服薬 | セフェム系・ペニシリン系などの抗生物質 | 範囲が広い・重い場合に内服を併用 |
| 処置 | 切開排膿 | 膿が大きくたまっている場合 |
※薬剤の選択は原因菌・重症度・部位により異なります。上記は一例で、医師が診察のうえ最適な薬を判断します。すべて保険適用です。
ゲンタシンは毛嚢炎などの細菌感染によく使われる抗菌外用薬です。ただし処方薬であり、市販では購入できません。また漫然と長期間使うと効きにくい菌(耐性菌)を生む懸念があるため、医師の指示のもと必要な期間だけ使うことが大切です。「以前もらったゲンタシンの残りを自己判断で使う」のは避けてください。
毛嚢炎で受診される方に多いのが、「家にあったステロイドの塗り薬を塗ったら広がった」「以前ニキビでもらった薬を塗っても治らない」というケースです。毛嚢炎は細菌感染なので、炎症を抑えるステロイド単独ではかえって菌が増えてしまうことがあります。
逆に、原因菌に合った抗菌薬を使えば多くは数日〜1週間程度で落ち着きます。「手元にある薬で何とかしよう」とするより、一度診断を受けて適切な薬を選ぶ方が、結局は早く・きれいに治ります。特に顔・デリケートゾーン・繰り返す毛嚢炎は、薬の自己判断を避けてご相談ください。
市販薬と処方薬の違い
| 項目 | 市販薬 | 処方薬 |
|---|---|---|
| 入手 | ドラッグストアで購入可 | 受診・診断が必要 |
| 主な薬 | 抗菌成分入りの化膿向け軟膏など | ゲンタシン等の抗菌外用薬・抗菌内服薬 |
| 原因菌への対応 | 一般的な抗菌成分のみ | 状態に応じて医師が選択。必要なら内服も |
| 向いている人 | ごく軽い・少数・跡を残したくない部位でない | 広範囲・痛い・繰り返す・顔やVIO・治らない |
| 費用 | 1本数百円〜1,000円程度(自費) | 保険適用(3割負担) |
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よくある質問

医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
毛嚢炎の薬選びでつまずく方は本当に多いです。「ニキビ薬を塗っても治らない」「家にあったステロイドで悪化した」というのは典型的なパターンです。毛嚢炎は細菌感染なので、原因菌に合った抗菌薬を使えば多くは早く落ち着きます。ゲンタシンなどの処方薬は効果的ですが、自己判断で残り薬を使うと耐性菌の問題もあります。市販薬で迷ったとき、治らないときは、薬を足し続けるより一度診断を受けるのが近道です。
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