イソトレチノイン(重症ニキビ内服)の効果・副作用・費用を解説|駒沢皮膚科クリニック

イソトレチノイン(重症ニキビ内服)の効果・副作用・費用を解説|駒沢皮膚科クリニック
皮膚科専門医 監修コラム
最終更新:2026年6月

イソトレチノイン(重症ニキビの内服治療)とは|効果・副作用・費用・処方の流れを解説

皮膚科専門医 監修 自費診療 駒沢大学駅直結
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長

「保険のニキビ治療を続けても治らない」「ニキビを繰り返して跡が増えていく」——そうした重症・難治性のニキビに対する選択肢の一つが、イソトレチノインの内服治療です。ビタミンA誘導体の一種で、皮脂の分泌を抑えることでニキビの根本に働きかける治療として、世界的に重症ニキビに用いられてきました。

一方で、強い効果が期待できる薬であるぶん、注意すべき副作用や、守らなければならない注意事項があります。このページでは、イソトレチノインの効果・副作用・費用・処方の流れ・注意点を、皮膚科専門医が正確に解説します。

⚠️ 未承認医薬品に関する重要なお知らせ(必ずお読みください)
1. 未承認医薬品であること
イソトレチノインの内服薬は、日本国内では医薬品として承認されていません。当院では医師の判断のもとで取り扱う自由診療(自費)となります。
2. 入手経路
医師が個人輸入の手続きにより入手したものを用います。個人輸入された医薬品については、医薬品医療機器総合機構(PMDA)による健康被害救済制度の対象外となります。
3. 国内で承認された同種・同効の医薬品
重症ニキビに対しては、国内承認された外用薬(アダパレン・過酸化ベンゾイル等)や内服抗菌薬による保険治療があります。まずはこれらの治療が基本となります。
4. 諸外国における安全性等の情報
欧米等では重症ニキビの治療薬として広く使用されていますが、催奇形性(胎児への重篤な影響)をはじめとする副作用が知られており、各国で厳格な管理のもとで使用されています。

イソトレチノインとは

イソトレチノインはビタミンA誘導体(レチノイド)の一種で、重症・難治性のニキビに用いられる内服薬です。海外では「アキュテイン」「ロアキュタン」などの製品名で知られています。皮脂腺に直接働きかけて皮脂の分泌を抑えるのが大きな特徴で、ニキビのできにくい状態を目指す治療です。

前述の通り、日本国内では未承認の薬であり、当院では自費診療として、適応や注意点を十分にご説明したうえで取り扱っています。まずは保険診療の外用薬・内服薬が基本であり、それでも改善が乏しい重症のケースで検討される治療です。

期待される効果

イソトレチノインは、ニキビができるしくみの複数の段階に働きかけるとされています。

  • 皮脂の分泌を抑える——皮脂腺を小さくし、皮脂の過剰な分泌を抑えます
  • 毛穴のつまりを改善——角化異常を整え、毛穴がつまりにくい状態を目指します
  • 炎症を抑える——ニキビの炎症を鎮める働きがあります
  • アクネ菌の増殖を抑える——皮脂が減ることで原因菌の増殖が抑えられます
  • 治療後も状態が保たれやすい——一定期間の治療後、効果が持続しやすいと報告されています

※効果の現れ方・程度には個人差があります。すべての方に同じ効果を保証するものではありません。

こんな方に検討されます

  • 保険の外用薬・内服薬を続けても改善が乏しい重症のニキビ
  • 炎症の強いニキビを繰り返している
  • ニキビ跡が残りやすく、これ以上跡を増やしたくない

逆に、軽症のニキビや、まだ保険治療を試していない場合は、まず保険診療の塗り薬・飲み薬から始めることをおすすめします。イソトレチノインは副作用や注意事項が多い治療のため、必要性を慎重に判断します。

副作用について

イソトレチノインは効果が期待できる一方で、副作用が現れることがあります。多くは保湿剤や点眼薬などで対応できますが、内容を理解したうえで治療を受けることが大切です。

💡 副作用は「管理しながら付き合える」ものが多くあります

副作用と聞くと不安に感じるかもしれませんが、よくみられる乾燥などの症状は保湿剤・点眼薬・リップクリームなどで対応できるものが大半です。当院では毎月の診察と定期的な血液検査で状態を確認しながら進めるため、変化があれば早めに対応できます。「正しく知って、管理しながら使う」ことが、安心して治療を続けるポイントです。

よくみられる副作用
  • 唇の乾燥——最も多い。リップクリームでの保湿が必要
  • 皮膚の乾燥・かゆみ——保湿剤で対応します
  • 鼻の粘膜の乾燥・鼻血
  • 目の乾燥——点眼薬で対応します
注意が必要な副作用・変化
  • 気分の変化——気分の落ち込み・不安感などがみられた場合は、すぐにご相談ください
  • 肝機能・脂質値の変化——血液検査で定期的に確認します
  • 一時的な抜け毛——薬剤性の休止期脱毛により、一時的に抜け毛が増えることがあります
  • 一時的な毛穴のつまり・ニキビの悪化——治療初期に一時的にみられることがあります
  • 皮膚が乾燥しやすくなる——服用中はレーザー治療・レーザー脱毛は、やけど・色素沈着のリスクがあるため控えます

初期悪化(好転反応)について

イソトレチノインの服用を始めた方からよく聞かれるのが、「飲み始めたらニキビが悪化した」というお悩みです。これは初期悪化(好転反応)と呼ばれ、治療初期に一時的にニキビが悪くなることがある現象です。「悪化=薬が合わない」と思って自己判断でやめてしまう方がいますが、その多くは治療の経過の一部です。

初期悪化が起こるしくみ

イソトレチノインが皮脂腺に作用して皮脂の分泌が減る過程で、毛穴の中の炎症が一時的に活発になることがあります。これにより、治療初期にニキビが増えたように見えることがあります。多くは一時的なもので、その後に効果が現れ始めます。

初期悪化への対応
  • 低用量(10mg)からの開始——初期悪化を起こしにくくするため、少ない用量から始める方法があります
  • 自己判断で中断しない——悪化が治療経過の一部であることも多いため、気になる変化は自己判断でやめず、医師にご相談ください
  • 症状に応じた調整——悪化が強い場合は、用量の調整などで対応します

※初期悪化の有無・程度には個人差があります。すべての方に起こるわけではありません。

服用できない方・併用に注意が必要な薬

🚫 服用できない方
  • 妊娠中・妊娠を希望している方・授乳中の方——胎児に重篤な影響(催奇形性)が出ることがあり、絶対に服用できません
  • 女性は15歳未満、男性は18歳未満の方
  • 成長期で身長が伸びている方
  • うつ病のある方、肝障害のある方
  • 中性脂肪・コレステロール値が高い方
  • テトラサイクリン系の抗生物質、ビタミンA製剤、フェニトイン、ステロイドを服用している方
妊娠に関する重要な注意:イソトレチノインは胎児に重篤な影響を与えるため、女性は服用中および中止後の一定期間、確実な避妊が必要です。妊娠の可能性がある方は必ず事前にご相談ください。避妊期間など詳細は診察時に医師がご説明します。

これらの項目に該当するかどうかは、診察と問診で確認します。「自分は使えるのか分からない」という段階でも、まずはご相談ください。該当しない場合は、適応や進め方を含めて医師がご説明します。

治療の流れ・血液検査

イソトレチノインは慎重な管理のもとで行う治療です。当院では次の流れで進めます。

1
診察・適応の判断

これまでのニキビ治療の経過を伺い、イソトレチノインが適しているか、注意事項に該当しないかを確認します。

2
服用前の血液検査

肝機能・脂質などを確認するため、服用開始前に血液検査を行います。

3
服用開始・毎月の診察

用量を決めて服用を開始します。副作用の有無や効果を確認するため、毎月の診察を必ず受けていただきます。

4
服用後の血液検査(1か月目・3か月目)

服用後1か月目・3か月目に血液検査を行い、肝機能や脂質の値に変化がないかを確認します。

服用開始前・服用後1か月目・3か月目に血液検査(自費 5,000円)が必要です。安全に治療を進めるため、毎月の診察と定期検査は必ず受けていただきます。

総投与量(累積投与量)という考え方

イソトレチノイン治療を本格的に検討されている方が知っておきたいのが、総投与量(累積投与量・積算量)という考え方です。これは「治療期間を通じて服用した薬の合計量」を、体重1kgあたりで表したものです。

研究では、体重1kgあたりの累積投与量が120〜150mg/kgに達すると、ニキビの再発率が下がると報告されています。逆に、症状が良くなったからと早く中断して累積量が不足すると、再発しやすくなることが知られています。「目に見えるニキビが消えたら終わり」ではなく、再発を防ぐために必要な量まで続けることが大切という考え方です。

なぜ途中でやめないことが大切か
  • ニキビが見た目に減っても、累積投与量が不足していると再発しやすい
  • 必要量まで続けることで、治療後の良い状態が保たれやすくなる
  • 当院では体重・重症度をもとに、目安となる投与量と期間をご説明します
ただし「数字がすべて」ではありません:近年は「120〜150mg/kgという数字に固執せず、ニキビの状態が落ち着くまで治療する」という考え方も示されています。軽症〜中等症ではより少ない量でも、維持療法と組み合わせて良好な経過が得られたという報告もあります。累積投与量はあくまで目安であり、重症度・治療への反応・副作用の状況をみながら、一人ひとりに合わせて医師が調整します。自己判断で増減せず、医師と相談しながら進めましょう。

費用

イソトレチノインは自費診療です。当院の費用は以下の通りです。

重症ニキビに対する内服治療 10mg(1箱)8,000円(税込)
重症ニキビに対する内服治療 20mg(1箱)12,000円(税込)
血液検査(服用前・1か月目・3か月目)各 5,000円(税込)

※別途、診察料がかかります。用量・服用期間は症状により異なります。詳しくは診察時にご案内します。

辞めた後・再発について

イソトレチノインは、一定期間の治療を終えたあとも効果が持続しやすいことが報告されています。ただし、体質やニキビの状態によっては、治療終了後に再びニキビができることもあります。その場合は、保険診療の外用薬での維持や、状態に応じた治療を継続します。

「辞めたら皮脂がすぐ戻るのでは」と心配される方もいますが、治療によって皮脂腺の状態が変化するため、必ずしも元通りになるわけではありません。経過には個人差があるため、辞めるタイミングや辞めた後のケアも含めて、医師と相談しながら進めることが大切です。

個人輸入・通販の危険性

イソトレチノイン(アキュテイン等)は、インターネットの通販サイトや個人輸入代行で「市販」「通販」として入手できるように見えることがあります。しかし、医師の管理なしに個人輸入で入手・服用することは非常に危険です。

  • 催奇形性のリスク管理ができない——妊娠への重大なリスクを、自己判断では適切に管理できません
  • 副作用の管理・血液検査ができない——肝機能・脂質の変化や気分の変化を見逃す危険があります
  • 偽造品・品質不良のリスク——個人輸入品は品質が保証されません
  • 健康被害救済制度の対象外——万一の健康被害でも公的救済を受けられません

強い効果が期待できる薬だからこそ、必ず医師の診察・管理のもとで使用してください。当院では、適応の判断から血液検査・経過観察までを行い、安全に配慮しながら治療を進めます。

皮膚科専門医の臨床メモ
「強い薬」だからこそ、正しく怖がって正しく使う

イソトレチノインは「怖い薬」というイメージで検索される方が多い治療です。確かに催奇形性をはじめ注意すべき副作用があり、決して気軽に飲める薬ではありません。しかし、適応を正しく見極め、血液検査と毎月の診察で管理しながら使えば、重症ニキビに悩む方にとって有力な選択肢になりえます。

一番避けたいのは、通販や個人輸入で安易に手を出してしまうことです。妊娠のリスク管理も副作用のチェックもないまま服用するのは大変危険です。当院ではまず保険診療をしっかり行い、それでも難しい重症のケースで、十分な説明と管理のもとにイソトレチノインをご提案しています。「怖いから避ける」でも「通販で気軽に」でもなく、正しく知って医師と一緒に判断していただきたいと思います。

重症・繰り返すニキビでお悩みの方へ

まずは保険診療から。難治性のニキビは選択肢をご提案します。

「保険の治療で治らない」「ニキビ跡を増やしたくない」方は、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

イソトレチノインは保険適用ですか?
いいえ。イソトレチノインは日本国内では未承認の医薬品で、自費診療となります。重症ニキビでも、まずは保険適用の外用薬・内服薬による治療が基本です。それでも改善が乏しい場合の選択肢としてご提案します。
イソトレチノインは怖い薬ですか?
注意すべき副作用があるのは事実です。特に妊娠中は胎児に重篤な影響があるため服用できません。一方で、適応を正しく判断し、血液検査と毎月の診察で管理しながら使えば、重症ニキビへの有力な選択肢になりえます。医師の管理のもとで使うことが大切です。
通販や個人輸入で買っても大丈夫ですか?
おすすめできません。医師の管理なしでは、妊娠への重大なリスクや副作用を適切に管理できず、偽造品の危険や健康被害救済制度の対象外といった問題もあります。強い効果が期待できる薬だからこそ、必ず医師の診察・管理のもとで使用してください。
費用はいくらですか?
当院では10mg 1箱8,000円、20mg 1箱12,000円(いずれも税込)です。加えて服用前・1か月目・3か月目に血液検査(各5,000円)が必要で、別途診察料がかかります。用量・期間は症状により異なります。
辞めた後にニキビは再発しますか?
治療後も効果が持続しやすいとされていますが、体質やニキビの状態によっては治療終了後に再びニキビができることもあります。その場合は保険診療の外用薬での維持などを行います。経過には個人差があるため、医師と相談しながら進めます。
飲み始めたらニキビが悪化しました。やめるべきですか?
治療初期に一時的にニキビが悪化する「初期悪化(好転反応)」がみられることがあります。薬が皮脂腺に作用する過程で起こるもので、多くは経過の一部です。自己判断でやめず、まず医師にご相談ください。初期悪化を起こしにくくするため、低用量から始める方法もあります。
妊娠を希望していますが服用できますか?
服用できません。イソトレチノインは胎児に重篤な影響(催奇形性)があるため、妊娠中・妊娠を希望している方・授乳中の方は服用できません。女性は服用中および中止後の一定期間、確実な避妊が必要です。詳しくは診察時にご説明します。
監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科入局
  • 同附属病院 救急科麻酔部にて全身管理を習得(研修医時代)
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 山梨医科大学附属病院 皮膚科 医局長 歴任
  • 2003年 駒沢皮膚科クリニック 開業(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

研究業績
  • がん研究会がん研究所 生化学部 国内留学(皮膚がん発生メカニズム研究)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 留学(国際共同研究)
  • 平成13〜14年度 文部科学省科学研究費助成(研究代表)
  • 研究テーマ:血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討

監修医師より

イソトレチノインは「怖い薬」と検索される一方で、通販で安易に入手しようとする方も見られ、正しい情報が届きにくい治療です。確かに注意すべき副作用があり、特に妊娠への影響は絶対に避けなければなりません。しかし、適応を見極めて血液検査と毎月の診察で管理すれば、重症ニキビに悩む方にとって有力な選択肢になりえます。当院ではまず保険診療を尽くし、それでも難しいケースに、十分な説明と管理のもとでご提案しています。正しく知って、医師と一緒に判断していただきたいと思います。

本コラムは医師の専門的見解を記したものです。イソトレチノインは国内未承認の医薬品で、自費診療です。記載の効果・副作用には個人差があり、効果を保証するものではありません。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。比較・効果の保証・患者体験は含みません。(医療広告ガイドライン準拠)

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