結節性痒疹とは|硬いブツブツとかゆみが長く続くときは
結節性痒疹とは|
硬いブツブツとかゆみが長く続くときは
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科(医師紹介)
- 結節性痒疹は、腕・すね・背中に硬い赤茶色のしこり状のブツブツが多発し、強いかゆみが何か月も続く病気。免疫・神経の変化に掻く刺激が加わって固まっていきます
- きっかけは虫刺され・乾燥・アトピー性皮膚炎など。糖尿病・腎臓・肝臓・甲状腺の病気が背景にあることもあり、長引く場合は血液検査を検討します
- 外用・内服で十分に改善しない・眠れない場合は、治療歴を持ってご相談を。生物学的製剤(注射)を含む選択肢を、薬ごとの適応に沿って検討します
「腕やすねに硬いブツブツがたくさんできて、かゆくてたまらない」「虫刺されだと思っていたのに、何か月たっても消えない」「市販のかゆみ止めも、もらった塗り薬も効かない」——こうした経過は結節性痒疹(けっせつせいようしん)によく見られます。
結節性痒疹は「掻くことで皮膚が硬くなり、硬くなった皮膚がさらにかゆい」という悪循環で固まっていく病気で、ふつうの湿疹の治療では歯が立たないことが多く、長年悩んでいる方が少なくありません。一方で、ここ数年で治療の選択肢が増えた病気でもあります。この記事では、結節性痒疹の原因と見た目、虫刺され・疥癬との違い、段階的な治療とどの段階で相談すべきか、受診の目安を皮膚科専門医が解説します。
結節性痒疹とは|硬いブツブツと強いかゆみ
結節性痒疹は、直径数mm〜1cmほどの硬く盛り上がった赤茶色〜黒っぽいしこり(結節)が、腕の外側・すね・太もも・背中・お尻などに多発する病気です。手が届きにくい背中の中央には出にくく、掻ける場所に出るのが特徴です。
- 硬い——指で触ると、皮膚の中にしこりがあるように硬い。表面はカサカサ、または掻き壊してかさぶたや傷になっている
- 強いかゆみ——発作的に耐えがたいかゆみが来て、血が出るまで掻いてしまう。夜間に悪化
- 数か月〜数年続く——一つひとつの結節が自然に消えにくく、治った後も黒ずみや白い跡が残る
- 左右対称——両腕・両すねに同じように出ることが多い
中高年に多い病気ですが、アトピー性皮膚炎のある若い方にも起こります。かゆみで眠れない・集中できないなど、生活への影響が大きい病気です。
結節性痒疹の原因|免疫・神経と掻く刺激の循環、背景にある病気
結節性痒疹では、皮膚の免疫と神経の働きが変化してかゆみを感じやすくなり、そこに掻く刺激が加わることで結節が硬くなり、さらにかゆくなるという循環が続きます。掻くのを我慢できないことだけが原因ではなく、最初のきっかけがなくなっても免疫・神経の変化が残るため、症状が長引きます。
| きっかけ・背景 | 説明 |
|---|---|
| 虫刺され | 刺された跡が治らず硬くなり、掻いて広がる。小児〜若い方に多いパターン(虫刺されのコラム) |
| アトピー性皮膚炎 | かゆみを感じやすい体質に掻破が重なる。アトピー性皮膚炎などを背景に持つ方もいますが、なくても起こります(アトピー性皮膚炎の診療案内) |
| 乾燥 | 高齢の方では、乾燥によるかゆみから掻き始めて結節化する |
| 内科の病気 | 糖尿病、慢性腎臓病、肝臓の病気、甲状腺の病気、鉄欠乏、まれに血液の病気。全身のかゆみの原因としても重要です(皮膚掻痒症のコラム) |
| 心理的な要因 | ストレス・不眠がかゆみと掻破を強める。ただし「ストレスのせい」と片づけず、ほかの原因を調べたうえで考えます |
初診時や長引く場合は、背景の病気を調べるために血液検査(血算・肝腎機能・甲状腺・血糖・鉄)を検討します。原因の病気があれば、その治療が結節性痒疹の改善にもつながります。
虫刺され・疥癬・湿疹との違い
「硬いブツブツ」で受診される方の中には、別の病気のことがあります。下の表は診察で参考にする特徴で、この表だけで診断はできません。
| 病気 | 参考にする特徴 |
|---|---|
| 虫刺され(持続反応) | 刺されたことに気づかない場合もあります。露出部に数個出て、多くは数週間で消えますが、長引いて硬くなり結節性痒疹に移行することもあり、見た目や経過だけでは区別できない場合があります |
| 疥癬 | 夜に強いかゆみ、指の間・手首・陰部のぶつぶつ、家族にも同じ症状。結節性痒疹と見た目が似ることがあり、顕微鏡でダニを調べます。疥癬のコラム |
| 貨幣状湿疹 | コイン状のじゅくじゅくした湿疹。硬いしこりにはなりにくい。貨幣状湿疹のコラム |
| 皮膚掻痒症 | 発疹がなくかゆみだけ。掻き傷はあるが結節はない。皮膚掻痒症のコラム |
| その他 | 扁平苔癬、毛包炎、まれに皮膚リンパ腫など。経過が合わない場合は皮膚生検(組織検査)で確認することがあります |
治療|外用・内服から注射まで段階的に
治療の目標は、かゆみの悪循環を断ち切り、結節を平らにすることです。一般的な湿疹より強い治療が必要で、効果が出るまで数週間〜数か月かかります(保険診療)。
- 強めのステロイド外用薬——結節は皮膚が厚いため、結節の状態に応じた強さの外用薬を選び、量と期間を説明します。密封療法や薬剤を含むテープを使う場合は、医師が方法と期間を指定します。自己判断で強い薬をラップで覆わないでください
- 保湿と皮膚バリアの回復——乾燥がかゆみの引き金になるため、全身の保湿を併用します
- 抗ヒスタミン薬・かゆみを抑える内服——夜のかゆみと掻破を減らす目的で使います。効きにくい場合は神経の過敏を抑える内服薬を検討します
- 結節への局所治療——ステロイドの局所注射や液体窒素による冷凍凝固など。数が限られる場合に有効なことがあります。実施の可否は診察でご案内します
- 紫外線療法——範囲が広い場合に検討します。実施の可否・適応は診察でご案内し、当院で対応できない場合は専門施設をご紹介します
- 生物学的製剤(注射)——上記で効果が不十分な場合の選択肢です。詳しくは次の項をご覧ください
※薬の種類・使用期間は診察のうえ決めます。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します。背景に内科の病気があれば、その治療を並行します。
どの段階で注射(生物学的製剤)を相談するか
結節性痒疹は、ここ数年でかゆみの経路を抑える生物学的製剤(デュピクセント〔デュピルマブ〕、ミチーガ〔ネモリズマブ〕)が保険適用となり、既存治療で改善しなかった方の選択肢が増えました。薬によって対象年齢や適応条件が異なります。注射治療が適するかは診察で検討し、当院で対応できない場合は治療を行う医療機関をご案内します。
- これまでの外用薬・内服で十分に改善しない(使った薬・量・期間・塗り方と重症度を確認して判断します)
- かゆみで眠れない・仕事や学業に支障がある状態が続いている
- 範囲が広く、外用薬を塗りきれない
デュピクセントについてはデュピクセントの診療案内(アトピー性皮膚炎を中心に適応・費用を解説)と効果についてのコラムもご覧ください。結節性痒疹での適応条件・費用は薬ごとに異なるため、本記事では「どの段階で相談するか」までをお伝えし、個別の適応は診察で判断します。
日常の対策|掻かない工夫
- 爪を短く切り、夜は綿の手袋や長袖——無意識に掻くのを防ぎます
- 掻きたいときは冷やす——保冷剤をタオルで包んで当てる。掻くとかゆみが増すことを意識する
- 入浴はぬるめ・短時間——熱い湯とナイロンタオルはかゆみを強めます。入浴後すぐに保湿
- 結節を保護する——絆創膏や包帯で覆うと、掻けなくなるうえ外用薬の効果も上がります
- 睡眠を整える——寝不足はかゆみの感じ方を強めます。かゆみで眠れない場合は我慢せず内服を相談
受診の目安・急ぐ症状
- 硬いブツブツが1か月以上消えず、かゆみが続く
- 虫刺されだと思っていたものが増えてきた、硬くなってきた
- 市販薬や以前もらった塗り薬で改善しない
- かゆみで眠れない、掻き壊して血が出る
受診時は、これまで使った薬(名前・期間)、糖尿病・腎臓・肝臓・甲状腺の持病、健康診断の結果があると診察がスムーズです。
- 掻き壊した部分が赤く腫れて熱をもつ、膿が出る、発熱——細菌感染(とびひ・蜂窩織炎)の合併
- 家族にも同じようなかゆみ・ぶつぶつ——疥癬の可能性。来院前にお電話ください
- 理由のない体重減少・発熱・寝汗・リンパ節の腫れを伴う——背景の病気の確認が必要
当院の保険診療は初診予約不要です。「もう治らないと言われた」という方も、治療の選択肢が増えています。診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。
長年の硬いブツブツ、あきらめる前にご相談ください
初診は予約不要・保険診療
虫刺され・疥癬との見分け、背景の病気の確認、外用・内服から注射までの段階的な治療をご案内します。これまでの治療歴をお聞かせください。
TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。検査や処置の内容によっては、別日の実施や専門施設へのご紹介が必要な場合があります。
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
よくある質問
関連ページ
参考資料
- DermNet NZ(ニュージーランドの皮膚科専門医が運営する医療情報サイト):Nodular prurigo——結節性痒疹の臨床像、関連する基礎疾患、鑑別、段階的治療
- American Academy of Dermatology:Prurigo nodularis——掻破の悪循環、好発部位、治療の選択肢と生活上の対策
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
- 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
- がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
- 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
- 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
- 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)
結節性痒疹は、何年も「虫刺され」「湿疹」として弱い薬を塗り続け、あきらめてしまっている方が多い病気です。皮膚が厚くなっているため、外用薬だけでは十分な効果が得られない場合があります。強めの外用を正しい量で使い、背景に糖尿病や腎臓の病気がないかを調べ、それでも効かなければ注射という選択肢がある——この数年で治療は大きく変わりました。掻き壊しの跡を増やす前に、治療歴を持ってお気軽にご来院ください。
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【美容施術時間】
▲=土曜午後/14:00〜17:00
