乾癬の症状・原因・治し方|頭皮・爪・市販薬を皮膚科専門医が解説|駒沢皮膚科

 

 

駒沢皮膚科クリニック|医療コラム

乾癬の症状・原因・治し方|頭皮・爪・市販薬を皮膚科専門医が解説

皮膚科専門医 監修 エキシマライト治療対応 最終更新:2026年5月
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科

「肘や膝に厚いかさぶたのような皮膚が出る」「頭皮が粉をふいたように白くなる」「爪が変形してきた」——乾癬(かんせん)はこうした症状を繰り返す慢性の皮膚疾患です。

乾癬は完全に治癒することは難しいですが、適切な治療で症状をコントロールしながら生活の質を維持できます。当院ではエキシマライト(紫外線療法)を含む乾癬治療に対応しています。このページでは乾癬の症状・原因・悪化因子・治し方を皮膚科専門医が詳しく解説します。

📌 このページでわかること
  • 乾癬の症状・見た目の特徴(写真で確認)
  • 頭皮乾癬・爪乾癬の特徴
  • 乾癬の原因・遺伝との関係
  • 悪化させる原因(ストレス・食事・薬剤など)
  • 市販薬で対応できるか
  • エキシマライト治療とは何か

乾癬とは・種類

乾癬は皮膚のターンオーバーが異常に早くなり、皮膚細胞が過剰に増殖する慢性炎症性疾患です。日本の患者数は約43万人と推定されており、決して珍しい疾患ではありません。

乾癬の主な種類
尋常性乾癬(最多・約90%)
境界明瞭な赤い発疹に銀白色の鱗屑(りんせつ)が付着するのが特徴。肘・膝・頭皮・体幹に多い。
膿疱性乾癬
無菌性の膿疱(うみをもった水ぶくれ)が全身または手足に出る。掌蹠膿疱症はこのタイプの一種。
乾癬性関節炎
皮膚症状に加えて関節炎を合併するタイプ。皮膚科と整形外科・リウマチ科の連携が必要。
滴状乾癬
若年者に多く、感染症(溶連菌など)の後に雨粒状の発疹が出る。

乾癬の症状・見た目の特徴

尋常性乾癬の典型的な見た目

乾癬 肘
肘の乾癬の例
 
膝の乾癬の例

※上記は当院受診患者さんの症状例です。掲載にあたり患者さんのご同意を得ています。

乾癬の典型的な症状の特徴
  • 境界がはっきりした赤い発疹(紅斑)——周囲の正常皮膚との境界が明確
  • 銀白色の鱗屑(りんせつ)——皮膚の表面に白い粉状・フレーク状のものが付着する。剥がすと点状の出血(アウスピッツ現象)が見られる
  • かゆみ——程度は個人差が大きい。かゆみのない人もいる
  • 慢性的に繰り返す——良くなったり悪くなったりを繰り返す
  • できやすい部位——肘・膝・頭皮・腰周り・お臍周辺・体幹

頭皮乾癬の特徴

乾癬患者さんの約50〜80%が頭皮にも病変を持ちます。フケのように白い鱗屑が大量に出る・頭皮が赤く炎症しているのが特徴です。「フケが多い」と思っていたら頭皮乾癬だったというケースも多くあります。脂漏性皮膚炎との鑑別が必要なため、皮膚科で診断を受けてください。

爪乾癬の特徴

乾癬患者さんの約30〜50%に爪の変化がみられます。爪に点状のくぼみ(点状陥凹)・爪が厚くなる・爪が爪床から剥がれる(爪甲剥離症)などが起きます。爪の乾癬は治療に時間がかかりますが、エキシマライトが有効なことがあります。

乾癬の原因

乾癬の根本的な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的素因に環境因子が加わることで発症すると考えられています。

免疫系の異常
T細胞(免疫細胞)が過剰に活性化し、皮膚の炎症を引き起こします。TNF-α・IL-17・IL-23などのサイトカインが関与していることが分かっています。
遺伝的素因
乾癬患者さんの約30%に家族歴があります。ただし親が乾癬でも必ず発症するわけではなく、環境因子が重要です。
環境因子(誘因)
ストレス・感染症・特定の薬剤・皮膚への外傷・肥満などが発症や悪化の誘因になります。
⚠️ 乾癬はうつりません:乾癬は感染症ではありません。触れても他の人にうつることはありません。

悪化させる原因・避けるべきこと

乾癬を悪化させる誘因を知り、できる限り避けることが症状のコントロールに重要です。

悪化因子 具体的な内容と対処
ストレス 最も多い悪化因子。免疫系を乱して炎症を増悪させる。睡眠・運動・リラクゼーションで軽減を
感染症 溶連菌性咽頭炎・扁桃炎などが乾癬を悪化させることがある。早めの治療を
薬剤 β遮断薬・リチウム・抗マラリア薬・NSAIDsなど。服用中の薬がある場合は医師に相談を
皮膚への外傷・刺激 引っかき傷・擦り傷・日焼けなどが新たな病変を引き起こすことがある(ケブネル現象)
肥満・飲酒 肥満と過度の飲酒は乾癬を悪化させる。適切な体重管理と節酒を
乾燥 皮膚の乾燥が鱗屑を増やし症状を悪化させる。保湿を徹底してください

食事と乾癬の関係

「乾癬に効く食べ物」「乾癬に悪い食べ物」という情報がネット上に多くありますが、食事だけで乾癬が治るという科学的根拠は乏しいです。ただし肥満の改善・節酒は乾癬の改善に有効であることが示されています。バランスの取れた食事と適切な体重管理が基本です。

乾癬の治し方・治療の選択肢

乾癬は完全治癒が難しい疾患ですが、適切な治療で症状を改善・維持することが目標です。当院では重症度に応じて段階的に治療を強化するステップアップ方式で治療を行います。

✅ 当院の乾癬治療:3段階のステップアップ
第1段階:外用薬+内服薬(基本治療)
ビタミンD3軟膏(ドボベット・オキサロール軟膏)・外用ステロイド・抗ヒスタミン薬の内服が治療の基本です。軽症〜中等症の多くはこの段階でコントロールできます。すべて保険適用です。
第2段階:オテズラ+エキシマライト
第1段階で効果が不十分な場合、内服薬のオテズラ(アプレミラスト)や光線療法のエキシマライトを追加します。外用薬と組み合わせることでより高い効果が期待できます。当院で対応しています。
第3段階:生物学的製剤
第2段階でも改善が不十分な重症・難治性の乾癬には、特定のサイトカインをピンポイントで抑える注射薬(生物学的製剤)が検討されます。専門医療機関での管理が必要なため、適切な医療機関をご紹介します。
まずは第1段階から:多くの乾癬患者さんは第1段階の外用薬+内服薬で症状をコントロールできます。「市販薬では改善しない」という方も、処方薬(ドボベット・オキサロール軟膏)への切り替えで改善するケースが多くあります。まずご来院ください。

オテズラ(アプレミラスト)について

オテズラ(一般名:アプレミラスト)はPDE4阻害薬と呼ばれる内服薬で、乾癬の炎症に関わる細胞内シグナルを抑制して症状を改善します。第1段階の外用薬で効果が不十分な場合に、第2段階の治療として処方します。当院で処方可能です。

✅ オテズラの特徴
  • 飲み薬で手軽に治療できる——1日2回の内服で治療します
  • 免疫を強く抑えすぎない——シクロスポリンのような強い免疫抑制がなく、重篤な感染症のリスクが比較的低い
  • 定期的な血液検査の頻度が少ない——シクロスポリンでは必須の頻回な腎機能チェックが不要
  • 乾癬性関節炎にも適応——皮膚症状に加えて関節炎を伴うケースにも効果が期待できます
  • 保険適用・当院で処方可能
オテズラの注意点
  • 飲み始めの1〜2週間に下痢・吐き気・頭痛が出ることがあります(多くは自然に軽減します)
  • 効果が安定するまで2〜4ヶ月程度かかることがあります
  • 重度の乾癬では効果が不十分なことがあり、その場合は第3段階の生物学的製剤が検討されます

生物学的製剤について(第3段階)

生物学的製剤は乾癬の炎症に関わる特定のサイトカイン(TNF-α・IL-17・IL-23など)をピンポイントでブロックする注射薬です。第1段階・第2段階で効果が不十分な重症・難治性の乾癬に使用されます。

生物学的製剤の主な種類
TNF-α阻害薬
インフリキシマブ(レミケード)・アダリムマブ(ヒュミラ)など。乾癬治療で長い実績があります。
IL-17阻害薬
セクキヌマブ(コセンティクス)・イキセキズマブ(トルツ)・ブロダルマブ(ルミセフ)など。皮膚症状への改善効果が高いとされています。
IL-23阻害薬
グセルクマブ(トレムフィア)・リサンキズマブ(スキリージ)など。投与間隔が長く(数ヶ月に1回)通院負担が少ないのが特徴です。
生物学的製剤は専門的な管理が必要です:感染症スクリーニング・定期的なモニタリングが必要なため、専門医療機関での管理が基本です。当院では生物学的製剤の導入には対応しておりませんが、必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。まずは当院で対応できる第1段階・第2段階(外用薬・オテズラ・エキシマライト)からご相談ください。

エキシマライト治療とは

エキシマライトは308nmの単一波長UVB(中波紫外線)を病変部に照射する光線療法です。日本皮膚科学会の乾癬ガイドラインで推奨されている標準治療の一つです。

エキシマライト
当院で使用しているエキシマライト治療機器。病変部にピンポイントで308nmのUVBを照射します。
✅ エキシマライトの特徴・メリット
  • 病変部にピンポイントで照射——正常皮膚への影響を最小限に抑えながら治療できます
  • 外用薬との組み合わせで相乗効果——ステロイド外用薬や活性型ビタミンD3製剤と組み合わせることでより高い効果が期待できます
  • 保険適用——健康保険が適用されます
  • 頭皮・爪の乾癬にも対応——外用薬が塗りにくい部位への治療としても有効です
  • 副作用が比較的少ない——内服薬と比べて全身的な副作用が少ない
エキシマライトが適しているケース
  • 外用薬だけでは改善が不十分な方
  • 頭皮・爪・関節周囲など外用薬が塗りにくい部位の乾癬
  • 掌蹠膿疱症(手のひら・足裏の乾癬)
  • 白斑・円形脱毛症
治療回数の目安:一般的に週1〜2回の照射を複数回繰り返します。効果の出方は個人差があります。詳しくは診察時にご相談ください。

市販薬で対応できるか

乾癬に対して市販薬で根本的に対応することは難しいです。

  • 市販のステロイド外用薬——市販品はステロイドの強度が限られており、乾癬には弱すぎることが多いです
  • 活性型ビタミンD3製剤——乾癬治療の重要な外用薬ですが、市販では販売されていません(処方薬)
  • 「乾癬に効く」というサプリメント・民間療法——科学的根拠が乏しいものがほとんどです

「市販薬を試しているが改善しない」「繰り返す」場合は皮膚科を受診してください。適切な処方薬とエキシマライト治療の組み合わせで症状のコントロールが期待できます。

乾癬の症状・治療のご相談はお気軽に

エキシマライト治療対応・保険適用・予約不要。

「長年乾癬で悩んでいる」「市販薬では改善しない」方はお気軽にご来院ください。

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よくある質問

乾癬は治りますか?
現時点では完全治癒が難しい疾患ですが、適切な治療で症状を改善・維持しながら生活の質を保つことができます。エキシマライト・外用薬・内服薬などを組み合わせて症状をコントロールしましょう。「治らない」とあきらめず、継続的な治療が重要です。
乾癬はうつりますか?
うつりません。乾癬は感染症ではなく、免疫系の異常による炎症性疾患です。直接触れても他の人にうつることはありません。
乾癬の治療は保険が使えますか?
はい、保険適用です。外用薬・エキシマライト治療・内服薬はすべて健康保険で対応できます(生物学的製剤は条件があります)。当院でのエキシマライト治療も保険適用で受けられます。
乾癬に食事制限は必要ですか?
特定の食品を避ければ治るという科学的根拠はありません。ただし肥満の改善・節酒は乾癬の改善に有効です。バランスの取れた食事と適切な体重管理が基本になります。
エキシマライト治療はどのくらいの頻度で通院が必要ですか?
一般的に週1〜2回の照射が目安です。当院は平日19時まで・土曜17時まで診療しており、駒沢大学駅直結でアクセスが便利です。具体的な治療計画は診察時にご相談ください。
頭皮の乾癬も治療できますか?
はい、対応しています。頭皮乾癬には専用の外用薬(泡状・液状のステロイド・ビタミンD3製剤)とエキシマライト治療が有効です。「フケが多い」「頭皮が赤い」という症状がある場合はご相談ください。

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監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

監修医師よりコメント

乾癬は「完治しない病気」と言われることがありますが、適切な治療で症状を十分にコントロールできます。当院ではエキシマライト治療を行っており、外用薬だけでは改善が不十分だった方にも効果が出るケースがあります。特に頭皮・爪・関節周囲など外用薬が塗りにくい部位の乾癬には、エキシマライトが有効なことが多いです。「長年悩んでいるが改善しない」「市販薬では追いつかない」という方はぜひご相談ください。また乾癬は見た目の問題だけでなく、精神的・社会的な影響も大きい疾患です。症状のコントロールを通じて、生活の質を高めるお手伝いができればと思っています。

本コラムは皮膚科専門医が監修しています。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

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