蜂窩織炎とは?初期症状・原因・治療を皮膚科専門医が解説

皮膚科専門医 監修コラム

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは?
初期症状・原因・治療を専門医が解説

保険診療 予約不要 当日診察 駒沢大学駅直結|日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
公開日:2026年7月8日
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
📌 まず知っておきたい3つのこと
  • 蜂窩織炎は皮膚の深部の細菌感染症。市販薬では治らず、抗菌薬の治療が必要です
  • 受診先は皮膚科。人にうつることは基本的にありません
  • 赤み・腫れが数時間単位で広がる場合は、その日のうちの受診をおすすめします

「足がパンパンに腫れて赤くなった」「触ると熱くて痛い」「昨日より赤みが広がっている」——そのような症状で受診され、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と診断される患者さんは少なくありません。蜂窩織炎は皮膚の深い部分に細菌が入り込んで起こる感染症で、市販薬では対応できず、抗菌薬による治療が必要です。

この記事では、蜂窩織炎の初期症状・原因・治療について、皮膚科専門医が解説します。急速に広がる赤み・腫れ・熱感がある場合は、読み終わるのを待たずに当日中の受診をおすすめします。当院は予約不要・駒沢大学駅直結です。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは

蜂窩織炎とは、皮膚の深い層(真皮深層〜皮下脂肪組織)に細菌が入り込んで起こる感染症です。「蜂巣炎(ほうそうえん)」とも呼ばれます。原因菌の多くは、レンサ球菌や黄色ブドウ球菌など、健康な人の皮膚にも存在するありふれた細菌です。

発症部位として最も多いのはすね・ふくらはぎなどの下腿(かたい)で、片足だけに起こるのが典型的です。顔・腕・手足の指などに生じることもあります。年齢を問わず発症しますが、糖尿病・むくみ(浮腫)・水虫のある方では起こりやすく、また重症化しやすいことが知られています。

💡 ポイント
  • 皮膚の「深い部分」の細菌感染症(表面のかぶれや湿疹とは異なります)
  • 片方の足のすね・ふくらはぎに最も多い
  • 抗菌薬(抗生物質)による治療が必要で、保険適用で治療できます

蜂窩織炎の初期症状|こんなサインは要注意

蜂窩織炎の初期症状は、「赤み」「腫れ」「熱感」「痛み」の4つです。境界のはっきりしない赤みがじわじわと広がり、その部分を触ると周囲より明らかに熱く、押すと痛みます。むくんだように腫れ、皮膚に張り・光沢が出ることもあります。

時間の経過とともに現れる症状

進行すると、赤みの範囲が数時間〜1日単位で広がっていきます。38度以上の発熱・悪寒(さむけ)・だるさなど全身の症状を伴うことがあり、足の付け根(そけい部)のリンパ節が腫れて痛むこともあります。虫刺されやかぶれとの大きな違いは、「強いかゆみ」よりも「痛みと熱感」が前面に出る点、そして範囲が拡大していく点です。

🚨 当日中に受診していただきたいサイン
  • 赤み・腫れの範囲が数時間単位で明らかに広がっている
  • 38度以上の発熱・悪寒・ふるえを伴う
  • 見た目以上に痛みが強い、感覚が鈍い、水ぶくれや皮膚の変色(紫色・黒っぽい色)がある
  • 糖尿病・透析中・ステロイドや免疫を抑える薬を使用中の方の皮膚の赤み・腫れ
  • 意識がもうろうとする・呼吸が苦しい・ぐったりしている(この場合はためらわず救急要請を)

特に「見た目の割に痛みが異常に強い」「急速に悪化する」場合は、壊死性筋膜炎(皮下の膜に沿って感染が急速に広がり、緊急の治療を要する重い感染症)との見極めが必要になることがあります。ためらわずに医療機関を受診してください。

受診までの間にできることとして、赤みの縁をボールペンなどで軽くなぞって印をつけておく、または時間をおいて患部の写真を撮っておくと、広がりの速さが客観的に分かり、診察時の重症度判断に役立ちます。

蜂窩織炎の原因|細菌の「入口」はどこか

蜂窩織炎は、皮膚表面の細菌が何らかの「入口」から皮膚の深部に入り込むことで発症します。代表的な入口は次のとおりです。

細菌の入口 具体例
水虫(足白癬) 足の指の間のジュクジュク・ひび割れ。下腿の蜂窩織炎で最も重要な入口のひとつです
小さな傷 すり傷・切り傷・ささくれ・巻き爪や深爪による傷
虫刺され・掻き壊し 掻いてできた傷から細菌が侵入。夏場に多いパターンです
湿疹・皮膚炎 アトピー性皮膚炎などでバリア機能が低下した皮膚
むくみ・血流障害 入口が明らかでなくても、むくみのある足は発症しやすくなります
🔬 当院では「入口」まで診断します

蜂窩織炎の治療と同時に、入口となった水虫(足白癬)の有無を院内の顕微鏡検査でその日のうちに確認できます。入口を放置すると蜂窩織炎を繰り返す原因になるため、当院では感染の治療と入口の治療をセットで行います。

蜂窩織炎はうつる?

蜂窩織炎は、日常生活で人にうつることは基本的にありません。原因菌自体はありふれた細菌であり、「菌が皮膚の深部に入り込んだ状態」が病気の本体だからです。タオルの共用やお風呂、家族との接触を過度に恐れる必要はありません。

一方で、同じ「皮膚の細菌感染症」でも、とびひ(伝染性膿痂疹)は接触でうつります。お子さんの皮膚に水ぶくれやかさぶたが広がっている場合は、蜂窩織炎ではなくとびひの可能性があります。

丹毒・とびひとの違い

蜂窩織炎とよく似た病気に「丹毒(たんどく)」があります。どちらも皮膚の細菌感染症ですが、感染の深さと見た目に違いがあります。

蜂窩織炎 丹毒 とびひ
感染の深さ 真皮深層〜皮下脂肪 真皮の浅い層 表皮(ごく浅い)
赤みの境界 ぼんやりして不明瞭 くっきり盛り上がる 水ぶくれ・かさぶたが点在
多い部位 すね・ふくらはぎ 顔・下腿 顔・手足(小児に多い)
人にうつるか 基本的にうつらない 基本的にうつらない 接触でうつる

いずれも治療の中心は抗菌薬ですが、重症度の評価や薬の選択が異なります。境界がはっきりしているか、発熱があるかなどを診察で確認し、鑑別します。ご自身で見分ける必要はありません。「どれか分からない」段階での受診で問題ありません。

蜂窩織炎の治療|市販薬では治らない理由

治療の中心は抗菌薬の内服

蜂窩織炎の治療は、原因菌に有効な抗菌薬(抗生物質)の内服が中心です。軽症〜中等症であれば外来での内服治療が可能で、通常は数日〜2週間程度の服用を行います(範囲・重症度・基礎疾患の有無により個人差があります)。あわせて、患部を安静に保ち、足であれば横になる際に少し高く上げておくことが腫れの軽減に役立ちます。

なお、抗菌薬を開始しても、最初の2〜3日は赤みや熱感が残ることがあります。これは治療が効いていないのではなく、蜂窩織炎の自然な経過であることが多いため、すぐに判断せず、指示された再診日に経過を確認します(改善が乏しい場合は薬の変更や点滴治療を検討します)。

重要なのは、赤みが引いてきても自己判断で薬をやめないことです。細菌が残った状態で中断すると、ぶり返しの原因になります。処方された日数を飲み切り、終了の判断は診察で行います。

市販薬で治らない理由

蜂窩織炎の感染が起きているのは皮下脂肪組織という深い層のため、市販の抗生物質配合の塗り薬だけでは、感染部位への十分な効果が期待できません。「市販薬を数日塗ったが良くならず、むしろ広がった」という経過で受診される方が実際に多くいらっしゃいます。痛み止めで痛みを抑えている間に感染が進行することもあるため、疑った時点で受診し抗菌薬治療を始めることが、結果的に早い回復につながります。

「冷やす」は正解?「温める」はNG?

炎症で熱を持っている部位を冷たいタオルなどで冷やすと、つらさの緩和が期待できます。一方、入浴での長湯・マッサージ・飲酒など血流を促す行為は、腫れや痛みを悪化させることがあるため急性期は避けてください。ただし、冷やすことはあくまで対症的なケアであり、治療の代わりにはなりません。

⚠️ 自然治癒を待つリスク

ごく軽い場合に自然に治まることがないわけではありませんが、蜂窩織炎は数時間〜数日で急速に悪化しうる感染症です。進行すると細菌が血流に入り、敗血症など全身の重い状態に至ることがあります。治療開始が早いほど、内服のみで済む可能性が高くなります。

費用について(保険適用)

蜂窩織炎の診察・検査・抗菌薬の処方には、通常健康保険が適用されます。3割負担の場合、初診料は約870円で、これに検査費・薬剤費(薬局での支払い)が加わります。

※費用は目安です。検査・処方内容により異なります。料金は変更となる場合があるため、最新の情報は診察時にご確認ください。

赤み・腫れ・熱感に気づいたら、当日の受診を

治療開始が早いほど、重症化・入院のリスクを下げることが期待できます。

「蜂窩織炎かどうか分からない」「ただの虫刺されかも」という段階でも大丈夫です。診察で見極めます。

📞03-3413-6600 💬 公式LINEはこちら
🚉 駒沢大学駅直結 ⏰ 平日 19時まで 📅 土曜 17時まで 🩺 予約不要

入院が必要になるのはどんなとき?

蜂窩織炎の多く(軽症〜中等症)は、外来での内服治療で改善が期待できます。一方、次のような場合は点滴による抗菌薬治療、すなわち入院加療が検討されます。

  • 高熱・悪寒戦慄など全身症状が強い場合
  • 赤み・腫れの範囲が広い、または内服治療で改善が乏しい場合
  • 糖尿病・腎不全・免疫抑制状態など、重症化リスクのある基礎疾患がある場合
  • 顔面の蜂窩織炎など、部位的に注意が必要な場合

当院では、診察の結果入院治療が望ましいと判断した場合には、速やかに連携する病院へご紹介します。「入院になるのが不安で受診をためらう」という方もいらっしゃいますが、実際には受診の遅れこそが入院リスクを高めます。早い段階で治療を始めることが、外来治療で完結させる一番の近道です。

蜂窩織炎を繰り返さないための予防

蜂窩織炎は一度かかると繰り返しやすいことが知られています。再発予防の要点は、細菌の「入口」を塞ぐことです。

✅ 再発予防のポイント
  • 水虫(足白癬)を治療する——足の指の間のジュクジュクは最重要の入口。蜂窩織炎の治癒後も水虫の治療(当院の水虫診療のご案内)は継続が必要です
  • すり傷・掻き壊しを放置せず、洗浄・保護する
  • 保湿でひび割れ・乾燥を防ぐ(特にかかと・すね)
  • むくみのある方は、長時間の立ち仕事後に足を高くして休む・弾性ストッキングの活用などむくみ対策を行う
  • 深爪・巻き爪(痛い・化膿した場合の対処コラム)を放置しない

「同じ足に何度も繰り返す」という方は、入口となる皮膚トラブルが残っている可能性があります。当院では顕微鏡検査による水虫の確認を含め、繰り返す原因の評価と対策まで一貫して行いますので、再発でお困りの方もご相談ください。

まとめ

  • 蜂窩織炎は皮膚の深部の細菌感染症。赤み・腫れ・熱感・痛みが初期症状で、すね・ふくらはぎに多い
  • 受診先は皮膚科。市販の塗り薬では深部の菌に届かず、抗菌薬の内服が必要
  • 基本的に人にうつらない。とびひ・丹毒とは感染の深さが異なる
  • 数時間単位で広がる赤み・高熱・強い痛みは当日受診のサイン
  • 再発予防の鍵は水虫・傷など「入口」の治療。当院は顕微鏡検査で入口まで診断します

よくある質問

蜂窩織炎は何科に行けばいいですか?
皮膚科を受診してください。蜂窩織炎の診断・抗菌薬治療に加え、入口となる水虫や傷の治療まで一貫して行えます。「蜂窩織炎かどうか分からない」段階での受診で問題ありません。当院は予約不要です。受付時間内に直接ご来院ください。
蜂窩織炎は人にうつりますか?
日常生活で人にうつることは基本的にありません。タオルの共用や入浴、家族との接触を過度に制限する必要はありません。ただし、接触でうつる「とびひ」など似た病気もあるため、診断は診察で確認することをおすすめします。
蜂窩織炎は自然に治りますか?
ごく軽症で自然に治まる場合もありますが、数時間〜数日で急速に悪化しうる感染症のため、様子見はおすすめできません。進行すると敗血症など重い状態に至ることや、入院が必要になることがあります。早期の抗菌薬治療ほど軽く済む可能性が高くなります。
蜂窩織炎は冷やすべきですか?温めるのはだめですか?
熱を持つ患部を冷やすことは症状緩和に役立ちます。一方、急性期の長湯・マッサージ・飲酒など血流を促す行為は腫れや痛みを悪化させることがあるため避けてください。なお、冷やすのは対症的なケアであり、抗菌薬治療の代わりにはなりません。
蜂窩織炎は治るまでどのくらいかかりますか?
軽症であれば、抗菌薬の内服を数日〜2週間程度続けることで改善が期待できます。範囲・重症度・基礎疾患の有無により期間は異なり、重症の場合は長引くことや入院治療となることがあります。赤みが引いても自己判断で中断せず、処方された日数を飲み切ることが再発予防につながります。
蜂窩織炎は入院が必要ですか?
軽症〜中等症であれば外来での内服治療が可能なことが多いです。高熱や広範囲の炎症、糖尿病などの基礎疾患がある場合には点滴治療・入院が検討され、その際は連携病院へご紹介します。早期受診ほど外来治療で完結できる可能性が高まります。
この記事の監修医師
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

監修医師よりコメント

蜂窩織炎の患者さんの多くが「最初はただの虫刺されだと思った」とおっしゃいます。研修医時代に救急の現場で全身管理を学んだ経験からも、皮膚の感染症は「早いか遅いか」で経過が大きく変わることを実感しています。数時間で広がる赤み・熱感・痛みに気づいたら、週末や連休を待たず、その日のうちに受診してください。あわせて、入口となる水虫の治療までが蜂窩織炎の治療だと考えています。繰り返している方も、まずお気軽にご来院ください。

本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)
🧾 ご来院時にあるとよいもの
  • マイナ保険証(または資格確認書)
  • お薬手帳(服用中の薬がわかるもの)
  • 使用した市販薬・塗り薬(あれば現物をご持参ください)
  • 赤みの広がりがわかる写真やメモ(時間をおいて撮影した患部の写真は、進行の速さを判断する助けになります)

ご来院・アクセス

予約不要・当日診察・保険適用

蜂窩織炎は進行の早い感染症です。「これかも?」と思った時点での受診が、重症化を防ぐうえで大切です。

📞03-3413-6600 💬 公式LINEはこちら
🚉 駒沢大学駅直結 ⏰ 平日 19時まで 📅 土曜 17時まで 🩺 予約不要
月・火・水・金 9:30〜12:00 / 15:00〜19:00
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
※混雑状況により待ち時間をいただく場合があります。診察の結果、点滴治療・入院が望ましい場合は連携病院をご案内します。