口角炎・口唇炎が治らない|口角のひび割れ・唇の皮むけの原因と相談先

皮膚科専門医 監修コラム

口角炎・口唇炎が治らない|口角のひび割れ・
唇の皮むけの原因と相談先

専門医監修 保険診療対応 駒沢皮膚科クリニック|駒沢大学駅直結
公開日:2026年10月13日 / 最終更新日:2026年10月13日
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/医学博士) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

「口の端が切れて、口を開けるたびに痛い」「リップクリームを塗っても唇の皮むけが治らない」「治ったと思ったらまた切れる」——口の端(口角)が赤く切れる口角炎と、唇全体が荒れて皮がむける・腫れる口唇炎は、どちらも「乾燥のせい」と思われがちですが、実際にはカンジダや細菌の感染、鉄やビタミンの不足、入れ歯、リップや歯磨き粉のかぶれなど、原因が多岐にわたります。

原因に合わない対処を続けると治らないどころか悪化することもあります。この記事では、口角炎・口唇炎の原因別の見分け方、自己判断で避けたいこと、保険適用の治療、受診の目安を皮膚科専門医が解説します。

この記事の結論
  • 口角のひび割れ・唇の皮むけは、唾液・なめ癖・乾燥・リップや歯磨き粉などの刺激で繰り返すことが多く、まずは添加物の少ない白色ワセリンで保護します
  • 感染(カンジダ・細菌)や入れ歯が関わる場合もあり、見た目だけで原因は決められません。手持ちの薬を替え続けず、痛みが強い・繰り返す・同じ場所のただれが治らない場合は相談を
  • 口の端が切れる方は口角炎の項へ、唇全体が荒れる方は口唇炎の項へ

口角炎とは|口の端が切れる・赤くなる病気

口角炎は、唇の両端(口角)に起こる炎症です。赤み、ひび割れ(亀裂)、かさぶた、白っぽいふやけ、出血などが見られ、口を開ける・笑う・食事をするたびに痛みます。片側だけのこともあれば両側に出ることもありますが、片側・両側の違いだけでは原因は決められません。

口角は、唾液がたまりやすく、常に動く部位です。唾液で湿った皮膚がふやけて細かい傷ができ、そこに刺激や細菌・カンジダ(真菌)が加わると悪循環になります。保護だけで軽快することも多い一方、原因が重なっていると長引きます。

口角炎が治らない原因|唾液・刺激・かぶれ・感染・入れ歯

口角炎の原因は1つとは限らず、複数が重なっていることがよくあります。下の表は診察で参考にする手がかりであり、見た目だけで原因を決めることはできません。

原因診察で参考にする手がかり
唾液・なめ癖・乾燥・製品の刺激最も多い。唇をなめる癖(子どもに多い)、マスクの蒸れ、冬の乾燥、歯磨き粉やリップの刺激。なめると一時的に潤うが、乾くときにさらに乾燥して繰り返す
接触アレルギー(かぶれ)リップクリーム・口紅・歯磨き粉・マウスウォッシュ・食品(柑橘・マンゴー)など。使い始めてから悪化した物がないか確認する
感染の関与(カンジダ・細菌)カンジダ:口角が白くふやける、赤みが外側に広がる、長引く。入れ歯・高齢・糖尿病・ステロイド外用の長期使用で起こりやすい。細菌(黄色ブドウ球菌など):黄色いかさぶた、じゅくじゅくした浸出液。必要に応じて顕微鏡検査や培養で確認する
入れ歯・かみ合わせ入れ歯が合わず口角が深く折れ込む、歯が減って口角に唾液がたまる。高齢の方に多い。歯科での評価が大切
アトピー性皮膚炎唇全体や顔にも乾燥・湿疹がある。冬に悪化する
必要に応じて検討する栄養・全身の要因鉄・ビタミンB群・亜鉛の不足、糖尿病など。繰り返す、舌の痛み、疲れやすさ、偏食・ダイエット・胃の手術後などの背景があるときに、診察に応じて血液検査を検討する
原因を見分けるために診察で確認すること
  • いつから、繰り返しているか、使っている薬とその経過
  • 白いふやけ・黄色いかさぶたの有無(必要に応じて顕微鏡検査や培養を検討。検査で原因がすべて確定するわけではありません)
  • 入れ歯の使用、かみ合わせ、唇をなめる癖、マスクの使用状況
  • 最近変えたリップ・歯磨き粉・化粧品
  • 食事内容、持病、貧血を疑う症状(必要な場合に血液検査を検討)

口唇炎とは|唇の皮むけ・腫れ・かゆみの原因

口唇炎は、唇そのもの(赤い部分とその周囲)に起こる炎症の総称です。皮がむける、ひび割れる、腫れる、かゆい、ヒリヒリするといった症状が出ます。口角炎と同時に起こることも多く、原因も重なります。

  • 乾燥・刺激による唇の荒れ——唇の皮がむけてはがれ、めくる癖でさらに悪化する。乾燥・なめ癖・マスクが背景になりやすい
  • 接触性口唇炎(かぶれ)——リップクリーム・口紅・リップグロス・歯磨き粉・日焼け止め・食品などへの刺激やアレルギー。「ケアすればするほど悪化する」場合はこれを疑う
  • アトピー性口唇炎——アトピー性皮膚炎の一症状として唇や口の周りが慢性的に荒れる
  • 紫外線に関連する唇の病変——長年の日光曝露で下唇の荒れ・かさつきが長く続く。同じ場所がただれる、硬いしこりや出血がある場合は、数か月待たずに皮膚科や口腔外科での評価が必要
  • 栄養不足による口唇炎——鉄・ビタミンB2・B6の不足。口角炎・舌炎を伴うことが多い
「リップを塗っているのに治らない」ときは

リップクリームそのものがかぶれの原因になっていることがあります。香料・着色料・メントール・サリチル酸・紫外線吸収剤などが刺激になりやすい成分です。新しく使い始めた市販のリップや化粧品など、刺激が疑われる製品は使用を控え、白色ワセリンで保護してみてください。ワセリンでも刺激を感じる・悪化する場合は中止して相談を。処方薬については処方医に確認してください。

口唇ヘルペスとの違い

口の周りが荒れたときに、口角炎・口唇炎と間違えやすいのが口唇ヘルペスです。治療が異なるため見分けが重要ですが、下の表だけでは診断できません。

口角炎・口唇炎口唇ヘルペス
出方口角の切れ目、唇全体の皮むけ・赤み唇の一部に小さな水ぶくれが集まって出る
前ぶれ目立たないことが多い出る前にピリピリ・ムズムズする違和感があることが多い
経過慢性に続く・繰り返す1〜2週間で水ぶくれ→かさぶた→治る、を繰り返す
治療原因別(抗真菌・抗菌・保湿・栄養など)抗ウイルス薬(外用・内服)

水ぶくれが集まって出る・毎回同じ場所に出る場合は、経過・感染対策・抗ウイルス薬を解説した口唇ヘルペスのコラムをご覧ください。

薬の使い方で注意すること|ステロイドと感染

口角炎・口唇炎で避けたい自己処置
  • 手持ちのステロイド外用薬を自己判断で塗り続ける——原因がカンジダや細菌の場合、ステロイドで一時的に赤みが引いても菌が増えて長引くことがあります。ただし「やめると再び荒れる」という経過だけでカンジダが原因とは判断できません(湿疹や刺激でも再燃します)。処方薬を自己判断で長期使用・変更せず、改善しない場合は処方した医療機関に相談してください
  • 唇をなめる・皮をむく——潤った気がしても、乾くときに水分を奪い、傷を深くします
  • 市販薬をいろいろ試し続ける——成分がかぶれの原因になることがあります。改善しなければ使い続けずに相談を
  • 栄養不足を疑ってサプリだけで様子を見る——見た目や左右の違いだけで栄養不足は診断できません。自己判断の大量摂取や無根拠な食物除去は避けてください
自宅でできる基本のケア
  • 白色ワセリンで保護する(香料・添加物のないものを)
  • 食後は口角をやさしく拭き、唾液や食べかすを残さない
  • マスクの内側が湿ったら交換する
  • 入れ歯は清潔に保ち、合わない場合は歯科で調整する
  • 偏った食事が続いている場合は、肉・魚・卵・乳製品・緑黄色野菜を意識する

受診する科・必要な検査・治療の考え方

口角炎・口唇炎は皮膚科で相談できます(保険診療)。入れ歯やかみ合わせが関わる場合は歯科での評価も大切です。診察では症状・経過・使用中の製品や薬を確認し、必要な場合に顕微鏡検査・培養・血液検査を検討します。全員が検査を受けるわけではなく、検査で原因がすべて確定するわけでもありません。治療は原因と症状に合わせて選びます。

原因主な治療
カンジダの関与抗真菌薬の外用を検討。入れ歯がある場合は義歯の清掃・調整も大切
細菌感染の関与抗菌薬の外用を検討。広範囲・じゅくじゅくが強い場合は内服を併用することがある
乾燥・湿疹・アトピー保湿(ワセリンなど)を基本に、炎症が強い場合は感染の有無を確認したうえで短期間の抗炎症外用薬を検討する
かぶれ原因製品の中止+炎症を抑える外用。原因が特定できない場合はパッチテストを検討
栄養・全身の要因必要な場合に血液検査を検討し、不足があれば補う。背景の病気があれば内科と連携
入れ歯・かみ合わせ皮膚の治療と並行して歯科での評価をお勧めする

※薬の種類・使用期間は診察のうえ決めます。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します。当院で対応が難しい検査は、適切な医療機関をご紹介します。

受診の目安・急ぐ症状

受診の目安
  • 痛みで食事や会話がつらい、何度も繰り返す
  • 白色ワセリンで保護しても改善しない
  • 白くふやける、黄色いかさぶたが出る(感染の関与の可能性)
  • 処方薬をやめると荒れるのを繰り返している(自己判断で続けず相談を)
  • 入れ歯を使っていて口角が切れやすい(歯科での評価も)

受診時は、お薬手帳、使っているリップ・歯磨き粉・市販薬の名前、症状が強かったときの写真があると診察がスムーズです。

早めに受診していただきたい症状(急ぐ症状)
  • 口角や唇の腫れが急に強くなった、口が開けにくい
  • 下唇の荒れ・かさつきが長く続く、同じ場所がただれる、硬いしこりや出血がある——数か月待たず皮膚科や口腔外科へ。必要に応じて組織検査などを検討します
  • 唇に小さな水ぶくれが集まって出た(口唇ヘルペスの可能性)
  • 口の中にも白い苔のようなものや痛みがある(口腔カンジダの可能性)

当院の保険診療は初診予約不要です。「口角炎なのかヘルペスなのか分からない」という段階でも、診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。

「乾燥のせい」で済ませる前に、原因の確認を

初診は予約不要・保険診療

唇・口角の荒れが繰り返す、何を塗ればよいか分からない場合はご相談ください。症状・使用製品・薬などを確認し、必要な治療を検討します。

TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)

保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。検査や処置の内容によっては、別日の実施や専門施設へのご紹介が必要な場合があります。

駒沢大学駅直結 平日 19時まで 土曜 17時まで 初診予約不要
月・火・水・金 9:30〜12:00 / 15:00〜19:00
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F

よくある質問

口角炎が治らないのはなぜですか?
唾液やなめ癖・乾燥・リップや歯磨き粉の刺激やかぶれが続いているほか、カンジダや細菌の関与、入れ歯やかみ合わせ、必要に応じて検討する栄養・全身の要因など、原因が複数重なっていることが多いためです。見た目だけで原因は決められないため、手持ちの薬を替え続けず、診察で確認したうえで原因に合わせた治療を行うことで改善が期待できます。
口角炎は何科を受診すればよいですか?
皮膚科で相談できます。必要に応じて顕微鏡検査や血液検査を検討しますが、全員が検査を受けるわけではありません。入れ歯やかみ合わせが関係する場合は歯科での評価も大切です。当院の保険診療は初診予約不要です。
口角炎に市販薬は効きますか?
原因が乾燥や軽い刺激であれば、白色ワセリンでの保護で改善することがあります。市販のステロイド入り外用薬は、感染が関与している場合に長引かせることがあるため、自己判断で長期に使わないでください。保護しても改善しない・痛みが強い・繰り返す場合は皮膚科で相談してください。
口角炎と口唇ヘルペスはどう見分けますか?
口唇ヘルペスは、唇の一部に小さな水ぶくれが集まって出て、1〜2週間で治ることを繰り返すのが手がかりです。口角炎は口角の切れ目や赤みが慢性的に続きます。ただし見た目だけでは判断できないため、水ぶくれが出る場合や迷う場合は診察で確認してください。
ステロイドをやめると荒れるのはカンジダですか?
「やめると再び荒れる」という経過だけでは、カンジダが原因とは判断できません。湿疹や刺激でも同じ経過をたどります。処方薬を自己判断で長期使用・変更せず、改善しない場合は処方した医療機関に相談してください。診察で感染の有無を確認したうえで治療を選びます。
口角炎・口唇炎は人にうつりますか?
原因によって異なります。乾燥・刺激・かぶれによるものはうつりません。カンジダや細菌が関与している場合も、健康な人に日常の接触でうつることは多くありませんが、タオルやリップの共用は避けてください。水ぶくれが集まって出る口唇ヘルペスは接触でうつることがあるため、診察で区別することが大切です。
両側に出たら栄養不足ですか?
両側に出ること自体は珍しくなく、片側・両側の違いだけで原因は決められません。繰り返す、舌の痛み、疲れやすさ、偏食・ダイエットなどの背景がある場合に、診察に応じて血液検査を検討します。自己判断でサプリを大量に摂る必要はありません。
口唇炎はリップクリームで治りますか?
乾燥が原因であれば、白色ワセリンなど添加物の少ないもので保護することで改善が期待できます。一方、香料・メントール・着色料などを含むリップクリームがかぶれの原因になっていることも多く、「塗るほど悪化する」場合は一度すべてやめて受診してください。

参考資料

監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長/医学博士
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
  • 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
  • がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
  • 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
  • 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

研究業績
  • 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
  • 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)

担当医師より

「口角が切れて何か月も治らない」と来院される方の中には、手元にあったステロイド外用薬を塗り続けてカンジダが広がっていた、という方が少なくありません。口角炎は「乾燥」という一言で片付けられがちですが、感染・栄養・入れ歯・かぶれと原因はさまざまで、原因が違えば治療も変わります。顕微鏡検査や血液検査で原因を確認すれば、多くの場合は改善が期待できます。「口角炎・口唇炎が治らない」とお困りの方は、まずお気軽にご来院ください。

本コラムは皮膚科専門医が監修しています。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

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