たむし(体部白癬)|顔・お尻・鼠径部の症状・原因・治し方|駒沢皮膚科クリニック

たむし(体部白癬)|顔・お尻・鼠径部の症状・原因・治し方|駒沢皮膚科クリニック
駒沢皮膚科クリニック|医療コラム

たむし(体部白癬)とは|顔・お尻・鼠径部のかゆみ・原因・治し方を解説

皮膚科専門医 監修 保険診療対応 最終更新:2026年6月
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長

「顔やお尻、足のつけ根が赤く輪のように広がって、強くかゆい」「市販薬を塗っても治らない」——それはたむし(体部白癬)かもしれません。たむしは水虫と同じ白癬菌(カビの一種)が、顔・体・お尻・足のつけ根などの皮膚に感染して起こる病気です。輪状(リング状)に広がるのが特徴で、銭(ぜに)のように見えることから「ぜにたむし」とも呼ばれます。

このページでは、たむし(体部白癬)の原因・症状・できやすい部位・治し方・市販薬の注意点・うつるか・似た皮膚トラブルとの見分け方を皮膚科専門医が解説します。

📌 このページでわかること
  • たむし(体部白癬)とは何か(原因・正体)
  • できやすい部位(顔面・臀部・鼠径部など)と症状
  • 治し方と市販薬の注意点
  • うつるか・再発を防ぐには
  • 湿疹・カンジダなど似た症状との違い

たむし(体部白癬)とは・原因

たむし(体部白癬)は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)が、顔・体・お尻・足のつけ根などの皮膚に感染して起こる病気です。原因菌は水虫(足白癬)と同じ白癬菌で、自分の足の水虫から手や衣類・タオルを介して体の別の場所にうつることがよくあります。ペット(犬・猫)から感染することもあります。

たむしになりやすい条件
  • 蒸れ・高温多湿——白癬菌は汗や湿気を好む。夏や汗をかきやすい人に多い
  • 足や爪に水虫がある——同じ菌が体の別の部位に広がることがある
  • 皮膚どうしが接触する・締めつけ——お尻・足のつけ根など、蒸れて擦れる部位に出やすい
  • スポーツでの接触・道具の共用——柔道・レスリングなどで人から人へうつることがある
  • ペットからの感染——犬・猫が白癬菌を持っていることがある

できやすい部位(顔・お尻・足のつけ根)と症状

たむしの特徴は、境界がはっきりした赤い発疹が輪を描くように広がることです。中心はやや治って見え、周囲が赤く盛り上がって輪(リング状)に見えます。強いかゆみを伴うことが多く、掻くと広がります。

部位別の特徴
  • 顔面のたむし——顔にできると湿疹やかぶれと間違われやすく、市販のステロイドで悪化しやすい部位。輪状の赤みとかゆみが目印
  • 臀部(お尻)のたむし——蒸れて擦れやすく、輪状の赤みが広がる。長時間座る人に多い
  • 鼠径部(足のつけ根・股)のたむし——蒸れやすく好発する部位。この部位にできたものは俗に「いんきんたむし」とも呼ばれます
  • 体幹・腕・脚——どこにでもでき、輪が複数並ぶこともある

見た目の共通点は「輪状・環状に広がる赤み」と「周囲が盛り上がって中心が治って見える」こと。片側から始まり徐々に広がることもあります。

足のつけ根・股のたむし(いんきんたむし)

たむしの中でも、足のつけ根や股(鼠径部)にできるものは、俗に「いんきんたむし」と呼ばれます。医学的には股部白癬(こぶはくせん)といい、原因は体部白癬と同じ白癬菌です。この部位は下着で締めつけられて蒸れやすく、白癬菌が好む環境のため再発を繰り返しやすいのが特徴です。

  • 強いかゆみと輪状の赤み——太ももの内側に向かって広がる。境界がはっきりしている
  • 男性に多いが女性もなる——以前は男性の病気とされたが、女性の発症も珍しくない
  • 市販薬で隠そうとして悪化しやすい——デリケートな部位ゆえに受診をためらい、ステロイド入りのかゆみ止めで悪化させてしまうことが多い
  • 足の水虫が原因のことが多い——自分の足の水虫から下着や手を介してうつる。足も一緒に治すことが再発予防の鍵

治し方は体部白癬と同じく抗真菌薬の塗り薬が基本です。顕微鏡検査で白癬菌を確認できれば、自己判断で市販薬を塗り続ける必要がなくなります。デリケートな部位ですが、皮膚科では日常的に診ている疾患ですので、市販薬で悩む前にご相談ください。

湿疹・カンジダ・あせもとの違い

たむしによる赤み・かゆみは、湿疹やかぶれなど別の原因とよく似ています。見た目が似ていて自己判断が難しいため、間違った市販薬で悪化させてしまうことがあります。

症状特徴たむしとの違い
たむし(体部白癬)白癬菌(カビ)。境界が明瞭な輪状の赤み・強いかゆみ
湿疹・かぶれ(接触皮膚炎)刺激やアレルギーによる炎症。境界が不明瞭で輪にならないカビではないため抗真菌薬は効かない。原因が違う
あせも(汗疹)汗のつまりによる小さなブツブツ。広範囲輪状に広がらない。カビではない
カンジダ(皮膚カンジダ症)カンジダという別のカビ。じめじめした部位・しわの奥に出やすい同じ真菌でも菌の種類が違い、使う薬が異なる場合がある
市販のステロイド入りかゆみ止めに注意:たむしに市販のステロイド軟膏を塗ると、一時的にかゆみは引いても、カビの場合はかえって菌が広がり悪化することがあります(これを「異型白癬」と呼びます)。特に顔は湿疹と間違えてステロイドを塗りがちな部位なので注意が必要です。自己判断でのステロイド使用は避けてください。

皮膚科の検査(顕微鏡検査)

たむしか、それとも湿疹・かぶれ・カンジダなど別の原因か——これは見た目だけでは正確に判断できません。皮膚科では、その場でできる検査で原因を確かめられます。

💡 皮膚科を受診する最大のメリット——原因を検査で特定できる

皮膚科では、患部の皮膚をごく少量採取して顕微鏡で観察する真菌検査(直接鏡検)ができます。白癬菌(カビ)がいるかどうかを確認でき、たむしか別の病気かを見極められます。当院は水虫など白癬の検査・診療に対応しており、来院当日に検査・診断が可能です。原因が分かれば、抗真菌薬か別の治療かを正しく選べるため、「効かない薬を塗り続ける」遠回りを避けられます。

治し方・市販薬の注意点

たむし(体部白癬)は抗真菌薬(塗り薬)で治療します。白癬菌に効く外用抗真菌薬を、医師の指示のもと十分な期間塗ることが大切です。

  • 基本は外用抗真菌薬——保険適用。1日1回など指示に従って塗布
  • 症状が消えても塗り続ける——見た目が治っても菌は残っているため、自己判断でやめると再発しやすい
  • 範囲が広い・顔や毛のある部位・繰り返す場合——内服抗真菌薬を検討することがある
⚠️ 市販薬の注意点
  • 市販の抗真菌薬で対応できる場合もあるが、まず「本当にたむし(白癬)か」の見極めが重要
  • ステロイド入りのかゆみ止めは避ける——カビの場合は悪化させることがある
  • 2週間ほど使っても改善しない・広がる場合は受診——別の病気の可能性や、菌に合っていない可能性
  • 顔は特に自己判断が難しい——湿疹と間違えてステロイドを塗り悪化、というケースが多い
皮膚科専門医の臨床メモ
「湿疹と思ってステロイドを塗って広がった」が多い

たむしで多いのが、「顔や体の湿疹だと思ってステロイドの塗り薬を使ったら、かえって広がってしまった」というケースです。ステロイドは一時的にかゆみを抑えますが、カビにはむしろ増殖を許してしまい、見た目も変化して診断が難しくなります(異型白癬)。

たむしは、足の水虫や爪水虫を持っている方が、そこから体の別の部位に自分でうつしているケースも少なくありません。体だけ治しても足や爪に菌が残っていれば再発します。診察では足や爪も併せて確認します。市販薬で悩み続ける前に、検査で原因を確かめれば、必要な薬がはっきりします。

うつる?再発を防ぐには

たむしは白癬菌による感染症なので、人にうつる可能性があります。タオルの共用や、自分の足(水虫)から体の別の部位へ広がることもあります。スポーツでの接触やペットから感染することもあります。

再発・感染を防ぐポイント
  • 足や爪の水虫も一緒に治す——菌の供給源を断つ
  • 通気性のよい衣類を選ぶ——蒸れを防ぐ
  • 汗をかいたら早めに着替える・清潔に保つ
  • タオル・バスマットを共用しない——家族間の感染を防ぐ
  • 症状が消えても指示された期間は薬を続ける

顔・体・お尻のかゆい発疹、市販薬で悩む前にご相談を

予約不要・保険診療対応。顕微鏡検査で当日に原因を確認できます。

「市販薬で治らない」「湿疹かカビか分からない」「輪状に広がってきた」方もお気軽にご来院ください。

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よくある質問

たむしと水虫は同じ菌ですか?
はい、同じ白癬菌(カビの一種)が原因です。できる部位が違うだけで、足にできれば水虫(足白癬)、顔や体・お尻にできればたむし(体部白癬)と呼びます。自分の足の水虫から体の別の部位にうつることもあります。
たむしは顔にもできますか?
できます。顔のたむしは湿疹やかぶれと間違われやすく、市販のステロイドを塗って悪化させてしまうことが多い部位です。輪状の赤みとかゆみがある場合は、自己判断せず皮膚科で検査を受けるのが確実です。
いんきんたむし(股のたむし)は女性もなりますか?
なります。足のつけ根や股にできるたむしは俗にいんきんたむしと呼ばれ、以前は男性に多いとされましたが、女性の発症も珍しくありません。蒸れやすい下着や生活習慣が関係します。デリケートな部位ですが、皮膚科では日常的に診療している疾患です。原因は体部白癬と同じ白癬菌で、治療も抗真菌薬で同じです。
たむしは市販薬で治せますか?
市販の抗真菌薬で対応できる場合もありますが、まず「本当にたむし(白癬)か」を見極めることが重要です。湿疹やカンジダなど別の原因のこともあり、特にステロイド入りのかゆみ止めはカビの場合に悪化させることがあります。2週間ほど使っても改善しない・広がる場合は皮膚科を受診してください。
たむしはうつりますか?
白癬菌による感染症なので、タオルの共用などでうつる可能性があります。自分の足の水虫から体の別の部位へ広がるほか、スポーツでの接触やペットから感染することもあります。タオル・バスマットの共用を避け、足や爪の水虫も一緒に治すことが大切です。
湿疹やあせもとの違いは何ですか?
たむしは白癬菌(カビ)が原因で、境界がはっきりした輪状の赤みが特徴です。湿疹・かぶれは刺激やアレルギーによる炎症、あせもは汗のつまりで、いずれもカビではありません。見た目が似ていて自己判断が難しいため、顕微鏡検査で確認するのが確実です。
何科に行けばいいですか?
皮膚科を受診してください。当院は予約不要で、顕微鏡検査により白癬菌の有無を当日確認し、たむしか別の病気かを見極めた上で治療します。安心してご相談ください。
監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

監修医師よりコメント

たむし(体部白癬)は、顔や体の湿疹だと思って市販のステロイドを塗り、かえって広げてしまってから来院される方が多い疾患です。たむしは足の水虫や爪水虫から自分でうつしているケースも多く、体だけ治しても足や爪に菌が残れば再発します。皮膚科では顕微鏡検査でその場で原因を確認できますので、市販薬で悩み続ける前にご相談ください。輪状に広がるかゆい発疹は、たむしのサインかもしれません。

本コラムは皮膚科専門医が監修しています。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

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