ピアスの穴が腫れた・膿んだ|感染・かぶれ・埋まりの相談先
ピアスの穴が腫れた・膿んだ|
感染・かぶれ・埋まりの相談先
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科(医師紹介)
- ピアスホールの赤み・腫れ・痛み・膿は細菌感染が代表的です。耳たぶは薬で治ることが多い一方、軟骨部(耳の上の方)の感染は耳の変形につながるため早めに受診を
- かゆみ・赤み・じゅくじゅくが穴の周りに広がる場合は金属アレルギー(ニッケルなど)によるかぶれの可能性。パッチテストで確認し、素材を変えます
- 無理に外す・引き抜く・潰すのは避けてください。外すかどうかは状態によって異なります。キャッチが埋まった、耳全体が腫れて熱い、発熱があるときは早めに医療機関へ
「ピアスを開けて数日で穴の周りが赤く腫れて、膿が出てきた」「何年も使っているのに急にかゆくなって汁が出る」「寝ている間にキャッチが耳たぶに埋まって取れない」「耳の軟骨に開けたら耳全体が腫れて熱い」——ピアスのトラブルは、感染・かぶれ・埋まり・しこりなど原因がいくつかあり、原因によって「外すべきか」「薬で治るか」「処置が必要か」が変わります。
この記事では、ピアスホールの感染(耳たぶと軟骨部の違い)、金属アレルギーによるかぶれ、埋まったキャッチの摘出、穴の周りのしこり(ケロイド・粉瘤)の見分け、自分でやってはいけないこと、皮膚科でできる処置と受診の目安を皮膚科専門医が解説します。
ピアスのトラブルは4種類|感染・かぶれ・埋まり・しこりの見分け方
ピアスホールのトラブルは、大きく感染・かぶれ(金属アレルギー)・埋まり・しこりの4つに分けられます。症状が重なることもありますが、まず手がかりを整理します。
| トラブル | 主な症状と起こりやすい時期 | 対応の方向 |
|---|---|---|
| 細菌感染 | 赤み・腫れ・熱感・ズキズキする痛み・黄色い膿。開けて数日〜数週間(穴が安定する前)に多く、古い穴でも傷ついたときに起こる | 抗菌薬の外用・内服。膿がたまれば処置。軟骨部は早めに |
| かぶれ(金属アレルギー) | かゆみ・赤み・小さなブツブツ・じゅくじゅくした汁・かさぶた。痛みよりかゆみが主。金属製ピアスを使い始めて数日〜、何年も使った後に突然出ることも | 素材を変える。パッチテストで原因金属を確認 |
| 埋まり(埋入) | キャッチやヘッドが皮膚の中に沈んで見えない・取れない。周りが腫れる。キャッチをきつく留めた、寝返りで押し込んだ、腫れて食い込んだときに | 局所麻酔で摘出。自分で引き抜かない |
| しこり | 穴の周りの硬いこぶ(ケロイド)、袋状のしこり(粉瘤)、赤い柔らかい盛り上がり(肉芽)。開けて数か月〜年単位で | 種類によって注射・テープ・手術など |
ピアスの穴が腫れて膿が出る|細菌感染と、耳たぶ・軟骨部の違い
ピアスホールは、皮膚に開けた傷に異物(ピアス)が入り続けている状態なので、穴が安定するまで(耳たぶで1〜2か月、軟骨部では数か月〜1年程度)は細菌が入りやすい期間です。原因菌は黄色ブドウ球菌が多く、軟骨部では緑膿菌も問題になります。
| 項目 | 耳たぶ(ロブ)の感染 | 軟骨部(ヘリックス・トラガスなど)の感染 |
|---|---|---|
| 症状 | 穴の周りの赤み・腫れ・痛み・膿。範囲は穴の周りにとどまることが多い | 耳の上半分〜耳全体が赤く腫れて熱い、強い痛み、発熱を伴うことも |
| 怖さ | 多くは外用・内服で治る | 軟骨は血流が乏しく治りにくい。耳介軟骨膜炎に進むと軟骨が壊れて耳の形が変形(カリフラワー耳)することがある |
| 対応 | 抗菌薬の外用薬・内服薬。膿がたまっていれば出す処置。清潔に保ち、触らない | 当日中に受診。抗菌薬の内服が中心で、重症例は耳鼻咽喉科・形成外科での点滴治療や切開が必要なため連携病院へご紹介 |
- 手を洗ってから触る。消毒液でごしごし拭かず、ぬるま湯か生理食塩水でやさしく洗い流して水分を拭き取る
- 膿を無理に絞り出さない。かさぶたを無理にはがさない
- 開けた直後の軽いヒリつきや、少量の透明〜薄黄色の分泌液だけなら感染とは限らない。黄色く濁った膿・熱感・ズキズキする痛み・広がる赤みが感染の手がかり
- 膿が出る、痛みや熱感が強い、赤み・腫れが広がる場合は、感染を疑って早めに医療機関へ相談する。市販薬や残っている抗菌薬で受診を先延ばしにしない
- 軟骨部の強い腫れや痛み、発熱がある場合は当日中の受診が必要
ピアスでかゆい・かぶれる|金属アレルギー(ニッケル)とパッチテスト
ピアスホールの周りがかゆくて赤く、小さなブツブツや汁が出る場合は、ピアスの金属に対するアレルギー性接触皮膚炎(金属アレルギー)が代表的です。最も多い原因はニッケルで、ほかにコバルト・クロム・パラジウムなどがあります。汗で金属イオンが溶け出す夏に悪化しやすく、ピアスは皮膚の内側に金属が常に触れているため、ネックレスなどより強く反応が出ます。
- 素材を変える——純チタン・プラチナ・純度の高い金などは反応しにくいとされますが、「チタン製」「サージカルステンレス」「ニッケルフリー」「K18」といった名称・表示だけで安全とは限りません。合金に含まれる成分やメッキの下地(ニッケルが使われていることが多く、剥げると反応します)によって反応することがあるため、原因金属と製品の成分表示を照合して選びます。サージカルステンレスも種類によってニッケルの溶け出しやすさが異なり、一律に避ける必要はありません
- 炎症を治療する——ステロイド外用薬でかぶれを抑えます。掻き壊して感染を合併すると判断が難しくなるため早めに
- パッチテストで原因金属を確認する——背中に金属の試薬を貼り、一般的には48時間後に剥がして判定し、さらに72時間または96時間後、1週間後にも判定します(金属は遅れて反応することがあるためです)。陽性というだけでピアスの症状の原因と決まるわけではなく、症状の分布や使っている製品の素材と合わせて判断します。どの金属に反応するかが分かれば、ピアスだけでなく時計・ベルト・歯科金属などの選び方にも役立ちます(アレルギー科|パッチテストの流れ・予約)
金属アレルギーの症状の全体像(汗疱・歯科金属との関係など)は金属アレルギーのコラムで解説しています。
なお、金属以外にも、ピアスの消毒液・ケア用品・整髪料でかぶれることがあります。素材を変えても治らない場合は、それらも含めて原因を探します(湿疹・皮膚炎の診療案内)。
キャッチ・ピアスが埋まった|自分で引き抜かず、摘出の処置を
キャッチをきつく留めすぎた、寝返りで押し込まれた、腫れた皮膚にピアスが食い込んだ——こうしてキャッチやピアスのヘッドが皮膚の中に沈み込む「埋入」は、ピアスのトラブルの中でも処置が必要になる代表です。小さなお子さん・軟骨部・腫れている穴で起こりやすくなります。
- ピンセットや爪で無理にほじる・引き抜く——皮膚が裂けて出血し、感染を広げます。部品が奥に入ることもあります
- 腫れているのに放置する——皮膚がピアスの上でふさがってしまい、摘出の切開が大きくなります
- 局所麻酔をして、埋まった部品を摘出します。皮膚の表面近くにあれば小さな切開で取り出せることが多く、状態によっては当日に処置できることもあります。処置の実施可否・担当医・日程は診察のうえ判断し、必要に応じて形成外科専門医が対応、または連携病院へご紹介します
- 摘出後は感染の有無を確認し、状態に応じて薬や傷の処置の必要性を判断します。同じ穴にすぐピアスを戻すと再発するため、しばらく休ませます
- 穴を残したい場合の対応(医療用のピアスへの交換など)は診察時にご相談ください
ピアスホールのしこり|ケロイド・粉瘤・肉芽の違い
穴の周りにできる「しこり」には性質の違うものがあり、対応が異なります。
| しこり | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| ケロイド・肥厚性瘢痕 | 穴の前後に硬く赤い(または肌色の)こぶ。年単位で大きくなる。かゆみ・痛み。耳たぶはケロイドの好発部位 | ステロイド注射・テープなどの保存的治療が中心。大きいものは手術+術後治療。詳しくはケロイド・肥厚性瘢痕のコラム |
| 粉瘤(表皮嚢腫) | ピアスホールに沿って皮膚の下にできた袋状のしこり。押すと臭い内容物が出ることがある。化膿すると急に赤く腫れて痛む | 化膿していれば切開排膿、落ち着いてから袋ごと摘出する手術(粉瘤の診療案内・炎症性粉瘤のコラム) |
| 肉芽様の盛り上がり・化膿性肉芽腫など | 刺激で組織が盛り上がった、穴の縁の赤く柔らかい盛り上がり。軟骨部に多い。触ると出血しやすい赤いしこりでは、良性の血管の増殖である化膿性肉芽腫などを区別する。名前に「化膿」とあるが細菌感染を意味するわけではない | 刺激(ピアスの動き・引っかかり)を減らし、外用・処置で対応。取れにくいものは切除し、必要に応じて病理検査 |
「ケロイドだと思っていたら粉瘤だった」「粉瘤だと思っていたら肉芽だった」ということは珍しくありません。しこりの硬さ・色・できた時期を診察で確認し、必要に応じてエコーや病理検査で判断します。
外すべき?自分でやってはいけないこと
「腫れたらピアスを外す」が正しいとは限りません。外すかどうかは原因と状態で変わります。
| 状況 | 外すか | 理由 |
|---|---|---|
| 金属アレルギーによるかぶれ | 外す(または素材を変える) | 原因の金属が触れ続ける限り治らない |
| 開けて間もない穴の軽い感染 | 自己判断で外さず受診 | 外すと穴がふさがって膿が中に閉じ込められ、膿瘍になることがある。医療用の素材に替えて治療することも |
| 膿がたまって強く腫れている | 医療機関で判断 | 膿を出す処置が必要なことがある。外す・外さないは状態次第 |
| キャッチが埋まった | 自分では外さない | 皮膚を裂く。局所麻酔で摘出 |
| 軟骨部の強い腫れ・発熱 | 無理に触らず早めに受診 | 耳介軟骨膜炎の可能性。治療が優先 |
- 膿を自分で針を刺して出す・絞り出す——感染を広げ、跡を残します
- 埋まったキャッチをピンセットで引き抜く
- 腫れている穴に消毒液を繰り返し塗る——皮膚を傷めて治りを遅らせます。洗うのはぬるま湯か生理食塩水で
- 腫れたままピアスを必要以上に回す・頻繁に付け替える——刺激で肉芽や感染が悪化します。洗浄時の扱いは医師の指示に従ってください
受診の目安・急ぐ症状
- 穴の周りに赤み・腫れ・膿がある、痛みや熱感が強い、赤みが広がる(日数を待つ必要はありません)
- かゆみ・汁・かさぶたが繰り返す(金属アレルギーの確認)
- 穴の周りにしこりができて大きくなってきた
- キャッチやピアスが埋まって取れない
- 開けた穴がいつまでも安定せず、汁や出血が続く
受診時は、使っているピアスの素材(分かれば)、開けた時期と場所、使ったケア用品・消毒液をお伝えください。ピアスは外さず、外した場合は持参してください。
- 軟骨部のピアスで耳全体が赤く腫れて熱い、強く痛む、発熱——耳介軟骨膜炎の可能性。変形を防ぐため早めに(夜間・休日は救急外来へ)
- キャッチ・ピアスが埋まって取れない——放置すると皮膚がふさがります。早めに摘出を
- 腫れが耳を越えて顔・首に広がる、リンパ節が腫れる——感染の広がり(蜂窩織炎のコラム)
当院の保険診療は初診予約不要です。「どのトラブルか分からない」段階でも、診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。
「外していいのか分からない」まま悪化させないでください
初診は予約不要・保険診療
感染・かぶれ・埋まり・しこりのどれかを診察で見極め、薬で治すもの、処置が必要なもの、素材を変えるべきものをご説明します。埋まったピアスの摘出や粉瘤の処置は、診察のうえ形成外科専門医と連携して対応、または必要に応じて専門施設へご紹介します。ピアスは外さず(外した場合は持参して)お越しください。
TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。検査や処置の内容によっては、別日の実施や専門施設へのご紹介が必要な場合があります。
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
よくある質問
関連ページ
参考資料
- NHS(英国国民保健サービス):Infected piercings——感染の症状、医師の指示なくピアスを外さないこと、受診の目安、治療
- DermNet NZ(ニュージーランドの皮膚科専門医が運営する医療情報サイト):Body piercing——感染(黄色ブドウ球菌・緑膿菌)、軟骨炎と変形、ニッケルによる接触皮膚炎、肥厚性瘢痕・ケロイド
- 日本皮膚科学会:接触皮膚炎診療ガイドライン2020——金属(ニッケル等)による接触皮膚炎の診断とパッチテスト
- DermNet NZ:Pyogenic granuloma——化膿性肉芽腫は良性の毛細血管の増殖で感染ではないこと、軽い外傷で出血しやすいこと
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
- 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
- がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
- 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
- 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
- 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)
ピアスのトラブルで困るのは、「とりあえず外して様子を見た」ことで穴がふさがって膿が閉じ込められたり、「自分でキャッチをほじった」ことで皮膚が裂けて来院される方が多いことです。感染・かぶれ・埋まり・しこりは、それぞれ対応が違います。腫れたら外す、ではなく、腫れたら見せに来ていただき、原因に合った対応をするのが近道だと考えています。軟骨部の腫れだけは、耳の形に関わるので待たずに受診してください。まずお気軽にご来院ください。
ご来院・アクセス
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ピアスホールの腫れ・膿・かゆみ・しこり・埋まりは、原因によって対応が変わります。ピアスは外さず(外した場合は持参して)、まずご相談ください。
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【美容施術時間】
▲=土曜午後/14:00〜17:00
