埋没毛は自分で抜いてよい?|皮膚の下に埋まった毛の対処と予防
埋没毛は自分で抜いてよい?|
皮膚の下に埋まった毛の対処と予防
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科(医師紹介)
- 埋没毛は、毛が皮膚の中へ入り込んだり、皮膚の下で伸びたりした状態です。針で掘り出す・毛抜きで抜く・つぶすのは避け、刺激になる自己処理を休んでください。炎症や色素沈着・跡の原因になります
- 角質を柔らかく保ち、剃り方を変えることで自然に外へ出てくることがあります。赤み・痛み・膿があるときは、炎症や感染の評価が必要です(炎症の診察は保険診療)
- 繰り返す場合は自己処理の方法を見直します。毛を減らす医療脱毛は希望される方への選択肢の一つで、全員に必要な治療ではありません
「すねやVIOに黒い点やブツブツがあり、よく見ると皮膚の下で毛が丸まっている」「針で掘り出したら赤く腫れて跡になった」——埋没毛(まいぼつもう)は、カミソリ・毛抜き・ワックスなどの自己処理の後に、伸びてきた毛が皮膚の外に出られず、皮膚の中でカールしたり横に伸びたりした状態です。
見た目が気になって自分で取り出そうとする方が多いのですが、針や毛抜きで掘ると細菌が入って毛嚢炎(化膿)を起こし、色素沈着や跡が残る原因になります。この記事では、埋没毛ができる仕組み、自分でしてよいこと・いけないこと、剃り方の見直し、化膿したときの治療、受診の目安を皮膚科専門医が解説します。
埋没毛とは|皮膚の下で毛が伸びる仕組み
毛は毛穴の奥(毛根)で作られ、毛穴を通って皮膚の外に伸びます。深剃りで鋭く切れた毛やカールした毛の先端が皮膚へ入り込んだり、毛抜きなどの刺激の後に伸びてきた毛が出口を見失って皮膚の中へ伸びたりすると、皮膚の中でカールする、または横に向かって伸びる状態になります。これが埋没毛で、毛の形や自己処理の方法、出口の角質の厚さが関係します。
皮膚から透けて見える黒い点や線、毛穴に一致した小さなブツブツとして気づきます。皮膚が埋まった毛を異物として反応すると赤いしこりになり、そこに細菌が入ると膿をもった毛嚢炎になります。
埋没毛ができやすい原因と部位
| 原因 | 起こり方 |
|---|---|
| カミソリでの深剃り・逆剃り | 皮膚のすぐ下で鋭く切れた毛先が、伸びるときに皮膚へ入り込みやすい。毛の流れに逆らって剃ると起こりやすい |
| 毛抜き・ワックス・脱毛テープ | 抜いた刺激で毛穴の出口がふさがったり炎症を起こしたりすると、次に生える毛が皮膚の中へ伸びやすくなる |
| 乾燥・角質の厚み | すね・ひざ・ひじなど乾燥しやすい部位や、摩擦で角質が厚くなった部位は毛穴の出口がふさがりやすい |
| 硬い毛・縮れた毛 | 毛が太く硬い・カールしている方は、毛先が皮膚に戻りやすい |
| きつい衣類・摩擦 | 下着や衣類の締めつけ、スポーツでの摩擦が毛穴を圧迫する |
部位はすね・太もも・ビキニライン(VIOのうち下着の縁に沿った部分)・わき・ひげ(あご・首)・二の腕に多く、いずれも自己処理の頻度が高い部位です。
埋没毛は自分で抜いてよい?|してよいこと・いけないこと
- 針・安全ピン・爪で掘り出す——皮膚に傷ができ、細菌が入って毛嚢炎や腫れの原因になります。深く掘ると跡(瘢痕)や色素沈着が残ります
- 毛抜きで無理に抜く——毛穴の中で毛が切れて残り、さらに埋まります。抜いた刺激で次の毛も埋没しやすくなります
- しこりをつぶす・絞る——炎症が広がり、膿がたまって治りが遅くなります
- 同じ場所を何度も剃る——炎症のある部位への剃毛は悪化させます
- 入浴で角質を柔らかくし、保湿する——出口がふさがっていた毛は、角質が柔らかくなると自然に出てくることがあります。毎日の保湿が基本です
- やさしく洗う——ナイロンタオルでこすらず、泡で洗う。痛み・赤み・傷がある部位はこすらない。角質ケア製品を使う場合は製品の表示に従い、必要性は医師や薬剤師に確認する
- 炎症がある間は自己処理を休む——赤み・しこりがある部位は剃らず、毛が自然に出るのを待つ
- 器具で毛を探さない——針や毛抜きで皮膚を破ったり、毛を探して引き出したりしない。取れない毛やしこりが気になるときは皮膚科で相談できます
見た目の黒い点が気になっても、自然に毛が外に出て落ち着くことがあります。期間は部位や炎症の状態で異なり、続く・悪化する・痛みがある場合は相談してください。急いで取り出すより、跡を残さないことを優先してください。
赤く腫れた・膿が出た|毛嚢炎になったときの治療
埋没毛の周りが赤く腫れたり、膿のようなものが見えたりする場合、埋没毛による炎症や、細菌感染(毛嚢炎)などが考えられます。見た目だけで感染かどうかは決められないため、つぶさず清潔に保ち、腫れが大きい・痛い・膿がある・繰り返す場合は皮膚科で診察を受けてください(炎症の診察は保険診療)。
- 炎症か感染かの判断——診察で状態を確認し、抗菌薬や炎症を抑える外用薬、処置が必要かを判断します。膿が大きくたまっている場合の処置は、実施の可否を診察時にご説明します
- 炎症後の黒ずみ(色素沈着)——時間とともに薄くなることが多く、経過を見ます。見た目の改善を目的とした治療は美容目的となり、費用区分が異なります
※薬の種類・使用期間は診察のうえ決めます。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します。毛嚢炎の症状は毛嚢炎のコラム、薬の種類や市販薬については毛嚢炎の薬のコラムで解説しています。
埋没毛を繰り返さない自己処理の見直し
| 方法 | 見直しのポイント |
|---|---|
| カミソリ | 入浴後の柔らかい状態で、シェービング剤を使い、皮膚を引っ張らず毛の流れに沿って少ない回数で剃る。深剃りを避ける(1mm程度残すなら、皮膚に刃を密着させない電動トリマーなども選択肢)。刃は切れるものを使い、炎症のある部位は休む。頻度は症状と生活に合わせる。剃った後は冷やして保湿 |
| 電気シェーバー | 皮膚に直接刃が当たらないため、カミソリより埋没毛・毛嚢炎を起こしにくい。深剃りモードは避ける |
| 毛抜き・ワックス・脱毛テープ | 埋没毛を繰り返す部位では避ける。毛根ごと抜く処理は次の毛が埋まりやすい |
| 除毛クリーム | 毛を皮膚の表面で溶かすため埋没毛は起こしにくいが、かぶれることがある。表示上使用できる部位だけに、事前確認や放置時間など製品の説明に従って使う。炎症部や傷、使用不可とされる陰部・粘膜には使わない |
| 衣類 | 処理直後は締めつけない下着・衣類にし、摩擦を減らす |
炎症がある間の診察(保険診療)とは別に、落ち着いた後に繰り返しを防ぐ目的で、医療レーザー脱毛で毛を減らすことを希望される方には選択肢の一つとしてご案内します。全員に必要な治療ではありません。自費診療で、肌の状態・毛質・部位によって適応や回数が異なります。炎症がある時期は照射できないため、まず診察で状態を確認したうえでご相談ください。費用・回数・リスクは医療レーザー脱毛の診療案内をご覧ください。脱毛後に産毛が太くなる「硬毛化」というリスクについては硬毛化のコラムで解説しています。
受診の目安・急ぐ症状
- 埋没毛の周りが赤く腫れて膿をもった(毛嚢炎)
- 自分で掘ってしまい、傷や腫れ・黒ずみが残っている
- 同じ部位で何度も繰り返す
- しこりが数週間たっても小さくならない、大きくなってきた
- 自己処理の方法や脱毛の適応を相談したい
受診時は、お薬手帳、使っている市販薬、自己処理の方法(カミソリ・毛抜き等)が分かると診察がスムーズです。
- 急に赤く大きく腫れて熱をもつ、ズキズキ痛む、膿が出る
- 発熱を伴う、腫れが広がっている(細菌感染が広がっている可能性)
- しこりが硬く大きくなり、何か月も残っている(毛嚢炎以外の可能性)
当院の保険診療は初診予約不要です。「埋没毛なのかニキビなのか分からない」という段階でも、診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。
掘り出す前に、跡を残さない対処を
初診は予約不要・保険診療
無理な自己処置を避け、状態に合った対処を診察で確認しましょう。炎症の診察は保険診療です。繰り返さないための自己処理の見直しもご案内します。
TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。検査や処置の内容によっては、別日の実施や専門施設へのご紹介が必要な場合があります。
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
よくある質問
関連ページ
参考資料
- NHS(英国国民保健サービス):Ingrown hairs——自宅でしてよいこと・避けること(かき出さない・つぶさない)、受診の目安
- American Academy of Dermatology:Razor bump remedies——剃毛による埋没毛・毛嚢炎を減らす剃り方
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
- 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
- がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
- 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
- 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
- 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)
「埋没毛を針で取ったら腫れて、跡が残ってしまった」という相談は、特にすねやビキニラインで多くみられます。埋没毛そのものは怖いものではありませんが、自分で掘り出すことで炎症と色素沈着という、本来なら起きなかったトラブルを作ってしまうのが問題です。基本は、掘らない・抜かない・保湿して待つこと。そして繰り返すなら、剃り方を変えること。毛を減らす方法は、希望される方への選択肢の一つです。赤く腫れた埋没毛にお困りの方は、まずお気軽にご来院ください。
ご来院・アクセス
初診は予約不要・保険診療
埋没毛は、無理な自己処置で炎症や跡につながることがあります。腫れや膿に気づいた時点で、状態に合った対処を診察で確認してください。
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土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
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【美容施術時間】
▲=土曜午後/14:00〜17:00
