手足口病とは?初期症状・大人の症状・登園の目安を皮膚科専門医が解説

皮膚科専門医 監修コラム|小児皮膚科

手足口病とは?
初期症状・大人の症状・登園の目安を解説

保険診療 予約不要 ベビーカーOK 駒沢大学駅直結|日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
公開日:2026年7月9日
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科
📌 まず知っておきたい3つのこと
  • 手足口病は口の中・手のひら・足のうらに水疱(水ぶくれ)ができる、夏に流行するウイルス感染症です
  • 特効薬はありませんが、多くは1週間前後で自然に治ります。登園停止が定められた病気ではありません
  • 治ったあとも便からウイルスが出ることがあるため、おむつ替え後の手洗い・タオルの共用を避けることが大切です
  • 大人がかかると発熱・倦怠感・手足の痛みなどの症状が強く出ることがあり、治った数週間後に爪が剥がれることもあります。発疹・爪の見極めは皮膚科へ

「口の中を痛がってごはんを食べない」「手のひらと足のうらにブツブツが出てきた」「保育園はいつから行ける?」——手足口病(てあしくちびょう)は、夏になると外来が一気に増える、乳幼児に多いウイルス感染症です。名前のとおり手・足・口に発疹が出るのが特徴ですが、大人がかかると子どもより症状が強く出やすいことは意外と知られていません。

この記事では、手足口病の初期症状と経過、大人の症状、保育園への登園目安、治ったあとに爪が剥がれる理由まで、皮膚科専門医が解説します。

手足口病(てあしくちびょう)とは

手足口病とは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの仲間による感染症です。毎年夏(7月前後)を中心に流行し、かかるのは保育園・幼稚園に通う年代を中心とした乳幼児が大半ですが、年齢を問わず感染します。

原因となるウイルスが複数あるため、一度かかっても、別のウイルスで再びかかることがあります。「去年もかかったのに」という場合でも矛盾しません。ウイルスの型によって症状の強さや発疹の範囲に差が出ることもあります。

手足口病の初期症状と経過

感染してから3〜6日ほどの潜伏期間ののち、症状が現れます。典型的な経過は次のとおりです。

時期 主な症状
出はじめ のどの痛み・口の中の痛み、食欲低下。発熱する場合も約3人に1人程度で、高熱にならない・熱が出ないことも多いのが特徴です
発疹期(数日) 口の中(舌・頬の内側・のど)に小さな水疱や口内炎。前後して、手のひら・足のうら・指に米粒大の水疱性の発疹が出ます。おしり・ひじ・ひざに出ることもあります。かゆみは軽いことが多いですが、かゆみを伴う場合もあります
回復期 発疹は1週間前後で自然に消え、跡は残らないのが通常です。口の中の痛みも数日で和らぎます

発疹は、水ぼうそうのように全身へ一気に広がるのではなく、手・足・口という「出やすい場所」に集中するのが特徴です。ただしウイルスの型によっては、腕や太ももなど広い範囲に出ることもあり、見た目だけでは他の病気と紛らわしいケースもあります。判断に迷う発疹は、発疹の部位・形・経過、発熱や口内症状の有無を確認して診察で判断しますので、そのままご来院ください。

大人の手足口病|症状が強く出やすい

手足口病は「子どもの病気」と思われがちですが、お子さんからうつった大人は、子どもより症状が強く出やすいことが知られています。外来でも、看病していた保護者の方が数日遅れて発症するケースをよく診ます。

  • 38度を超える発熱・強い倦怠感・関節痛など、インフルエンザのような全身症状が出ることがあります
  • のどの痛みが強く、食事や水分がとりにくくなることがあります
  • 手のひら・足のうらの発疹の痛みが強く、「痛くて歩きにくい」「物が握りにくい」と受診される方もいます

仕事については、手足口病による出勤停止の法的な決まりはありませんが、職場や施設ごとの就業規定・感染対策ルールがある場合はそれに従ってください。解熱して体調が戻れば出勤は可能で、回復後もしばらくウイルスの排出が続くため、手洗いの徹底・タオルの共用を避けるなどの配慮を続けてください。発疹の痛みが強い場合・症状がつらい場合は無理をせず、皮膚科でご相談ください。

治ったあとに爪が剥がれるのは大丈夫?

手足口病が治って数週間〜1ヶ月ほど経ったころに、手や足の爪が根元から浮いたり、剥がれたりすることがあります。突然爪が剥がれてくるため驚かれる方が多いのですが、これは手足口病のあとに起こることが知られている経過のひとつです。

💡 爪は自然に生え変わります

剥がれた爪の下では新しい爪が育っており、治療をしなくても自然に生え変わるのが通常です。無理に引っ張らず、引っかかる部分だけを清潔なつめ切りで整えてください。ただし、爪の周りが赤く腫れて痛む・膿が出る場合は細菌感染の可能性があるため、皮膚科を受診してください。「本当にこのまま様子を見ていいのか不安」という場合の経過確認のご来院も、もちろん構いません。

うつる?保育園・登園の目安

うつり方

くしゃみなどの飛沫、水疱の中身や便に含まれるウイルスへの接触でうつります。注意したいのは、症状が治まったあとも2〜4週間ほど、便の中へのウイルスの排出が続くことです。つまり「発疹が消えるまで隔離すれば防げる」という病気ではなく、園や家庭で完全に予防するのは現実的に困難です。おむつ替えのあとの手洗いが最も重要な対策になります。

登園はいつから?

🏫 登園再開の一般的な目安

手足口病は、学校保健安全法で出席停止が定められた感染症ではありません熱がなく、口の痛みが落ち着いて普段に近い食事・水分がとれ、集団生活に参加できる状態であれば、発疹が残っていても登園できるとされるのが一般的です。ただし最終的な可否は、園・自治体の運用に従ってください。登園届などの要否も園により異なります。必要な場合は診察のうえ書類に対応します。

プールについては、症状がある間は控えてください。回復後の扱いは施設の規定によりますが、タオルの共用を避けることが大切です。

治療と薬|食事の工夫

手足口病のウイルスに対する特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が治療の中心です。発熱や口の痛みがつらい場合には、診察のうえで解熱鎮痛薬を使うことがあります。発疹への塗り薬は基本的に不要ですが、かゆみが強い場合には、かゆみ止めを処方することがあります。

口が痛くて食べられないときの工夫

  • しみにくいものを選ぶ——冷ましたおかゆ・ゼリー・プリン・冷たいうどんなど、やわらかく、熱すぎず、酸味・塩味の強くないもの
  • 柑橘系ジュース・炭酸飲料・熱いスープ・塩辛いもの・味の濃いものは口にしみるため避ける
  • 食事がとれなくても、水分だけはこまめに(麦茶・経口補水液・冷たいミルクなど飲めるもので)
⚠️ いちばんの注意点は「脱水」です

手足口病そのものより、口の痛みで水分がとれなくなることによる脱水が問題になります。半日以上おしっこが出ていない・唇や口の中が乾いている・泣いても涙が少ない・いつもより明らかに元気がない場合は、脱水のサインです。早めに医療機関を受診してください。

受診の目安|小児科と皮膚科の使い分け

状況 受診先の目安
発疹が手足口病かどうか確認したい・かゆみや痛みがつらい・爪の変化が心配 皮膚科・小児皮膚科。発疹・爪の見極めは視診で行えます。大人の方の発疹も対応します
高熱が続く・水分がとれない・全身状態が心配 小児科。発熱中の全身管理は小児科の領分です

湿疹・かぶれなど皮膚の症状全般については 一般皮膚科のご案内 もご覧ください。

🚨 皮膚科より先に、小児科・救急の受診を優先すべきサイン
  • 水分がとれない・半日以上おしっこが出ていない(脱水)
  • 高熱が2日以上続く・ぐったりして反応が鈍い
  • けいれんを起こした・意識がぼんやりしている
  • 強い頭痛・繰り返す嘔吐・首を前に曲げにくい・光をまぶしがる(まれに髄膜炎などの合併症が起こることがあります)
  • 手足に力が入りにくい・ふらつく・歩き方がおかしい
  • 顔色や唇の色が悪い・呼吸が苦しそう

これらのサインがあるときは、発疹の見極めより全身の状態が優先です。皮膚科ではなく、小児科または救急をお受けください。

手足口病に似ている病気との見分け方

「口の中の水疱」「手足の発疹」は、他の病気でも起こります。主な違いは次のとおりです。

病気 手足口病との主な違い
ヘルパンギーナ 同じ夏かぜの仲間ですが、水疱はのどの奥に限られ、手足には出ません。高熱が出やすい
水ぼうそう(水痘) 発疹がおなか・背中・頭皮を含む全身に出て、かゆみが強い
とびひ(伝染性膿痂疹) 水ぶくれやかさぶたが掻いた先へ広がっていく。口の中には出ません
突発性発疹 高熱が下がったあとに、おなか・背中を中心に発疹が出ます。水疱にはなりません(詳しくは突発性発疹の解説コラムへ)
汗疱(かんぽう) 大人の手のひら・足のうらに小さな水ぶくれが出る点は似ていますが、口の中に症状が出ず、熱もありません

特に大人では、手のひら・足のうらの水疱が汗疱などの皮膚疾患と紛らわしいことがあります。治療方針が変わるため、自己判断せず視診でご確認ください。

まとめ

  • 手足口病は口・手のひら・足のうらに水疱が出る夏のウイルス感染症。多くは1週間前後で自然に治る
  • 大人は症状が強く出やすく、高熱・強い痛みが出ることがある。看病中の保護者の方は手洗いの徹底を
  • 治った数週間後に爪が剥がれることがあるが、自然に生え変わるのが通常
  • 登園停止の対象疾患ではなく、熱がなく普段の食事がとれれば登園できるのが一般的(園規定は要確認)
  • いちばんの注意点は脱水。水分がとれない・高熱持続・ぐったりは小児科・救急へ。発疹・爪の見極めは皮膚科へ
🧾 ご来院時にあるとよいもの
  • マイナ保険証(または資格確認書)と乳幼児医療証
  • お薬手帳(服用中の薬がわかるもの)
  • 発疹の出はじめが分かる写真(経過の判断に役立ちます)
  • 熱の経過メモ(何日目に何度・いつ下がったか)
  • 園から登園届・意見書の用紙を求められている場合は、その用紙

「この発疹、手足口病?」——発疹の見た目と経過を診察で確認できます

お子様も、大人の方も。発疹の判断に迷ったらそのままご来院ください。

「病院に行くほどか分からない」という段階でも大丈夫です。ベビーカーのまま、予約不要でお越しいただけます。
※水分がとれない・ぐったり・けいれん・強い頭痛や嘔吐などがあるときは、LINEやお電話の返信を待たず、小児科・救急の受診を優先してください。

📞03-3413-6600 💬 公式LINEはこちら
🚉 駒沢大学駅直結 🍼 ベビーカーOK ⏰ 平日 19時まで 🩺 予約不要

よくある質問

手足口病で保育園はいつから行けますか?
判断の軸は「口の痛み」です。手足口病は出席停止が定められた感染症ではなく、発疹が残っていても登園自体は可能ですが、口内炎の痛みで普段の食事や水分がとれないうちは登園を控え、熱がなく食べられるようになってからが再開の目安です。登園届の要否は園ごとに異なります。
手足口病のとき、お風呂やプールは大丈夫ですか?
熱がなく元気であれば、お風呂は入って構いません。水疱をこすらないよう、やさしく洗ってください。タオルの共用は避けましょう。プールは症状がある間は控え、回復後の扱いは施設の規定に従ってください。
手足口病は大人にもうつりますか?仕事は休むべきですか?
うつります。お子さんの看病中に感染する保護者の方が多く、大人は高熱や発疹の強い痛みなど、子どもより重い症状が出やすい傾向があります。出勤停止の法的な決まりはなく、解熱して体調が戻れば出勤できますが、手洗いの徹底など周囲への配慮を続けてください。
手足口病のあとに爪が剥がれてきました。大丈夫ですか?
手足口病の数週間〜1ヶ月後に爪が浮いたり剥がれたりすることがありますが、下から新しい爪が生えてくるため、自然に生え変わるのが通常です。無理に引っ張らないでください。爪の周りが赤く腫れて痛む・膿が出る場合は、皮膚科を受診してください。
手足口病の発疹はかゆいですか?
かゆみは軽いことが多いですが、ウイルスの型や個人差により、かゆみを伴う場合もあります。強くかゆがる・掻き壊してしまう場合は、とびひなど別の病気の可能性や二次感染の予防も含めて、皮膚科でご相談ください。かゆみ止めの処方も可能です。
手足口病は何科に行けばいいですか?
発疹が手足口病かどうかの見極め・かゆみ・爪の変化は皮膚科・小児皮膚科へ、高熱が続く・水分がとれないなど全身状態の心配は小児科へ、が目安です。当院は予約不要で、お子様も大人の方も、発疹の診察に対応しています。
手足口病で水分がとれないときはどうすればいいですか?
口内炎がしみにくい、冷たく味の薄い水分(麦茶・経口補水液・冷たいミルクなど)を少量ずつこまめに与えてください。それでも半日以上おしっこが出ない・泣いても涙が少ない・ぐったりしている場合は脱水のサインです。皮膚科の受診を待たず、小児科・救急を受診してください。
手足口病は何回もかかりますか?
かかることがあります。手足口病の原因ウイルスは複数あるため、一度かかって免疫がついても、別の型のウイルスで再びかかることがあります。「去年もかかったのに」という場合でも矛盾しません。
妊娠中に子どもの手足口病がうつったら危険ですか?
多くの場合は軽症で経過しますが、妊娠中の感染についてはご心配な点も多いかと思います。出産が近い時期の感染などで留意すべき点もあるため、うつった可能性がある場合や症状が出た場合は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科にご相談ください。
この記事の監修医師
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

監修医師よりコメント

夏の外来で手足口病のお子さんを診ていると、数日後に「実は私も…」と手のひらの発疹を見せてくださる保護者の方が本当に多くいらっしゃいます。大人の手足口病は、歩けないほど足のうらが痛むこともあるつらい病気です。また、治ってしばらくしてから爪が剥がれて、心配になって駆け込んで来られる方も毎年診ます。ほとんどは自然に治る経過ですが、「これは大丈夫」とその場でお伝えできることが、私たち皮膚科医の役割だと思っています。お子様の発疹も、うつってしまった大人の方も、ベビーカーのままお気軽にご来院ください。

本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

ご来院・アクセス

予約不要・ベビーカーのまま院内へ・保険診療

発疹・爪の見極めは診察でできます。「受診するほどか分からない」段階でも、お気軽にどうぞ。

📞03-3413-6600 💬 公式LINEはこちら
🚉 駒沢大学駅直結 🍼 ベビーカーOK ⏰ 平日 19時まで 📅 土曜 17時まで
月・火・水・金 9:30〜12:00 / 15:00〜19:00
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F(駅直結エレベーターで3階へ)
※混雑状況により待ち時間をいただく場合があります。発熱中の全身管理が必要と判断した場合は、小児科の受診をご案内します。水分がとれない・ぐったり・けいれん・強い頭痛や嘔吐などがあるときは、小児科・救急の受診を優先してください。