老人性血管腫(ルビースポット)とは|赤いほくろの見分け方

皮膚科専門医 監修コラム

老人性血管腫(ルビースポット)とは|
赤いほくろの見分け方

専門医監修 保険診療対応 駒沢皮膚科クリニック|駒沢大学駅直結
公開日:2027年1月27日 / 最終更新日:2027年1月27日
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
監修:清水 顕(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/医学博士) 医療法人社団 誠清会 駒沢皮膚科クリニック 院長
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科(医師紹介)
この記事の結論
  • 体にできる直径1〜5mmの鮮やかな赤い点・小さな盛り上がりは、多くが老人性血管腫(ルビースポット)です。皮膚の浅い血管が増えた良性のできもので、がんにならず治療も不要です
  • 30〜40代から増え始め、年齢とともに数が増えるのが自然な経過で、メラニンのほくろとは別物です。ただし短期間に急に増えた場合は一度診察で確認してください
  • ただし、急に大きくなる・出血を繰り返す・黒く変色した・形が左右非対称な赤黒いできものは別の病気のことがあり、ダーモスコピーでの確認が必要です

「お腹や背中に赤い点がいくつもある」「胸に赤いほくろができて、年々増えている気がする」「赤いほくろが急に増えたのは病気のサイン?」「赤いできものを引っかいたら血が出た」——こうしたご相談の多くは、老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)です。ルビースポット、チェリーアンギオーマとも呼ばれ、皮膚の浅いところの毛細血管が増えてできる、ごくありふれた良性のできものです。

老人性血管腫そのものは治療の必要がありませんが、「赤い・赤黒いできもの」の中には、見た目が似ていて対応の違う病気が混ざることがあります。この記事では、老人性血管腫の見た目と増える原因、似ているできものとの違い、受診したほうがよい赤いできもの、取りたい場合の治療を皮膚科専門医が解説します。

老人性血管腫(ルビースポット)とは|体にできる小さな赤いほくろ

老人性血管腫は、皮膚の浅い層(真皮の上部)で毛細血管が増えて小さな塊になったできものです。「老人性」とつきますが、30〜40代から出始める方が多く、高齢者だけのものではありません。

見た目鮮やかな赤〜赤紫色の丸い点、またはドーム状の小さな盛り上がり。表面はなめらかでつやがある。大きさは1〜5mm程度(まれに1cm近く)
場所胸・お腹・背中・腕に多い。顔・首にもできる。手のひら・足の裏・粘膜にはまれ
数1個のこともあれば、体幹に数十個散らばることもある。年齢とともに増える
症状痛み・かゆみはない。引っかくと出血することがあるが、押さえれば止まる
経過自然に消えることはなく、ゆっくり数が増える。がんになることはない

「ルビースポット」という呼び方は、しみ治療に使う「ルビーレーザー」と名前が似ていますが、関係はありません。老人性血管腫にルビーレーザーを使うわけではなく、取る場合は血管や組織に働く別の方法を使います(治療の章)。

赤いほくろの原因|年齢とともに増える、急に増えたときの考え方

老人性血管腫ができる原因は、はっきり分かっていません。年齢とともに増えることから加齢による血管の変化と考えられており、血管の細胞に特定の遺伝子の変化が見つかったという報告もあります。うつる病気ではなく、生活習慣が原因とは考えられていません。

  • 年齢——30〜40代から増え始め、年齢とともに増える。75歳以上では4人に3人程度にみられる
  • 体質・家族——家族に多い方は自分も多い傾向がある
  • 紫外線——体幹(服で隠れる部位)に多いため、紫外線が主な原因とは考えられていない
  • 妊娠——妊娠中に増えることがあり、ホルモンの影響が考えられている
「赤いほくろが急に増えた」ときの考え方

老人性血管腫は、数か月〜数年の単位で少しずつ増えるのが自然な経過で、典型的な老人性血管腫と診断された場合、年齢とともに数が増えること自体は珍しくありません。一方、短期間に数が急に増えた場合や、1つだけ様子が異なるものがある場合は、個数にかかわらず診察を受けてください。短期間に多数が出現した場合は、妊娠や、まれに体の中の病気との関連が報告されています。この場合は皮膚だけでなく、体調の変化(体重減少・だるさなど)を診察で確認します。

ほくろ(色素性母斑)が急に増える・大きくなる場合の考え方は、ほくろが大きくなるコラムで解説しています。

似ている赤い・黒いできものとの違い|クモ状血管腫・化膿性肉芽腫・血栓化した血管腫・メラノーマ

「赤いほくろ」として相談されるできものの中で、老人性血管腫と区別が必要なものを整理します。見分けは診察(ダーモスコピー)で行います。

できもの老人性血管腫との違い
クモ状血管腫中心の赤い点からクモの脚のように細い血管が放射状に広がる。顔・首・胸に多い。妊娠中や肝臓の病気で増えることがあり、多数ある場合は内科の評価も
化膿性肉芽腫数週間で急に大きくなり、触るとすぐ出血する赤い盛り上がり。指・顔・唇に多く、けがの後にできることがあり、妊娠中や一部の薬でもできる。老人性血管腫は急に大きくならず、出血は衣類などの刺激がきっかけのことが多い。自然に出血する・繰り返す・止まりにくい場合はほかの病変も含めて確認
血栓化した老人性血管腫血管腫の中で血が固まると、急に黒〜紫黒色に変わり、メラノーマと見分けにくくなる。ダーモスコピーで判断し、迷う場合は切除して病理検査
メラノーマ(悪性黒色腫)・無色素性メラノーマ黒いメラノーマは色がまだら・形が非対称・大きくなる。まれに色のない赤〜ピンクの盛り上がりとして出るタイプ(無色素性)があり、「赤いほくろ」と間違えられる。急に大きくなる・出血する場合は要確認(メラノーマのコラム)
基底細胞癌顔に多い。真珠のような光沢のある盛り上がりで、中央がただれる・血管が透けて見える。ゆっくり大きくなる
被角血管腫赤黒く、表面がざらざら・いぼ状。太もも・陰部・指に多い
軟性線維腫(スキンタッグ)・ほくろ多くは肌色〜茶色だが、ほくろやできものの色には幅があり、赤いかどうかだけでは区別できない。擦れる部位のやわらかい突起は軟性線維腫(いぼの種類のコラム)

受診したほうがよい赤いできもの|急に大きい・出血する・黒くなる・形がいびつ

老人性血管腫は「小さい・丸い・鮮やかな赤・大きさがほとんど変わらない(変わっても年単位でゆっくり)」が特徴です。次のサインがある赤い・赤黒いできものは、見た目だけで老人性血管腫と決めず、診察で確認してください。

診察で確認が必要な赤い・赤黒いできもの
  • 数週間〜数か月で急に大きくなった(大きさにかかわらず)
  • 触るとすぐ出血する、出血を繰り返す、かさぶたができては取れる
  • 赤かったものが急に黒く・紫黒く変わった
  • 形が左右非対称、色がまだら、境界がぎざぎざ
  • 顔・手足・爪のまわりにできた、1つだけ様子の違う赤黒いできもの
  • 短期間に多数が一斉に出現し、体重減少やだるさを伴う

多くは診察で良性と分かりますが、ダーモスコピーで判断が難しい場合は、切除して病理検査を行います。レーザーで蒸散させると組織が残らず病理検査ができないため、診断がついていないできものにはレーザーを当てません。

皮膚科での診察|ダーモスコピーで血管の模様を確認

診察では、見た目や経過に加えて、ダーモスコピー(皮膚用の拡大鏡)で血管の模様を確認します。老人性血管腫では、赤〜赤紫色の丸い小さな区画(赤色ラクナ)が集まった模様が見え、メラニンのほくろやメラノーマとは異なるパターンを示します。血栓化して黒く見える場合も、ダーモスコピーで血管腫の模様が確認できれば良性と判断できることが多いですが、判断が難しい場合や悪性を疑う場合には、生検・切除による病理検査や専門施設での評価を検討します。

診察で確認すること
  • できものの色・形・大きさ・表面と、ダーモスコピーでの血管の模様
  • いつからあるか、大きさや色の変化、出血の有無
  • 体幹に多数ある場合は、急に増えたか、ゆっくり増えたかと、体調の変化
  • 判断が難しい場合は切除して病理検査(検査の案内)

診察は保険診療です。「赤いほくろが何なのか知りたい」という目的だけでも受診していただけます。

治療の考え方|取る必要はない。希望する場合の方法は診察で確認

老人性血管腫は良性で、治療の必要はありません。見た目が気になる、服に擦れて出血する、という理由で取りたい場合に、除去の方法を検討します。当院で老人性血管腫に行う方法・費用・回数・リスクは、診察で診断を確認したうえでご説明します。

一般的な除去の方法(当院で行う方法は診察時にご案内)
  • CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)・電気凝固——局所麻酔のうえ、血管腫を蒸散・凝固させて除去する方法で、小さな血管腫に用いられます。処置後は1〜2週間ほど軟膏で保護します。主なリスクはかさぶた・赤み・色素沈着・小さな凹み・傷跡で、蒸散した組織は病理検査ができません。美容目的の除去は自費診療です
  • 血管に反応する光・レーザー治療——赤い色(ヘモグロビン)に反応する光で血管を閉じる方法で、小さく平らな血管腫に用いられることがあります。主なリスクは一時的な紫斑・赤み・色素変化で、複数回必要なことがあります
  • 切除(病理検査あり)——良性かどうかの確認が必要な場合は、レーザーではなく切除して病理検査を行います。診断目的の切除は保険診療です
  • 当院での実施——老人性血管腫に対してどの方法を行うか、費用(税込)・回数・リスク・術後の注意は、診断を確認したうえで診察時にご説明します。ほくろ・できものの除去の一般的な案内はほくろ除去のページにありますが、ほくろの料金が老人性血管腫にそのまま当てはまるわけではありません
知っておいていただきたいこと
  • 液体窒素(凍結療法)は、当院では老人性血管腫には用いていません——狙った範囲だけを処置しにくく、周りの皮膚が白く・茶色く残ることがあるためです。いぼの治療とは別に考えてください(液体窒素治療のコラム)
  • 自分で針で刺す・糸で縛る・引っかいて取るのは避けてください——出血と感染、傷跡の原因になります
  • 取っても新しいものはできます——老人性血管腫は年齢とともに増えるため、取った後に別の場所にできることはふつうにあります
  • 塗り薬・飲み薬で消す方法はありません

受診の目安・急ぐ症状

受診の目安
  • 赤いできものが老人性血管腫かどうか確認したい(ダーモスコピーで判断します)
  • 赤いほくろが急に増えた気がする
  • 服や下着に擦れて出血を繰り返す、見た目が気になり取りたい
  • 赤いできものの色・形・大きさが変わってきた

受診時は、いつからあるか、大きさや色の変化、出血の有無をお伝えください。写真で経過が分かる場合はお持ちください。

早めに受診していただきたい症状(急ぐ症状)
  • 赤い・赤黒いできものが数週間で急に大きくなった
  • 出血が止まりにくい・繰り返す、かさぶたができては取れる
  • 赤かったものが急に黒く変わった、形がいびつになった

当院の保険診療は初診予約不要です。「ただの赤いほくろかもしれない」段階でも、診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。

赤いできものの診察をご希望の方へ|まず種類を確認します

初診は予約不要・保険診療

見た目や経過に加えて、ダーモスコピーで血管の模様を確認します。判断が難しい場合や悪性を疑う場合は、生検・切除による病理検査や専門施設での評価を検討し、診断がついていない病変に安易にレーザー治療は行いません。除去をご希望の場合は、適応・費用・リスクをご説明したうえで検討します。

TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)

保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。検査や処置の内容によっては、別日の実施や専門施設へのご紹介が必要な場合があります。

駒沢大学駅直結平日 19時まで土曜 17時まで初診予約不要
月・火・水・金 9:30〜12:00 / 15:00〜19:00
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〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F

よくある質問

赤いほくろは放置しても大丈夫ですか?
老人性血管腫であれば、良性でがんになることはなく、放置しても害はありません。自然に消えることはなく、年齢とともに数が増えるのが自然な経過です。ただし、急に大きくなる、出血を繰り返す、急に黒く変わる、形が左右非対称といった変化がある赤い・赤黒いできものは別の病気のことがあるため、ダーモスコピーで確認してください。
赤いほくろが急に増えました。病気のサインですか?
老人性血管腫は30〜40代から増え始め、年齢とともに数か月〜数年の単位で少しずつ増えます。典型的な老人性血管腫と診断された場合、年齢とともに数が増えること自体は珍しくありません。ただし、短期間に数が急に増えた、1つだけ様子が異なる、急に大きくなる、出血を繰り返す場合は、大きさや個数にかかわらず診察を受けてください。短期間に多数が出現した場合は、妊娠や、まれに体の中の病気との関連が報告されているため、体調の変化(体重減少・だるさなど)を含めて診察で確認します。
老人性血管腫とメラノーマ(皮膚がん)の見分け方は?
老人性血管腫は小さく丸く、鮮やかな赤で、大きさがほとんど変わりません。メラノーマは色がまだらで形が非対称、大きくなり続け、出血やただれを伴うことがあります。まれに色のない赤〜ピンクの盛り上がり(無色素性メラノーマ)として出るタイプもあり、また血管腫の中で血が固まると急に黒く見えて見分けにくくなります。皮膚科ではダーモスコピーで血管の模様を確認し、判断が難しい場合は切除して病理検査を行います。
老人性血管腫は保険で取れますか?
老人性血管腫は良性で治療の必要がないため、見た目を理由に取る場合は自費診療になります。当院で行う方法・費用(税込)・回数・リスクは診察時にご説明します(ほくろの料金がそのまま当てはまるわけではありません)。一方、良性かどうかの確認が必要な場合に切除して病理検査を行うときは保険診療です。どちらに当たるかは診察で判断します。
液体窒素で取れますか?
当院では老人性血管腫に液体窒素(凍結療法)は用いていません。狙った範囲だけを処置しにくく、周りの皮膚が白く・茶色く残ることがあるためです。取る場合の方法は、当院で行う方法・費用とあわせて診察時にご案内します。診断がついていないできものにはレーザーを当てず、切除して病理検査を行います。
赤いほくろを引っかいて血が出ました。どうすればよいですか?
清潔なガーゼやティッシュで数分間しっかり押さえれば、多くは止まります。止まらない場合、自然に出血する、出血を繰り返す、触るとすぐ出血する盛り上がりは、化膿性肉芽腫など別のできものの可能性もあるため受診してください。擦れる場所にあって繰り返し出血する老人性血管腫は、除去を検討することもあります。
ルビースポットとルビーレーザーは関係がありますか?
名前は似ていますが関係はありません。ルビースポットは老人性血管腫の別名で、赤い色からそう呼ばれます。ルビーレーザーはしみ(老人性色素斑など)のメラニンに働くレーザーで、老人性血管腫の治療には使いません。血管腫を取る場合は、CO2レーザーや血管に反応する光・レーザー治療など別の方法が用いられ、当院で行う方法は診察時にご案内します。

参考資料

監修医師情報
駒沢皮膚科クリニック院長 清水顕医師
清水 顕(しみず あきら)
駒沢皮膚科クリニック 院長/医学博士
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

経歴
  • 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
  • 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
  • がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
  • スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
  • 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
  • 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)

専門分野

皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科


資格・所属学会
  • 医学博士
  • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会 会員
  • 日本臨床皮膚科学会 会員
  • 日本アレルギー学会 会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員

研究業績
  • 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
  • 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)

担当医師より

赤いほくろのご相談で、私がダーモスコピーを必ず当てるのは、「老人性血管腫です」と言うためではなく、まれに混ざる別のできものを見逃さないためです。老人性血管腫はごくありふれた良性のもので、増えること自体は心配いりません。ただ、血管腫の中で血が固まって急に黒くなったものや、赤く盛り上がって出血を繰り返すものは、見た目だけでは判断できないことがあります。診断がついていないものにレーザーを当てると組織が残らず病理検査ができなくなるので、迷うものは切除して確認する、という順番を守っています。赤いできものが気になる方は、お気軽にご来院ください。

本コラムは皮膚科専門医が監修しています。個別の症状・治療方針については、必ず医師の診察を受けた上でご自身でお決めください。(医療広告ガイドライン準拠)

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