ディフェリンゲルの使い方|塗る範囲・量と刺激が出たときの相談
ディフェリンゲルの使い方|
塗る範囲・量と刺激が出たときの相談
一般皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科(医師紹介)
- ディフェリンゲルは1日1回、洗顔後、就寝前に、ニキビができやすい顔の範囲全体に薄く塗ります。承認されている効能は顔面のニキビのみです
- 使い始めに乾燥・皮むけ・赤み・かゆみが出やすく(添付文書では2週間以内に多い)、通常は軽度で一過性です。強い刺激・腫れは時期を問わず中止して相談を
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方は禁忌(使えません)。目・口唇・鼻翼・粘膜・傷には塗らず、日光を避けます。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します
「ディフェリンを塗り始めたら顔がカサカサになって赤くなった」「ニキビのところだけに塗っているのに、ほかの場所に新しくできる」「妊娠中も使っていいの?」——ディフェリンゲル(アダパレン0.1%)は、ニキビの保険治療の中心になる塗り薬ですが、塗る範囲と使い始めの刺激で挫折する方が多い薬でもあります。
ディフェリンは「アダパレン」を含む薬です。後発品は「アダパレンゲル0.1%」の名前で処方されます。薬袋・容器で製品名と濃度をご確認ください。この記事の内容は同じ成分・濃度のアダパレンゲルにも当てはまります。
この記事では、添付文書と日本皮膚科学会のガイドラインに沿って、塗るタイミング・範囲・量、使い始め2週間の乾燥・皮むけへの対処、妊娠中の禁忌、顔以外に使えない理由、費用の目安を皮膚科専門医が解説します。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します。この記事は一般的な使い方の説明で、個々の処方の指示に代わるものではありません。処方された薬の使い方に迷ったときは、まず処方元の医療機関・薬局にも確認できます。
ディフェリンゲルとは|アダパレンの働きと、承認されている効能(顔面のみ)
ディフェリンゲルの有効成分アダパレン0.1%は、ビタミンA誘導体(レチノイド)に似た作用をもつ外用薬です。毛穴の出口の角質が厚くなって詰まる過程を抑え、ニキビの始まりである「微小面ぽう」の段階から働きます。白ニキビ・黒ニキビに加え、赤ニキビにも使われ、日本皮膚科学会のガイドラインでは炎症のある時期と、落ち着いた後の維持療法の両方で強く推奨されています。
- 効能又は効果——尋常性ざ瘡(ニキビ)。ただし顔面の尋常性ざ瘡にのみ使用し、顔以外(胸・背中など)では有効性・安全性が確立していません
- 用法及び用量——1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。就寝前に使用
- 結節・嚢腫(硬く大きなしこりニキビ)には、他の適切な処置を行うとされています
- 治療開始3か月以内に改善がみられない場合は使用を中止し、別の治療を検討します
背中や胸のニキビには、過酸化ベンゾイルなど顔以外にも使える薬を検討します(背中ニキビのコラム)。
基本の使い方|1日1回・洗顔後・就寝前、「できやすい範囲全体」に薄く
- 回数・タイミング——1日1回、洗顔後、就寝前(承認された用法)。治療中は日光への過度の曝露を避けるなど、日中の紫外線対策も別に行います
- 範囲——ニキビのある部分だけに「点」で塗るのではなく、ニキビができやすい顔の範囲全体に薄く「面」で塗ります。アダパレンは今あるニキビを治すだけでなく、目に見えない毛穴の詰まりを防ぐ薬だからです
- 量——薄く伸びる程度。多く塗っても効果は増えず、刺激が強くなるだけです。顔全体に使う段階では、メーカーの患者向け資材で1FTU(人差し指の先から第1関節までの長さ=約0.5g)が目安として示されています。ただし開始時の量・範囲は皮膚の状態で異なり、最初から全顔一律ではありません。実際の量は処方医の指示に従ってください
- 避ける場所——目の周り・口唇・鼻翼(小鼻)・粘膜、切り傷・すり傷、湿疹のある皮膚には塗りません。目に入ったらすぐに水で洗い流します
- 保湿との順番——洗顔→保湿剤→(乾いてから)ディフェリン、が刺激の少ない順番としてよく指導されます。処方時の指示が優先です
「ニキビのところだけに塗る」使い方だと、塗っていない場所に次のニキビができて「効かない」と感じがちです。おでこ・頬・あご・フェイスラインなど、普段ニキビが出る範囲を面でカバーするのが、この薬の効果を出すコツです。
- 添付文書では、日光や日焼けランプによる過度の紫外線曝露を避けるよう求められています。日中は日焼け止めを使い、紫外線の強い季節は特に注意してください
- ピーリング作用のある化粧品・アルコール配合の化粧水・スクラブなど、ほかの刺激のある外用剤との併用は刺激が増すおそれがあります
- ワックス脱毛・顔そりの直後の塗布は刺激が強く出ることがあります
ディフェリンの副作用|使い始め2週間の乾燥・皮むけ・赤みと対処
ディフェリンの副作用で最も多いのは皮膚の乾燥で、添付文書では皮膚乾燥56.1%、皮膚不快感(ヒリヒリ・つっぱり)47.6%、皮膚剥脱(皮むけ)33.5%、紅斑(赤み)21.9%、そう痒症(かゆみ)13.2%と、半数以上の方に何らかの刺激症状が出ます。これらは治療開始2週間以内に発生することが多く、通常は軽度で一過性と添付文書に明記されています。ただし、軽くなるまでの期間には個人差があり、「2週間過ぎれば必ず落ち着く」という保証ではありません。強い刺激や腫れがあるときは、2週間待たずに使用を中止して相談してください。
- 日常のケアでできること——保湿剤を先に塗ってからディフェリンを重ねる。朝も保湿剤と日焼け止めを。皮むけを無理にはがさない、スクラブ・ピーリングを重ねない。洗顔はぬるま湯と泡でやさしく。乾燥しやすい顎・口周り(Uゾーン)は刺激が出やすい部位です(部位別のニキビの原因ガイド)
- 医師が個別に指示する調整——標準は1日1回・就寝前ですが、刺激に応じて塗る範囲を狭める・使用間隔をあける・塗って一定時間後に洗い流す、といった方法を処方医が指示することがあります。具体的な回数や塗布時間は処方元に確認し、自己判断で回数を増やしたり別の薬を重ねたりしないでください
- 軽い刺激が続いて使いにくい、むしろ悪化する場合は、診察で塗り方や薬の変更を検討します。強い刺激・腫れは時期を問わず中止して相談を
一方、頻度は低いもののアレルギー性のかぶれ(接触皮膚炎)や、まれに顔全体や首まで及ぶ赤み・腫れが起こることがあります。塗っていない部位に広がる赤み・腫れ、強いかゆみ、水ぶくれは刺激反応ではなくかぶれを疑い、使用を中止して受診してください(かぶれ(接触皮膚炎)の診療案内)。
使えない方・注意が必要な方|妊娠中は禁忌、授乳中・12歳未満・併用薬
- 添付文書の禁忌に「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」が明記されています。ビタミンA誘導体に類似した作用をもつためです
- 治療中に妊娠が分かった場合は、使用を中止して処方医にご連絡ください。妊娠を希望・計画している方は、処方前にお伝えください
- 授乳中——母乳への移行は不明とされ、治療の有益性と授乳の有益性を考慮して継続・中止を検討します
- 12歳未満——12歳未満を対象とした臨床試験は行われていません。小児のニキビは診察のうえ治療を検討します
- 過去にディフェリン・アダパレンでかぶれた——成分に過敏症の既往がある方は禁忌です
- ほかの外用薬・化粧品——ピーリング剤・刺激のある化粧品、ほかのニキビ外用薬(抗菌薬・過酸化ベンゾイル)を使っている場合は、重ね方・併用の可否を処方時に確認します
どのくらい続けるか|3か月の目安と維持療法、ベピオ・エピデュオとの関係
添付文書では治療開始3か月以内に改善がみられなければ中止し、改善して塗布が不要になった場合も漫然と長期に使わないこととされています。一方、日本皮膚科学会のガイドラインでは、赤いニキビが落ち着いた後の維持療法としてアダパレンを強く推奨しており、再発予防のために続けることがあります。「効いているか」「続けるか」「回数を減らすか」は、経過を見て処方医が判断します。3か月は「全員が3か月で治る」「全員3か月で終了」という意味ではありません。
| 時期 | 起こりやすいこと・確認すること |
|---|---|
| 使い始め〜2週間 | 乾燥・皮むけ・赤みが出やすい時期。軽ければ保湿で様子を見る。強い刺激・腫れは時期を問わず中止して相談 |
| 〜3か月 | 効果を評価する時期。改善がみられなければ中止し、別の治療を検討(添付文書) |
| 改善後 | 維持療法として続けるか、回数を減らすか、終了するかを診察で判断 |
| 薬 | 成分 | 主な役割・位置づけ |
|---|---|---|
| ディフェリンゲル(この記事) | アダパレン0.1% | 毛穴の詰まりを防ぐ。顔面のみ。妊娠中は禁忌 |
| ベピオゲル | 過酸化ベンゾイル2.5% | 殺菌+毛穴の詰まり改善。顔以外にも使える。漂白作用に注意 |
| エピデュオゲル | アダパレン+過酸化ベンゾイル | 両方の作用。単剤より刺激が出やすいため先に単剤を考慮。顔面のみ、妊娠中は禁忌 |
| 抗菌薬の外用(ダラシン・ゼビアックスなど) | クリンダマイシン等 | 赤ニキビの急性期に。耐性菌の観点から長期の単独使用は避け、維持療法には使わない |
赤ニキビが多い時期はアダパレンに抗菌薬や過酸化ベンゾイルを組み合わせ、落ち着いたらアダパレンまたは過酸化ベンゾイルで維持する、というのがガイドラインの基本的な流れです。自己判断で別のニキビ薬に交換したり重ねたりせず、組み合わせは処方内容を確認してください。薬の選び方の全体はニキビ治療の診療案内(保険の塗り薬・飲み薬の選び方)で解説しています。繰り返す顎・フェイスラインのニキビは顎ニキビ・大人ニキビのコラムもご覧ください。
費用の目安(保険診療)
ディフェリンゲル0.1%の薬価は1gあたり40.1円で、1本15gなら約600円、3割負担で1本あたり約180円が目安です。後発品(アダパレンゲル0.1%)はメーカーにより1gあたり17.9〜21.2円で、3割負担で1本約80〜95円が目安になります。これに診察料・処方箋料・調剤料が加わります。
※薬剤費のみの概算です(薬価は2026年10月14日時点の厚生労働省薬価基準で確認、15g・3割負担で計算)。診察・処方・調剤等の費用は別で、自己負担割合・処方量・医療費助成等により実際の支払いは異なります。先発品・後発品のどちらにするかは診察時・薬局でご相談ください。
受診の目安・急ぐ症状|使用を中止して相談するとき
- 乾燥・皮むけがつらくて使い続けにくい、塗る範囲が分からない(我慢して使い続ける前に、処方元または当院へ)
- 3か月使ってもニキビの数が減らない(塗る範囲の見直しや、薬の追加・変更を検討します)
- 妊娠を希望している、授乳を始めた
- 塗り方・順番・量に迷っている
受診時は、薬の現物または名前が分かるもの(お薬手帳)、使い始めた日、塗った範囲と回数、症状の写真、使っている保湿剤・化粧品・日焼け止めがあると診察に役立ちます。写真だけで診断できるとは限りません。
- 妊娠が分かった——使用を中止し、処方医に連絡を
- 塗った部位を越えて顔全体・首まで赤く腫れる、まぶたが腫れる、水ぶくれ——かぶれの可能性。使用を中止して受診
当院の保険診療は初診予約不要です。他院で処方されたディフェリンの使い方の相談も受け付けています。診療時間・受付時間をご確認のうえご来院ください。
※この記事は一般的な情報です。実際の塗り方・量・期間は処方医の指示が優先します。
「乾燥してやめてしまった」方へ。塗り方と保湿の見直しで続けられることがあります
初診は予約不要・保険診療
皮むけがつらい、塗る範囲が分からないときは、我慢して使い続ける前にご相談ください。ニキビの状態を診察し、塗る範囲・量・保湿との順番と刺激への対処を一緒に確認します。他院で処方された薬の相談も可能です。薬の名前・使った期間・塗った範囲が分かるものをお持ちください。
TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。薬の使い方は処方元の医療機関・薬局へも確認できます。LINEでは診断・処方は行っていません。
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
〒154-0011 東京都世田谷区上馬3-18-11 エルフレア駒沢3F
よくある質問
関連ページ
参考資料
- PMDA(医薬品医療機器総合機構):ディフェリンゲル0.1% 添付文書——効能又は効果(顔面の尋常性ざ瘡)、用法及び用量、禁忌(妊婦)、副作用の頻度(2023年1月改訂)
- 日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023——アダパレンの急性炎症期・維持期での推奨、急性炎症期は最大3か月を目安に維持期へ
- DermNet NZ(ニュージーランドの皮膚科専門医が運営する医療情報サイト):Topical retinoids——外用レチノイド(アダパレンを含む)の作用、刺激(赤み・皮むけ・乾燥)、光線過敏と日焼け止め、妊娠中の注意
医療法人社団 誠清会 理事長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業 / 同大学皮膚科学教室 入局
- 同大学 救急部麻酔科にて全身管理を研修
- がん研究会がん研究所 生化学部にて皮膚がんの発生メカニズムを研究(国内留学)
- スウェーデン・ルードヴィック癌研究所 研究員(国際共同研究)
- 山梨医科大学 皮膚科 助手・医局長 歴任
- 2003年11月 駒沢皮膚科クリニック 開院(開業20年以上)
皮膚がん・アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・掌蹠膿疱症・ニキビ・ニキビ跡・アレルギー性皮膚疾患・美容皮膚科
- 医学博士
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 会員
- 日本臨床皮膚科学会 会員
- 日本アレルギー学会 会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- 「血小板由来成長因子(PDGF)のシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により文部科学省 科学研究費助成(平成13〜14年度)
- 「隆起性皮膚線維肉腫におけるPDGFのシグナル伝達機構および癌化調節機構の検討」により日本皮膚科学会 基礎医学研究費(資生堂寄付)授与(平成14年度)
ディフェリンは使い始めの乾燥と皮むけで「肌に合わない」とやめてしまう方が多い薬ですが、保湿を先に塗る、塗る範囲や間隔を調整するといった工夫で続けられることが多いものです。ただし、強い刺激や腫れを我慢して使い続ける必要はありません。もう一つ多いのが、ニキビのところだけに塗って「効かない」と感じているケースで、できやすい範囲を面で塗るように変えると結果が変わります。妊娠中は使えない薬ですので、妊娠の可能性がある方は必ず教えてください。他院で処方された薬の相談でも構いません。まずお気軽にご来院ください。
ご来院・アクセス
初診は予約不要・保険診療
ディフェリンの塗る範囲・量・保湿との順番と、乾燥・皮むけへの対処は、ニキビの状態を診察したうえでお伝えします。続けるのが難しいと感じている方も、まずご相談ください。
TEL03-3413-6600 公式LINEはこちら 診療時間・行き方を確認する(アクセスページ)保険診療の初診は予約不要です。受付は診察終了の15分前までです。薬の使い方は処方元の医療機関・薬局へも確認できます。LINEでは診断・処方は行っていません。
土 9:30〜12:00 / 14:00〜17:00
木・日・祝 休診
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【美容施術時間】
▲=土曜午後/14:00〜17:00
