毛虫皮膚炎(チャドクガ)の症状・応急処置・治し方|何科?うつる?【皮膚科専門医監修】
突然の赤いブツブツと強いかゆみ——
触った覚えがなくても「毛虫皮膚炎」かもしれません

一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
「気づいたら腕や首に赤いブツブツがたくさん出ていて、かゆみが強い」「庭仕事や公園に行った翌日から発疹が広がってきた」——初夏と晩夏に増えるのが毛虫皮膚炎(チャドクガ皮膚炎)です。
毛虫皮膚炎の特徴は、毛虫に触った自覚がないまま発症する方が多いことです。チャドクガの毒針毛(どくしんもう)は長さ0.1mmほどと目に見えないほど細かく、風に乗って飛散し、木の下を通っただけ・洗濯物や衣類に付着しただけでも皮膚炎を起こします。この記事では、毛虫皮膚炎の症状・刺されたときの応急処置・皮膚科での治療・人にうつるのかどうかを、皮膚科専門医が解説します。
- こすらない・掻かない——毒針毛が皮膚に押し込まれ、広がります
- セロハンテープなどを軽く当てて毒針毛を取り除く
- 流水やシャワーで、こすらずに洗い流す
毛虫皮膚炎(チャドクガ皮膚炎)とは
毛虫皮膚炎とは、毒をもつ毛虫の毒針毛や毒棘(どくきょく)が皮膚に触れることで起こる皮膚炎の総称です。日本で代表的な原因となるのがチャドクガの幼虫で、そのため「チャドクガ皮膚炎」とも呼ばれます。
チャドクガの幼虫1匹には数十万本ともいわれる微細な毒針毛があり、毒針毛は幼虫だけでなく脱皮殻・死骸・卵・成虫にも残るため、毛虫本体に直接触れなくても、木の下を通る・落ち葉や枝に触れる・風で飛んできた毒針毛が付く・毒針毛が付いた洗濯物や衣類を着るだけで発症します。「毛虫なんて見ていないのに」という患者さんが多いのはこのためです。
当院のある世田谷区は、ツバキやサザンカを生垣・庭木にしているお宅が多く、世田谷区からも「幼虫は4月〜6月、8月〜9月の年2回発生する」として注意喚起が出ており、発生シーズンは毛虫皮膚炎の受診が増える時期です。
症状の特徴|こんな発疹は毛虫皮膚炎を疑う
毒針毛が皮膚に触れてから数時間〜翌日にかけて、次のような症状が現れます。
- 赤い小さなブツブツ(丘疹)が多発する——多数まとまって出ることもあります
- 非常に強いかゆみ——夜眠れないほどのかゆみが出ることもあります
- 首・腕・脇など、衣類から出ている部分や擦れる部分に集中する
- 発疹が線状・帯状に並ぶことがある——毒針毛が皮膚を擦った跡に沿って出るためです(並び方だけで診断が決まるわけではありません)
- 掻くことで発疹の範囲がどんどん広がる
かゆみは2〜3週間続くこともあり、掻き壊すと細菌感染(とびひ)や色素沈着の原因になります。発疹の数が多い・かゆみが強い場合は、早めに皮膚科を受診してください。
原因となる毛虫と発生時期
毛虫皮膚炎を起こす代表的な毛虫と、注意すべき時期・植物は次のとおりです。
| 毛虫の種類 | 主な発生時期 | つきやすい植物 |
|---|---|---|
| チャドクガ(最多) | 4〜6月/8〜9月(年2回) | ツバキ・サザンカ・チャノキ |
| ドクガ | 5〜7月 | サクラ・ウメ・バラなど広範囲 |
| イラガ | 7〜10月 | カキ・サクラ・カエデ |
| マツカレハ | 4〜6月/9〜10月 | マツ類 |
チャドクガは年に2回発生し、2回目のピークが8月下旬〜9月です。発生時期は気候により前後することがあります。イラガは触れた瞬間に電気が走るような激しい痛みが出るのが特徴で、かゆみ主体のチャドクガとは症状の出方が異なります。
毛虫に刺されたら|応急処置と緊急受診の目安
毛虫に触れた・毒針毛が付いたかもしれないと気づいたら、まず「こすらない・掻かない」ことが最重要です。こすると毒針毛が皮膚に押し込まれ、症状が悪化・拡大します。
セロハンテープなどを患部にそっと当てて剥がし、皮膚に残った毒針毛を取り除きます。同じ面を使い回さず、場所を変えながら数回繰り返してください。皮膚が傷ついている場合は無理に続けないでください。
強くこすらず、流水でしっかり洗い流します。シャワーで全身を流すのも有効です。
冷たいタオルなどで冷やすと、かゆみが一時的に和らぎ、掻き壊し防止にも役立ちます。保冷剤を使う場合は直接皮膚に当てないでください。
衣類やタオルに毒針毛が残っていると、再び皮膚炎を起こしたり家族が触れて発症したりします。衣類を強く振ると毒針毛が飛散するため避け、他の洗濯物と分けて洗い、すすぎを十分に行ってください。
発疹の範囲が広い・かゆみで眠れない・顔や目の周りに症状がある場合は、皮膚科を受診してください。当院は予約不要で、診察のうえ当日から治療を始められます。
- 毒針毛が目に入った可能性がある・目の痛み・充血・見えにくさ——目をこすらず流水で十分に洗い、眼科を受診してください
- 息苦しさ・のどの詰まり・顔や唇の急な腫れ・強いふらつき——強いアレルギー反応の可能性があります。救急受診(119番)を検討してください
皮膚科での治療と費用
治療の基本はステロイド外用薬+抗ヒスタミン薬
毛虫皮膚炎の治療は、炎症を抑えるステロイド外用薬と、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の内服が基本です。症状の程度・部位・年齢に応じて適切な強さの外用薬を選択します。顔・目の周りやお子様では使用できる薬の強さ・期間が異なるため、自己判断で強い外用薬を使わず、診察で確認してください。
掻き壊しによる細菌感染(とびひ)がみられる場合は、状態に応じて抗菌薬を検討します。お子様の毛虫皮膚炎も診察・治療できます。
費用の目安(保険適用)
毛虫皮膚炎の治療は健康保険が適用されます。以下は3割負担の場合の目安です。
| 診療内容 | 費用の目安(3割負担) |
|---|---|
| 初診料 | 約870円 |
| 薬剤費(外用薬・内服薬) | 処方内容により変動 |
※費用は目安で、処方箋料・処置・検査の有無により変動します。院外処方の場合、薬剤費は調剤薬局で別途かかります。自己負担割合・医療費助成により異なります。最新の費用は受付・診察時にご確認ください。
毛虫皮膚炎は人にうつる?
毛虫皮膚炎は感染症ではないため、皮膚炎そのものが人から人へうつることはありません。ウイルスや細菌が原因ではなく、毒針毛への反応だからです。
ただし注意したいのは、毒針毛が付いた衣類・タオル・寝具を介して、家族に同じ皮膚炎が起こることがある点です。「家族に次々と同じ発疹が出たので、うつる病気では?」と心配される方がいますが、共有した衣類や環境に残った毒針毛への接触が原因のことが少なくありません。ただし疥癬やほかの虫刺されなど別の病気の可能性もあるため、家族で発疹が続く場合は診察を受けてください。原因となった衣類の別洗いと、庭木など発生源への対処が再発防止につながります。
蕁麻疹との見分け方
「毛虫のあとに蕁麻疹が出た」と受診される方も多いのですが、毛虫皮膚炎と蕁麻疹(じんましん)は経過が異なります。
| 毛虫皮膚炎 | 蕁麻疹 | |
|---|---|---|
| 個々の発疹 | 数日〜2週間程度続く | 多くは24時間以内に消えて場所を変える |
| 出る場所 | 毒針毛が触れた部位(首・腕など露出部)に集中 | 全身のどこにでも出る |
| 形 | 小さな赤いブツブツが多発・線状に並ぶ | 地図状に盛り上がる膨疹 |
この表は典型的な傾向で、これだけで診断が決まるわけではありません。薬疹やほかの虫刺され・接触皮膚炎でも似た発疹が出ることがあります。判断がつかない場合は、ほかの疾患の可能性も含めて診察で確認しますので、そのままご来院ください。
市販薬で治る?受診の目安
発疹がごく少数で軽いかゆみであれば、市販のステロイド外用薬で様子を見ることも可能です。ただし毛虫皮膚炎は発疹が多く炎症が強いことがあり、市販薬だけでは十分に抑えられない場合があります。「市販薬を1週間塗ったが良くならない」と来院される方が少なくありません。
- 発疹の数が多い・範囲が広がっている
- かゆみが強く、眠れない・掻き壊してしまう
- 市販薬を数日使っても改善しない
- 掻いた部分がジュクジュクしてきた(とびひの可能性)
- お子様や顔・首など皮膚の薄い部位に発疹が出ている
掻き壊しが続くと、離れた部位にまで発疹が広がる自家感作性皮膚炎を起こすことがあります。掻き壊しを避け、悪化や広がりがみられる場合は早めに受診してください。色素沈着などが残るかどうかには個人差があります。
予防のポイント
- 発生時期(4〜6月・8〜9月)はツバキ・サザンカの木に近づかない、木の下に洗濯物を干さない
- 庭木の手入れ・剪定は長袖・手袋・首元を覆う服装で行う
- 毛虫を見つけても素手で触らない・払い落とさない(毒針毛が飛散します)
- 大量発生している場合は自分で駆除せず、専門業者への依頼を検討する
強いかゆみは、我慢せずご相談ください
予約不要・当日診察・保険適用
「毛虫を見ていないけれど、この発疹は?」という段階でも、ほかの虫刺され・湿疹の可能性も含めて診察します。
03-3413-6600💬 公式LINEはこちら土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
よくある質問
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医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医・医学博士
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
- 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
- がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
- 血小板由来増殖因子(PDGF)に関する研究で医学博士号を取得(政府科学研究助成による研究実績)
- 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
- 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
「毛虫なんて触っていないのに、急に赤いブツブツが増えてきた」——初夏と晩夏、庭木の手入れやお子様の外遊びのあとに、こうした症状での受診が増えます。毛虫皮膚炎のつらさは何よりも”かゆみ”です。毛虫を見ていなくても、行動歴と発疹の分布・経過から毛虫皮膚炎を検討できます。掻き壊してしまう前に、早めに炎症を抑えることが大切です。市販薬で様子を見ているうちに悪化してしまう方も少なくありません。予約は不要ですので、かゆみが強い・範囲が広いと感じたら早めにご来院ください。






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